NECネッツエスアイ

スクラムマスター成長日記 – Vol.2

こんにちは。DXビジネス推進本部 運用開発グループの尼﨑です。
今回はスクラムマスター成長日記Vol.2ということで、フレームワークについて簡単に解説していきたいと思います。
スクラムマスターに関しては前回の投稿記事(スクラムマスター成長日記 – Vol.1)をご覧ください。

はじめに

まずはじめにフレームワークについてですが、フレームワークといっても様々な意味を持ちます。
ここで使われる意味は”手法(ツール)”になります。
出来事を振り返るための手法・意見をまとめ次のアクションを決めるための手法・場合によってはチームワークを高めるための手法、等様々な手法が存在します。
この中で、今回は”振り返り”で用いるフレームワークについて深堀していきます。
(意見をまとめ次のアクションを決めるための手法は、重要な内容でもあるため、このシリーズ内でピックアップできたらいいなと思ってます。)

振り返りとは

そもそも振り返りとは、スプリント内の出来事を振り返り、次のスプリントで活かせる内容やアクションを決めていくための時間であり、スクラムのイベントでは”レトロスペクティブ”と呼ばれています。

レトロスペクティブは以下の目的で実施されます。

スプリントレトロスペクティブの⽬的は、品質と効果を⾼める⽅法を計画することである。
スクラムチームは、個⼈、相互作⽤、プロセス、ツール、完成の定義に関して、今回のスプリ
ントがどのように進んだかを検査する。
多くの場合、検査する要素は作業領域によって異なる。
スクラムチームを迷わせた仮説があれば特定し、その真因を探求する。スクラムチームは、ス
プリント中に何がうまくいったか、どのような問題が発⽣したか、そしてそれらの問題がどの
ように解決されたか(または解決されなかったか)について話し合う。
スクラムチームは、⾃分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更を特定する。最も影響の
⼤きな改善は、できるだけ早く対処する。次のスプリントのスプリントバックログに追加する
こともできる。

Ken Schwaber & Jeff Sutherland
スクラムガイド
スクラム公式ガイド:ゲームのルール

このレトロスペクティブはスプリントの最終日に毎回実施されます。
スクラムマスターは、レトロスペクティブの時間までに開発メンバーやプロダクトオーナーがスプリントの振り返りができるようフレームワークを準備しておく必要があります。

振り返りのフレームワーク

今回の本題であるレトロスペクティブで用いる振り返りのフレームワークについてです。
振り返りで用いるフレームワークの種類も数多くありますが、今回は私が実施した・試してみた内容について触れていこうと思います。
(今回は全てオンライン上で実施したため、Miroボードを使用して実施しております。)

タイムライン

名前である程度予想できると思いますが、時系列に沿ってスプリント内の出来事を思い出す手法です。
スクラムマスターは事前準備として、日付毎の枠および出来事を書き出すための付箋を用意します。

振り返りは以下の流れで実施します。

  1. 起きた出来事や実施した内容等を日付毎に書き出します。
  2. 他の人が書き出した内容を含め付箋の内容を確認します。
  3. 書かれた内容に対し、ポジティブな内容であれば青丸、ネガティブな内容であれば赤丸を各1・2票で丸をつけていきます。

上記参考画像のように、視覚的にどの内容が最もチームに影響があるか判別できるというメリットがあります。
この結果をもとに、ポジティブな内容であれば引き続き実施する内容か、より強化するためにはどうすればよいかを考え、ネガティブな内容であれば何が起因(原因)で起きているのか、課題は何か、解決するためにはどうすればよいか次のスプリントに向けたアクションをチームで話し合うことができます。

KPT

KPTはメジャーで聞いたことがあると思いますが、K(Keep)・P(Problem)・T(Try)に沿って出来事を話し合い、Tryを考えていく手法です。
スクラムマスターは事前準備として、KPTの枠および出来事を書き出すための付箋を用意します。

振り返りは以下の流れで実施します。

  1. Keep(よかった事、続けていくアクション)を話し合ってKeepの枠内に書き出します。
  2. Problem(問題・課題である内容)を話し合ってProblemの枠内に書き出します。
  3. Keepの中で強化できる内容や、Problemの中で改善が必要な内容の付箋をTry枠に持っていき、Try(次以降のスプリントで試していく内容)を話し合って書き出します。

KPTの特徴として、シンプル且つフレームワーク内に既にアクションを決めるための枠(Try)が存在します。
その為、K→P→Tの順番で話し合う必要があります。
また、Keepの良かった事や続けていく事から話し合いをすることにより、プラスの感情から振り返りを始める事ができるというメリットも生まれます。

Love Bomb

これは変わり種であり、上2つのようなアクションを決めるものではありません。
チームの皆への感謝を述べる場となります。チーム内の緊張をほぐす目的として使用しました。
スクラムマスターは事前準備として、チームメンバー全員のアイコンおよびアイコンの周りにメンバー分の付箋を用意します。

以下の流れで実施します。

  1. アイコンの周りにある付箋を用いてそれぞれ感謝の気持ちを書き出します。
  2. 一人一人記載した内容を読み上げて感謝の気持ちを伝えます。

こちらに関しては、レトロスペクティブの時間でもこういう振り返りがあっても良いかと思い試したフレームワークになります。
実際、他のメンバーから自分はどこで活躍できているのか、どう動けば喜ばれるのか客観的に分かることから、個人としてのこれからの動き方、それこそアクションが見えてきます。
後は、普段から自発的に感謝の言葉を伝える事がしにくい時もあるので、こういったフレームワークを用いて引き出す。という事も時には必要かもしれないと勝手ながら思っています。

まとめ

今回は振り返りで用いるフレームワークをご紹介していきました。これ以外にもフレームワークは勿論存在しますし、紹介したKPTを拡張したフレームワークも存在したりします。
だからこそ自分たちのチームにあったフレームワークを探していく事が必要になってきますので、チームの皆に意見を聞きながら試していくといいと思います。

次回は自分がスクラムマスターとして、こう動けばよかったな。と後悔して学んだ内容等を綴っていけたらなと思います。

関連記事

TOP