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紙の山を攻略!
赤山さんのペーパーレス登山ブログ

#07 あなたの会社のペーパーレスがうまくいかない理由

あなたの会社のペーパーレス、うまく進んでいますか?
中々思った通りにいかない。目に見える成果が出ないというケースも多いと思います。
ペーパーレスを進める上で、特殊な技術や資格が必須な訳ではありません。
もちろん効率よく進めるためには、それなりのノウハウや知識が必要ですが、極端な言い方をすると、試行錯誤を繰り返して、頑張り続ければ何とかなることもあります。
ただし、皆さんのその頑張りを妨げる様々な要因があり、実際それらがネックとなって、ペーパーレスは遅々として進まないのです。
今回は、それら皆さんの心を折る「ペーパーレスを阻害する要因」をみていきたいと思います。
社会全体に共通するもの、企業ごとの個別の課題、社員のマインドに関わる問題と、その内容は多岐に渡りますが、まずはこれらの内容を把握することが、解決への一歩となりますので、順番に見ていきたいと思います。

(1)電子データの法的証拠能力・各種規制

実は全社的なデジタル化を妨げる最大の要因が、長年この「電子データの法的証拠能力」「各種規制」に関する部分でした。
例えば、起案書や申請書、技術資料やマニュアル等の社内で完結する文書、いわゆる「社内文書」に関しては、企業内で電子化を進めることにより、業務効率化が図れ、場所を取る大量の紙文書の廃棄も可能となり、デジタル化のメリットを享受できます。
反面、契約書等の対外的な文書や、取引関係書類のような法定保存文書については、いくら閲覧の効率化に向け電子化を進めても、証拠能力や各種法令で原本保存が必要なため、結果的に二重管理となり、デジタル化のメリットは限られていました。
しかし、しかしです。
世の中は、大きく変わりました。
この「法的証拠能力・各種規制」に関わる阻害要因はここ数年で劇的に改善されました。
電子署名やタイムスタンプ等の普及により、電子データの改ざんや偽造防止に関する技術的な問題がクリアされ、コロナ禍等による規制緩和もあり、各種法令が見直され、デジタル化に向けた流れは大きく加速しました。
これらの流れにより、ペーパーレスを阻害する外的要因はほぼクリアされたと言っても過言ではありません。
そうです。あなたの会社が本気に取り組めば、ペーパーレスは可能な時代になったのです。

(2)社内規程・情報管理基盤

ICT技術の発展や社会の規制緩和等により、電子化・デジタル化を進める社外的な環境は整いました。
しかしその恩恵を、自分の会社で本格的に展開するためには、事前準備が大切です。
まず全社的に、「社内規程・ルール」や「情報管理基盤」等の仕組みを、デジタル化に合わせて見直していく必要があります。
これらの準備を行わずに、現場単位でペーパーレスや改善活動を進めようとしても、効果は限定的となり、大きな成果には結びつきません。
ここで躓いている企業はたくさんあります。
ボトムアップによる活動ももちろん重要ですが、その効果を高めるためには、トップダウンで、全社のデジタル化に向けた方針や環境を整えていく必要があります。

(3)社員のマインド

社内規程・情報管理基盤の構築に関しては、スタッフ部門やプロジェクトのメンバーが頑張れば達成することができます。
しかし、それを活かして全社的なペーパーレス達成のためには、そこから更に全社員の協力が必要になります。
ここがまた難しいところです。
いろいろ根深い問題もありますので、次回、このあたりを掘り下げていきたいと思います。