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紙の山を攻略!
赤山さんのペーパーレス登山ブログ

#09 待って!それは「失敗フラグ」です

皆さんがペーパーレスのプロジェクトに取り組む場合、その多くは初めてだと思います。 物事、はじめから、そんなにうまくいくものではありません。
私自身も、始めたばかりの頃はなかなかプロジェクトが思った通りに進まず、試行錯誤することも多々ありました。
成功事例の裏側には数々の失敗事例があります。
今回はそんな失敗事例の中から共通点を見つけていきたいと思います。

【失敗フラグ①】方向性が定まらない状態で、会議を開催する

現場の意見を聴く。これは非常に大事なことです。
ただし、やり方を間違えると大ヤケドしてしまいます。
例えば、トップダウンで全社のペーパーレス推進が決まり、あなたがその事務局に任命されたとします。あなたはどうしますか?
ありがちなパターンとしては、各部の代表者を集めて、まずは意見を聴いてみようとします。これは、ほぼ確実に失敗します。
今までのブログを読んでいただいた方にはお分かりかと思いますが、下記の理由により、意見は発散し、ネガティブな状態で会議は終わり、そのプロジェクトは巻き返しが難しくなります。

<意見がまとまらない理由>

現場の意見を聴く前に、まず関係者である程度の方向性を定めておく、これが重要となります。
最低でも、何のためにやるのか、ゴールはどこに置くのか、範囲はどうするか等の基本事項は押さえておいてから、招集をしましょう。
その際、いろいろな会社の成功事例が有益な情報となりますので、数多くあたってみてください。

【失敗フラグ②】全社一律の目標を、各現場に押し付ける

方向性が定まった上で、現場の意見を聴く。これは非常に有効なことです。
例えば、移転に向けて「現状より70%の文書やキャビネット削減が必要」になったとします。
ここでありがちなパターンとしては、各部に対し、同じノルマを一律に課してしまうことがありますが、これはあまり正しい進め方と言えません。
現時点で、各部ごとのペーパーレスの進み具合は大きく異なりますので、このやり方ですと、既にペーパーレス化を進めていた部門が損をし、何もやっていない部署が得をしてしまいます。これでは、プロジェクト全体に不満が発生します。
単純に一律の目標を押し付けるのではなく、各部ごとの状況やポテンシャル(削減余地)を把握した上で、お互い納得した形で、部ごとの目標を定めます。
プロジェクト事務局はこれらを積み上げて、トータルでの全社目標達成を目指します。

【失敗フラグ③】必要以上に、完璧を目指す

完璧を目指すのは良い事ですが、限度を超えると、物事を進めることが難しくなります。
完璧を目指し過ぎることによる弊害は、大きく二つあります。
まずはプロジェクトの終わりが見えなくなってしまうことです。
ペーパーレスはセキュリティ等と同じで、現実に100点満点の対応はあり得ません。
また一定レベルを超えると、やらないといけないことは膨大に増え、費用対効果が大幅に下がり、プロジェクトにブレーキがかかります。
大事なことは、100点を目指すのではなく、合格点をゴールに定め、それを目指すことです。
二つ目は、プロジェクト終了後の定着フェーズで躓くことです。
ペーパーレスは一時的なものでなく、継続して行うものです。
最初から細かく定めてしまうと、それ以降の更新にも手間がかかり過ぎ、後が続きません。
情報管理の強化に向けて、対象文書の洗い出しを行う等がこれにあたり、細かく調査し過ぎた結果、その後全くメンテナンスされずに終わりというような失敗事例も多数あります。
この手の施策は、継続して毎年更新することが重要なので、現場が対応出来、かつ目的が達成できる範囲で、適度な落としどころを定めることが重要となります。