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スクラムマスター成長日記 – Vol.1

皆さま、はじめまして、こんにちは。DXビジネス推進本部 運用開発グループの尼﨑です。
今回のコンテンツは、”アジャイル開発におけるスクラムマスター”の話です。
(このコンテンツはシリーズ化を予定しています。頑張る。)

事実、私自身が絶賛スクラムマスターの道に向けて日々勉強&実践(Try and Error状態)中ですが、
そんな中で役立ったことや試したこと、学んだこと等を皆さまに共有できればと思っています。

スクラムマスターとは何か

記念すべき第一回の内容はスクラムマスターは何者か、について書いていきたいと思います。

スクラムマスターは何者なのか。
これはアジャイルの話に絡んできますが、スクラムマスターに特化した話なのでアジャイルについては割愛します。

スクラムマスターは、アジャイルチームの中で基本的に支援側にたちます。
では、具体的に何するの?

スクラムマスターは、スクラムガイドで定義されたスクラムを確⽴させることの結果に責任を持つ。
スクラムマスターは、スクラムチームと組織において、スクラムの理論とプラクティスを全員に理解してもらえるよう⽀援することで、その責任を果たす。
スクラムマスターは、スクラムチームの有効性に責任を持つ。スクラムマスターは、スクラムチームがスクラムフレームワーク内でプラクティスを改善できるようにすることで、その責任を果たす。
スクラムマスターは、スクラムチームと、より⼤きな組織に奉仕する真のリーダーである。

スクラムマスターは、さまざまな形でスクラムチームを⽀援する。
・⾃⼰管理型で機能横断型のチームメンバーをコーチする。
・スクラムチームが完成の定義を満たす価値の⾼いインクリメントの作成に集中できるよう⽀援する。
・スクラムチームの進捗を妨げる障害物を排除するように働きかける。
・すべてのスクラムイベントが開催され、ポジティブで⽣産的であり、タイムボックスの制限が守られるようにする。

スクラムマスターは、さまざまな形でプロダクトオーナーを⽀援する。
・効果的なプロダクトゴールの定義とプロダクトバックログ管理の⽅法を探すことを⽀援する。
・明確で簡潔なプロダクトバックログアイテムの必要性についてスクラムチームに理解してもらう。
・複雑な環境での経験的なプロダクト計画の策定を⽀援する。
・必要に応じてステークホルダーとのコラボレーションを促進する。

スクラムマスターは、さまざまな形で組織を⽀援する。
・組織へのスクラムの導⼊を指導・トレーニング・コーチする。
・組織においてスクラムの実施⽅法を計画・助⾔する。
・複雑な作業に対する経験的アプローチを社員やステークホルダーに理解・実施してもらう。
・ステークホルダーとスクラムチームの間の障壁を取り除く。

Ken Schwaber & Jeff Sutherland
スクラムガイド
スクラム公式ガイド:ゲームのルール
https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf

上記内容は、スクラム公式ガイドに記載されている内容を抜粋したものです。

スクラムマスターの役目は、一言でいうならば「学習する組織を作る役割」に包含されるのではないでしょうか。
学習する組織…この言葉だけだとよく分からないと思います。私もそうでした。

学習と言っても、よくある本を読んで勉強する、学問の学びのようなものではありません。
ここでいう学習は、常に改善し続ける、個人も組織も進化していくための学習になります。

スクラムマスターの立ち位置

ここでは、開発体制の具体例を挙げて比較してみます。

とあるシステムを開発するにあたり、チームを編成します。
この場合のウォーターフォール(WF)かアジャイルか体制を比較してみます。

ウォーターフォールの体制図(例)
アジャイルの体制図(例)

基本的にWFの場合、プロジェクトマネージャー(PM)が存在し、PMからメンバーに対し指揮命令を行うと思いますが、アジャイルの場合は、プロダクトオーナー(PO)と開発者とで密に連携し、開発者が主体となって開発を進めていきます。
スクラムマスターはWF型では存在しない、アジャイル特有の立ち位置です。

チーム一丸となって開発に臨めている状態かどうかを意識し、POと開発者との間でコミュニケーションしにくい場合は改善する。開発者自身がより良い状態になること。

スクラムマスターは、”常に改善し続ける”状態を作るために支援していく役割ではないでしょうか。
この支援は、改善や進化の妨げとなる壁をなくす役割も担っています。

スクラムマスターに必要なスキル

では、スクラムマスターはどういうスキルが必要なのか?
以下のようなスキルがあると望ましいといわれています。

  • コーチング
  • ティーチング
  • ファシリテーティング
  • シチュエーショナリング
  • サーヴァントリーダーシップ
  • 謙虚さ

色々書きましたが、私自身すべてのスキルが備わっているわけではありません。まだまだ駆け出し。これから。
上記スキルの中で、ファシリテーティングについて少し深堀します。

ファシリテーティング…、所謂会議のファシリテーターを想像してください。
ファシリテーターは、会議のアジェンダを事前に決め、意思決定ができる人を含め関係者を会議に呼び、会議中は進行役となります。

アジャイルにおいても上記の役目は変わらず必要ですが、スクラムマスターは意思決定や方針決め、自分の意見へ誘導。なんてことはしません。
意思決定をするのはチームだから。スクラムマスターが答えを誘導するのはナンセンス。
では、なかなか決まらない場合、意見が輻輳してしまった場合にスクラムマスターがやることは何か。

  • 今決めなければならない内容か見極める
  • 話の論点がずれていないか観察、場合によっては意思決定に必要な話に戻すように働きかける
  • メリットデメリットのような、決定に必要なデータをチームの皆に出してもらう

他にもあるとは思いますが、まずはこのような内容を気に掛けると良いと思います。

実は、かなり若手の頃ファシリテーターを任された時に頂いたアドバイスで今も心に残っているのが

会議中沈黙させてはいけない。沈黙があった場合は発言もしくは方針を決めていけ。

でした。
スクラムマスターの場合はこう言い換えられます。

沈黙はあっても良いが、繋ぐ必要はない。もし誰からも意見が出ない場合は意思決定に必要なデータが足りていない。
データが足りないのであればチームの皆に決定に必要なデータを出してもらうように働きかけろ。

決定に必要なデータの出し方は所謂”フレームワーク”と呼ばれ、様々なフレームワークが存在します。
内容や状態に応じてスクラムマスターは適宜フレームワークを用意する必要があります。
フレームワークについては次回以降に詳しく書いていきたいと思います。
ある種のスクラムマスターの醍醐味、出番ですね。

まとめ

今回はスクラムマスターとは何者か、どんなスキルが必要か。について書いていきました。
上記に記載している内容が全てではありません、そしてこれが正解でもありません。
常に改善し続ける
これはスクラムマスター自身にも言えることです。

次回以降は、実際にスクラムのイベント内での出来事や試した事、失敗談など書き綴っていきたいと思います。

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