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紙の山を攻略!
赤山さんのペーパーレス登山ブログ

#13 【自社実践インタビュー】電帳法対応編:その2

【赤山】 ここからは、醍醐さんが実際に電子取引要件を、社内に展開していった時の苦労話などをお聞きしたいと思います。
【醍醐】 そうですね。先ほどの話の通り、7月に税制の詳細が公開され、12月まで半年もない中で、まずどう進めるかを決める必要がありました。
もちろん、現場レベルに合わせたものを用意したいという話はありましたが、それを目指すためには多数ある取引書類や業務プロセスごとの細かいルールや流れを正確に把握する必要があるため、時間的に厳しいという結論になりました。
まずは法要件をクリアするために、電子取引のデータを保管するためのシステムを用意し、そこに電子データの登録を行い、現場レベルに合わせるのはリリース後に改めて再検討しようという判断になりました。
【赤山】 基盤をきっちり作って、まずはそこにきちんと保管するルールを作る。その後、細かい部分は、調整していくという感じですね。
保存先のシステムの選定は、どうされましたか?
【醍醐】 保存だけ考えれば、比較的選択肢は多数ありましたが、ポイントになるのは、検索性の部分だと思っていました。
電子取引で求められている検索性を満たすためには、やはりきちんとしたシステムが必要ですので、現在社内で使用している「文書管理システムFilingStars」が最適だということになりました。
【赤山】 ありがとうございます。ご存じない方もいらっしゃると思いますので、ここで簡単に「文書管理システムFilingStars」について説明しておきます。
「文書管理システムFilingStars」は、弊社で販売している文書管理システムで、発売以来、民間はもちろん、金融系や官公庁のお客様に多数ご利用いただいております。
社内でも積極的に利用しており、全社レベルの重要文書である社内規程・マニュアル・役員会議資料等や、取引関係の各種確証類を保存しています。
今回、新たに電子取引要件の保存先に決まったということですね。
【醍醐】 既に全社員が使いこなしているというのは重要でした。新たなキャビネット階層を設けただけでしたので、導入自体はスムーズだったという印象です。
【赤山】 国税庁の推奨するJIIMAの認証を受けているという点も大きいポイントですね。一般的な文書管理やクラウドストレージの中では、電子取引の要件を完璧に満たしているとは言い難いものもありますので、選択時は注意が必要です。
それでは、引き続きお伺いします。
システム準備後、先の話題にもあった宥恕となりましたが、その時のことを詳しく教えてください。
【醍醐】 システムの用意も終わり、これから全社教育をスタートしようという、まさにそのタイミングで、宥恕措置が発表されました。
驚きと共に、至急関係者と議論した上で、現場の混乱や負荷を減らすため、一旦予定していたリリースを先送りし、改めて業務プロセス・レベルから検討した上で、再度スタートしようということになりました。
時間的な余裕ができたこともあり、設計段階から見直しましたが、そこであらためて弊社の場合は基本的にほとんどの社員が何らかの形で取引書類に関わっているタイプの会社だと気づき、進める上でかなり苦労しました。
具体的に説明すると、機能を集約した組織構造ですと、取引処理に関わらない部門がかなりありますが、弊社の場合は、営業はもちろん、事業部もスタッフ部門も発注や検収等の取引に大きく関わります。
ある意味で全社員レベルでの対応が必要となり、なかなかハードルが高いなと改めて感じたところですね。
【赤山】 確かに全員が何かしらの形で取引には関わっているって会社ですよね。
【醍醐】 そうですね。宥恕が出たことにより、業務プロセスに沿うように考えようと方向性は決まったのですが、実態としてはあまりにも取引の範囲が広いということもあり、重要な業務プロセスのみを見直す形にしました。
【赤山】 重要な業務プロセスについてですが、注力されたのはどのあたりですか?
【醍醐】 大きく分けると営業プロセス、売上プロセス、発注プロセスになります。
これらは会社の取引行為として明確に一番ボリュームが多いものなので、実際のプロセスに関わる当事者たちのヒアリングを実施しました。
営業プロセスであれば、お客様との間の書類のやり取り等について、細かく聞き取り調査をしていきました。
例えば、見積書であれば、紙か電子どちらで発行しているか?押印はどうしているか?
そういった当事者としての作り方、携わり方から、しっかりと分岐させていって、最終的には授受の部分で、電子か紙か等、結構細かく定義をしていきました。
それらの結果をベースにしっかりと要件定義した上で、基幹システムとの連携を進めていきました。