こんにちは。DXビジネス推進本部 運用開発グループの尼﨑です。
早いものでスクラムマスター成長日記もVol.4まできました。
今回は、自分が実際にスクラムマスターとして活動している中で、もっとこう動けばよかった。というような体験談から学んだ事をケース毎に綴っていけたらと思います。
ケース1.空中論争
このケースは、とあるツールを変えるかどうかで議論した内容になります。
バックログリファインメント(次のスプリントで対応するPBIを決める・新たなPBIをたてて議論する場)を実施している最中、現在はAを使っているがBに変更するべきではないか。と開発メンバーから提案がありました。
この時、Bに変更する工数が発生してしまうが、将来的にはやっておいた方が良い。という内容のものでした。
約20分以上議論をしたのですが、POと開発メンバーの空中論争が始まってしまい、時間だけが過ぎていきました。
議論することは必要だとその時私は考え、基本的には静観していました。
議論の結果、POとしては中長期的にスケジュールを鑑みて、Bに変えるリソースが足りないという判断が下され、変更しないという方向になりました。
どう動けばよかったのか?
限られた時間内でゴールにたどり着く必要があるので、今回のような空中論争が5分以上続いた場合、スクラムマスターとして静観するのではなく差し込むと良かったと思います。
その場合、「空中論争になってきたので、変更することによるメリット・デメリットを整理しませんか。」とメンバーに声かけた上で、簡単な整理用の枠を用意するとより良いです。
どんな観点で話すかは、メンバーに問いかけをするのも良し、スクラムマスターが「例えばですけど、コスト面でどうか。という観点で整理してみるのは如何ですか。」と問いかけるのも良いです。
整理することにより、見直しができることも勿論ありますが、頭の中で考えている内容を整理することもできます。
明確にメリットデメリットを整理することで議論の題材にもなり、よりメンバー全員で納得できる結果を導きやすくなります。
ケース2.気づいたら時間オーバー
このケースは、スプリントプランニング1の時に起きた内容です。
プランニング1では、本スプリントで対応するPBIを決定する場ではあるのですが、対象のPBIをどうやって対応していくか、フレームワークに記載されていた内容に対してPOと開発メンバーで議論していた最中に起きました。
対象のPBIに関連して他の対応しなければならない事項が浮き彫りになった事により、対象のPBIから話の論点が少しずつずれ始め、最終的には論点がずれた状態で議論が続いていました。
この時、私としては、その話の内容が対象のPBIに関連しているのかどうか検討がつかず、ケース1同様静観していました。
結果としては、プランニング1の時間が大幅に伸びたことにより矢継ぎ早に話を進め、ちゃんと議論ができないまま対象のPBIを決定する事態となりました。
どう動けばよかったのか?
最初は対象のPBIの話をしていても、どうしても論点がずれてしまうことも起きます。
話をしていくうちに「あれも対応しないと、これもやらないと。」という思いはどうしても生まれてしまいます。
この場合、違う話で盛り上がりすぎて時間切れにならないよう、スクラムマスターとして状況に応じて差し込む必要があります。
もし、話の内容がPBIに関連しているのかどうか分からない場合は「今の話はこのPBIに関連していますか?」といった様にメンバーに確認することも大事です。
話がそれた状態で議論が続き時間切れになる前に、パーキングロットのフレームワークを用いて、「今の話は別のタイミングで議論するべきだと思うので、パーキングロットに置いておきましょう。」と促すとより良いです。
勿論、パーキングロットでなくチームで管理している備忘録等でも構いません。次の機会で話す必要のある内容をきちんと残しておけば問題ないと思います。
まとめ
今回は2つのケースをもとに書いていきましたが、どちらも議論についての内容です。
メンバー内での話し合いはとても大事な工程ですが、限られた時間をメンバーにとって有益な時間にするのはスクラムマスターとしての役目だとも感じました。
スクラムのイベントは時間がある程度決まっているので、その中で必要な議論ができているのか、場合によっては対応するフレームワークを用意し、メンバーに問いかけをすることも重要です。
正直、このようなケースを体験しないと気付かない内容でもあるのと、今でも時間内におさまらない場合もありますが、経験した内容を少しでも多く活かせるようになれたらいいなと感じています。