NECネッツエスアイ
~35年間で500社対応!ペーパーレスのスペシャリストが語る~

紙の山を攻略!
赤山さんのペーパーレス登山ブログ

#08 社員の多くは、実はペーパーレスをやりたくない

最初から水を差す話で恐縮ですが、社員の方の多くは「ペーパーレスをやりたい」とは思っていません。
全員とは言い切りませんが、圧倒的多数の社員がそう思っています。
少なくともプロジェクト開始時は、ほぼ「アウェイ」状態です。
これは、お客様のペーパーレス・プロジェクトを数多く対応している私の率直な感想です。
プロジェクトを推進したい経営トップやリーダーと、現場の温度差がかなりあるのが実態と言えます。
事務局やプロジェクトに選ばれたメンバーでさえ、消極的な場合は少なくありません。
私たちは、この冷めた空気感の中で、プロジェクトを開始しないといけません。
それらの空気を吹き飛ばし、プロジェクトを成功するためには、社員側の事情を理解した上で、「やりたくない」「やらない」理由をクリアしていく必要があります。
それでは、社員がネガティブになってしまう具体的な理由を見てみましょう。

今までのやり方を変えたくない。面倒、何となくやりたくない

一番多いのはこのパターンです。
社歴が長い人や幹部クラスでも多く見られます。
今のままで何とかなっているんだから、無理して変えなくてもいいじゃないかという思考です。取り組むための、きっかけが掴めない場合もこちらに含まれます。

忙しい、他にやることがたくさんある

こちらは、比較的若い人や現場の人に多く見られるパターンです。
世の中、業績評価だとか成果報酬だとか様々なプレッシャーが増え、自分の成果に結びつかないものは後回しになりがちです。
ある意味、理解可能な理由で、ペーパーレスの優先順位があがらないという問題です。

余計な業務が増えないか警戒している

これは最近増えてきたパターンかもしれません。
必要性は理解し、やることに対しても前向きですが、そのやり方や進め方に不安を抱いているパターンです。
過去の嫌な経験やまわりの会社の失敗事例を把握する等、比較的アンテナが高い人にありがちなケースです。
確かに世の中には、効率化や生産性向上を目指しスタートしたはずのデジタル化が、反って非効率を生んでしまうような事例は世の中にたくさんあります。
いろいろなケースが見られますが、システムを使うことがゴールになっていたり、一部の人の業務を減らすために現場の負荷が増えてしまったりと本末転倒なケースも多く見受けられます。
DX化の過渡期ゆえに仕方がない面もありますが、これらの事態は回避したいですよね。
以上、これらの社員が抱える課題・心配・懸念を吹き飛ばし、プロジェクトを成功に導くためには、プロジェクトの目的・重要性・具体的な進め方を明確にし、様々な局面で、情報発信していく必要があります。
訴求すべき内容は、方向性を示すための「トップ・メッセージ」と、具体的な進め方を説明するための「事務局によるオリエンテーション」になります。

トップ・メッセージ

先にあげた1番目と2番目の理由に対して有効です。
トップダウンで会社として全力で取り組むという姿勢を見せない限り、ネガティブなムードは変えられません。
「社員の受けられる恩恵」と言っても、給料が増えるとか手当が出るというお金だけではなく、働く環境や時間が得られる、残業が減る等、色々あげられると思います。
こちらは、皆さんにもイメージしやすいかと思います。

事務局によるオリエンテーション

3番目の理由に対しては、トップ・メッセージに加えて、こちらが必須です。
具体的な内容は、次回掘り下げていきたいと思います。