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セキュリティ運用サービス月次レポート 2023年11月

セキュリティ運用サービス月次レポート 2023年11月

1. サイバー攻撃検知状況

当月発生したインシデントの所感

2023年11月はセキュリティ運用サービスを提供させていただいているお客様で以下のようなインシデントがありました。

サイバー攻撃検知状況

特に印象的だったインシデントは、不審なファイル(ランサムウェア)の検知、感染です。

監視中のEDR(Endpoint Detection and Response)にて特定プロセスによる複数ファイルのファイル名変更を検知したため調査したところ、変更後のファイル名からランサムウェアの特徴がみられたため通報を実施しました。

通報後の調査で子会社のネットワーク経由で侵入され感染に至った事が判明しています。

子会社、海外拠点、協力会社と言ったセキュリティレベルが低い部分から侵入するいわゆるサプライチェーン攻撃は枚挙にいとまがないほど多くの被害事例があります。情報システム部門はネットワーク構成を十分に把握したうえで対策を講じる必要があります。

当月検知した攻撃についての所感

Citrix ADCおよびCitrix Gatewayの脆弱性(CVE-2023-4966)

本脆弱性については先月のレポートで注意喚起しておりましたが、実際に攻撃を検知しました。

当SOCで検知した範囲では以下のIPアドレスから攻撃が行われていました。
3[.]236.108.204
44[.]200.150.178

2.脆弱性情報

米国CISA(サイバーセキュリティー・インフラセキュリティー庁)が公開しているKEV(悪用が確認されている脆弱性一覧)から2023年11月に追加されたものを抽出しました。

悪用が確認されている事から緊急性の高い脆弱性と考えられる一方で日本国内では採用が稀なソフトウェアが多いため、JPCERT/CC等の日本国内組織からも注意喚起されている脆弱性は要注意としてマーク(〇)しています。

要注意 脆弱性番号 ベンダ 製品 脆弱性名
CVE-2023-46604 Apache ActiveMQ Apache ActiveMQ Deserialization of Untrusted Data Vulnerability
CVE-2023-22518 Atlassian Confluence Data Center and Server Atlassian Confluence Data Center and Server Improper Authorization Vulnerability
CVE-2023-4911 GNU GNU C Library GNU C Library Buffer Overflow Vulnerability
CVE-2023-6345 Google Skia Google Skia Integer Overflow Vulnerability
CVE-2023-29552 IETF Service Location Protocol (SLP) Service Location Protocol (SLP) Denial-of-Service Vulnerability
CVE-2023-36844 Juniper Junos OS Juniper Junos OS EX Series PHP External Variable Modification Vulnerability
CVE-2023-36845 Juniper Junos OS Juniper Junos OS EX Series and SRX Series PHP External Variable Modification Vulnerability
CVE-2023-36846 Juniper Junos OS Juniper Junos OS SRX Series Missing Authentication for Critical Function Vulnerability
CVE-2023-36847 Juniper Junos OS Juniper Junos OS EX Series Missing Authentication for Critical Function Vulnerability
CVE-2023-36851 Juniper Junos OS Juniper Junos OS SRX Series Missing Authentication for Critical Function Vulnerability
CVE-2023-36584 Microsoft Windows Microsoft Windows Mark of the Web (MOTW) Security Feature Bypass Vulnerability
CVE-2023-36033 Microsoft Windows Microsoft Windows Desktop Window Manager (DWM) Core Library Privilege Escalation Vulnerability
CVE-2023-36025 Microsoft Windows Microsoft Windows SmartScreen Security Feature Bypass Vulnerability
CVE-2023-36036 Microsoft Windows Microsoft Windows Cloud Files Mini Filter Driver Privilege Escalation Vulnerability
CVE-2020-2551 Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middleware Unspecified Vulnerability
CVE-2023-49103 ownCloud ownCloud graphapi ownCloud graphapi Information Disclosure Vulnerability
CVE-2023-1671 Sophos Web Appliance Sophos Web Appliance Command Injection Vulnerability
CVE-2023-47246 SysAid SysAid Server SysAid Server Path Traversal Vulnerability
2023年11月注意すべき脆弱性情報

KVEに掲載されたもの、されなかったもの合わせ2023年11月は注目を集めるような脆弱性は無かったように思います。

引き続き注意すべき脆弱性が現れないか注視して参ります。

3.セキュリティインシデント

日本国内で発生したセキュリティインシデント

当月に日本国内で発生したセキュリティインシデントをリストアップしました。

実際は他にも多くのインシデントが発生していますが、話題性のあったものを中心に取り上げています。

公表日 発生日 発生組織 概要 内容
2023/11/24 2020年5月~2023年3月 池袋パスポートセンター 個人情報等漏えい 旅券発給窓口業務を行っている委託先企業の従業員(中国籍)が、旅券申請者の戸籍謄本等をコピーしたり付箋に書き写す等して持ち帰り、1920人分の個人情報が漏えいした。
事件後、旅券発給窓口担当者は日本国籍所有者に限定するよう外務省から通知が出された。
2023/11/27 2023年10月 SNS運営事業者L 個人情報等漏えい 業務委託している国外関連会社のPCがマルウェアに感染し、従業員、取引先、顧客の個人情報が併せて44万件流出した。
2023/11/29 2023年夏ごろ JAXA 個人情報等漏えい 2023年5月ごろ発見された脆弱性(詳細不明)が悪用されてネットワークに侵入され、職員の個人情報が漏えいした。
ロケット等の機密性の高い情報は漏えいしていない。
2023年11月セキュリティインシデント

4.その他

公的機関のお知らせまとめ

公的機関が発するセキュリティ関連の注意喚起や定期レポートをまとめた一覧を示します。

筆者独自の調査、取捨選択を行っているため全ての発信情報を網羅しているわけではないことをご了承ください。

今月特に気になったのはJPCERT/CCの「日本の組織を標的にした外部からアクセス可能なIT資産を狙う複数の標的型サイバー攻撃活動に関する注意喚起」です。

JPCERT/CCはサイバーセキュリティ協議会と言う活動を通じて行政機関やセキュリティ事業者から情報を収集しており、このような形で注意喚起が行われるという事は具体的な脅威に基づいていると考えられます。

2023年12月時点で3種類の製品の脆弱性が注意喚起されているため自組織で利用していないか改めて確認いただければと思います。

5.最後に

NECネッツエスアイではセキュリティ運用サービス(SOC)の他、Webアプリケーションファイアウォール、侵入防御システム、各種セキュリティ対策製品の導入支援や、お客様のシステム環境に最適な解決策のご提案を行うセキュリティコンサルティングサービスを提供しております。

お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

ABOUT ME
プロフィール Sakanishi Kazuma
SOC(Security Operation Center)サービス事業でアナリスト業務に従事。
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