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~35年間で500社対応!ペーパーレスのスペシャリストが語る~
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赤山さんのペーパーレス登山ブログ
#12 【自社実践インタビュー】電帳法対応編:その1
2023-03-29
今回は、自社実践詳細編の第1弾として、電子帳簿保存法対応を推進したプロジェクトのメンバーのインタビューをお送りしたいと思います。
なお本内容ですが、電帳法に関する弊社の取り組みや見解が中心で、法要件の説明や、要件を満たしていることを保証するものではありませんので、その点ご了承ください。
【赤山】
本日は、NECネッツエスアイにおける電帳法への取り組みについて、経理部の醍醐さんにお話しをお伺いします。それでは、よろしくお願いします。
【醍醐】
よろしくお願いします。
【赤山】
醍醐さんは、令和4年の電帳法改正で一番インパクトの大きかった電子取引要件対応の中心メンバーとしてご活躍いただいていますが、その前段として、そもそも電帳法対応に関わるきっかけを教えてください。
【醍醐】
はい、きっかけは当社の働き方改革に向けた「アクティビティ・ベース
※
」開設であり、それに合わせた分散勤務への対応準備になります。
※サテライトオフィスを首都圏10箇所に新設し、社員を分散させる取り組み
分散勤務になると、各部門の人がバラバラの場所に物理的に勤務することになりますので、その状態でも業務に支障がないようにプロセスやインフラを整えなければいけません。
私が所属する経理部の大きな検討課題は、経費伝票についてどうするかでした。
これまでは、伝票を紙出力して、物理印(印鑑)をスタンプラリーし、各自が所属する計画部門や経理部門に伝票と確証を紙で手渡しするという形が取られていました。
もちろんこのままでは、分散勤務は成り立ちません。
例えば、申請者は船橋で伝票を起票、上司は浦和にいるので浦和に郵送します。その後、自分が所属する経理部門は本社地区なので、本社飯田橋に送る。
こんなことは現実にはありえません。
経費伝票について電子承認の流れに舵を切ったのをきっかけに、請求書や領収書等の取引書類についても、電子的な承認プロセスの検討を開始しました。
【赤山】
ありがとうございます。まずは経費伝票から始めたということですね。
経費伝票は数も多く、関係する社員も多いので、電子化する効果が大きい帳票ですよね。
さてその後、コロナ禍もあり、分散勤務はもとより、そもそも出社できないという時期もあったと思いますが、その時はいかがだったでしょうか?
【醍醐】
はい、うまい具合に出社しなくても伝票は回せるところまでは出来ていたのですが、一方で受注や売上の確証のデジタル化については、まだ仕掛かり中の部分もありました。対応を加速すべく、いろいろ試行錯誤をしたり、一部例外的な容認措置をいくつか設けたりして、乗り越えました。
【赤山】
働き方改革でデジタル化を進めて、テレワーク中心に切り替えて、時代を先取りしていた部分はありましたが、全く出社できないっていうのは少し予想外でしたね。
【醍醐】
そうですね。ただ早めに準備を進めていたこともあり、比較的すぐに完全テレワークに移行できた部分もありました。
【赤山】
さて、ここからは令和4年の法改正の対応についてお話しを伺います。
ご存じのように、スキャン要件等が大きく緩和される反面、電子取引の要件については、厳格な保存要件が求められるようになりました。社内的にはどう取り組まれましたか?
【醍醐】
先程の話にも繋がりますが、弊社としては全社横断で働き方改革を進め、その一環として、改正前から幅広い範囲で電帳法適用を受けるべく取り組んでいました。
【赤山】
具体的には、帳簿やスキャナ保存含めて、電帳法適用を目指すということですね。
【醍醐】
そうです。当時は税務署への申請が必須でしたので、それを目指して関係メンバーと準備を進めました。
そんな中、ちょうど翌年の税制改正で電子取引が厳格化されると発表されたこともあり、適用申請後に、引き続き翌年度の電子取引の要件にも対応しようということになりました。
【赤山】
改正前に帳簿とスキャン要件の対応を進めていたこともあり、その延長線上で電子取引まで取り組んだということですね。すごくいいタイミングでした。
実際に、二つの要件については、税務署に申請を出されましたか?
【醍醐】
2020年の12月に小石川税務署に届出しています。
従って、2021年4月からその二つは適用している状態になりました。
【赤山】
お疲れ様でした。引き続き、電子取引についてですが、法改正が出てから、具体的な内容がわかるまで、かなり時間が掛かった部分がありましたが、進めていく上でどうでしたか?
【醍醐】
そうですね。税制改正大綱レベルだとどう見ても強制的にやらなければならないと読めるのですけど、その時点で正直、この電子取引の対応について全ての企業法人に求めていくのかなという疑問はありました。
どこかで緩和措置だったり、特定の企業に絞る等の条件が追加されたりするのかなとも思いましたが、7月の段階になっても、多少の緩和や追加された要件はありましたが、基本的には全てというスタンスは変わりませんでした。
その時点で覚悟を決め、経費の電子取引対応の実績を引き継いだ形で、すべての取引書類の電子受領や発行に意識を切り替えるべく、取り組みを開始しました。
【赤山】
その後、年末近くになって2年間「宥恕(ゆうじょ)」という発表がありました。「宥恕」って聞いたことありましたか?
【醍醐】
「宥恕」っていう言葉は聞いたことがなくて、「猶予」とは何が違うのだろうと、いろいろ調べました。他の人もこれなんて読むのだろう?というところからスタートしていましたので、戸惑いはありましたね。
【赤山】
はい、「猶予」というのは条件なしで待ってあげますよということですが、「宥恕」というのは基本やらないとダメ、ただしやむを得ない事情がある場合は、出来ていなくても仕方ない位なニュアンスで捉えていたのですけど、醍醐さんの認識はいかがですか?
【醍醐】
そうですね。そこは違いがあると思います。
電帳法のセミナー等でも、もう面倒だからかもしれませんが、「宥恕」のところを「猶予」とおっしゃっている方が結構いたりしますが、「猶予」と「宥恕」では意味合いは違うという認識だけは持っておいた方が良いと思います。
今のタイミングで税務調査が入った場合、そこで見解の相違点が発生する可能性があります。一応「宥恕」の方はおめこぼしという意味合いだと理解しています。
やらなければならないけれど、やっていなくてもお咎めはしないよという意味合いの違いはあるっていう解釈でしたね。
【赤山】
はい、これは実際に「宥恕」期間になってから税務調査を受けられたお客様にお伺いした話ですが、やはり基本的にはやっていなければいけないと言われたとのことです。
対応途中であれば未だいいですが、まだ全然やっていないと言うと指摘を受けるようです。
そこがやはり、「宥恕」と「猶予」の違いなのかなと思います。
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