ファイルストレージとは?種類やメリット・デメリットを理解しよう

ファイルストレージはデータを階層構造で保存する方式

注意事項
・本コンテンツは一般的な情報の提供を目的としているため、弊社が関与していない取組みを含みます。
・記事内に使用されている写真・画像はイメージです。実際のプロダクトやサービスで提供される内容とは異なる場合があります。
・本ブログの内容については、記事掲載時点での情報に基づく記載となります。そのため製品に関する内容については、バージョンアップなどにより画像や操作手順等が現行のものと異なる場合がございます。

パソコンやスマホからデータにアクセスする時に使うシステムは「ファイルストレージ」と呼ばれています。
しかし、普段何気なく使っていても、ファイルストレージとはどういうものを指しているのか知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ファイルストレージの定義や仕組み、他のストレージ形式との違いをわかりやすく解説していきます。
最近主流になっているクラウドファイルストレージのメリット・デメリットも紹介していますので、導入を検討されている方はぜひ参考になさってください。

ファイルストレージとは


最初に、ファイルストレージとは何なのか、定義や仕組みについて理解しておきましょう。

ストレージとは

ストレージ(storage)とは、「保管」や「貯蔵」を意味する単語。
IT用語では、データを保存し、管理するための装置やシステムを指します。
ストレージには、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などの物理デバイスのほか、クラウドストレージなどのオンラインサービスも含まれます。

ファイルストレージの仕組み

ファイルストレージは、データをファイルやフォルダ単位で管理する仕組みです。
フォルダを用いた階層構造にすることで、ユーザーがデータを直感的に操作できるように設計されています。

フォルダとファイル

  • フォルダ:フォルダは、データを分類するための「容器」のようなものです。
    フォルダの中にさらにフォルダを作成することができ、これを「サブフォルダ」と呼びます。
    フォルダを階層的に整理することで、データをグループ化し、見つけやすくします。
  • ファイル:ファイルは、実際のデータが保存される単位です。
    文書ファイル、画像ファイル、音楽ファイルなど、さまざまな形式のデータがファイルとして保存されます。
  • オンプレミスとクラウドの違い

    ファイルストレージは、アクセス方法によって「オンプレミス」「クラウド」の2種類に分けられます。
    両者にはどのような違いがあるのかを確認しておきましょう。
    この記事では、現在主流となっているクラウド型ファイルストレージを前提に機能や特徴を解説していきます。

    オンプレミス

    オンプレミスとは、自社の設備でサーバーやストレージを管理する方式を指します。
    オンプレミス型ストレージの代表的なものとして、企業内のデータ管理に使用されるファイルサーバーが挙げられます。
    物理ストレージを利用するため故障によるデータ消失リスクがあり、定期的なリプレイスを行わなければなりません。
    ファイルサーバーの管理にはコストも手間もかかりますが、自社構築のため柔軟なカスタマイズが可能なことや、外部ネットワークから遮断して安全にデータを保管できるメリットもあります。

    クラウド

    クラウドストレージとは、外部のサービスプロバイダーが提供するオンラインストレージを利用する方式です。
    インターネット経由でストレージにアクセスするため、どこからでもアクセスできる利便性がある一方、セキュリティ対策はプロバイダー任せになるため、信頼できるサービスを選ぶ必要があります。
    クラウドストレージの利用には専門知識や高度なスキルは不要ですが、機能はあらかじめ提供されているものにとどまり、カスタマイズの自由度は低くなります。

    異なる保存形式のストレージ

    ファイルストレージとは異なる形式でデータを保存するストレージも存在します。
    ここでは、ファイルストレージと並ぶ主要なストレージの種類であるオブジェクトストレージ、ブロックストレージの構造を紹介します。

    オブジェクトストレージ

    オブジェクトストレージとは、データを「オブジェクト」として管理する方式です。
    データ本体とともにメタデータも保存され、一意の識別子で区別されます。
    ファイルストレージと異なる点は、階層構造を持たずフラットな空間にデータを保存すること。
    そのためデータへのアクセス速度が速く、大量のデータを効率的に管理することができます。
    オブジェクトストレージは、バックアップやアーカイブなどビッグデータの保存に適しており、コスト効率の高い長期保存が可能です。

    ブロックストレージ

    ブロックストレージとは、データをブロック単位で管理する方式です。
    記憶領域を「ボリューム」という単位に分割し、さらにデータを小さな固定サイズの「ブロック」に分割して保存します。
    オブジェクトストレージと同様にフラットな構造ですが、細かなブロックに分かれているため、小~中規模のデータ保存に適しています。
    ボリューム・ブロックにはそれぞれ一意のアドレスが付与され、これを指定してデータにアクセスするため高速なデータアクセスが可能。
    この特徴を利用して、高パフォーマンスが求められるアプリケーションの処理データ保存や仮想マシンのストレージとしてよく利用されます。

    ファイルストレージのメリットとは


    データ管理にクラウドファイルストレージを使う企業が増えています。
    この章では、ファイルストレージがビジネスにもたらす具体的なメリットとはどのようなものなのか、詳しく説明します。

    ファイル・フォルダ単位でデータを管理できる

    ファイルストレージの最大のメリットは、データをファイルやフォルダ単位で管理できることです。
    フォルダの階層構造を利用して体系的にデータを分類できるため、ユーザーは直感的にフォルダを操作して目的のファイルにたどり着くことができます。

    フォルダレベルでのアクセス権設定が可能

    ファイルストレージでは、フォルダごとに詳細なアクセス権を設定することができます。例えば、人事情報や顧客情報が保存されているフォルダには必要な人だけがアクセスできるように設定すれば、予期せぬ事故によるデータ漏えいの抑止につながります。

    どこからでも利用できる

    クラウドベースのファイルストレージは、インターネットがあればどこからでもアクセスできます。
    リモートワークや出張中でも業務を継続することができるため、柔軟な働き方の実現にはクラウドファイルストレージが欠かせません。
    パンデミックのような緊急事態において業務を継続するためにも重要なツールです。

    モバイルデバイスからもアクセス可能

    ファイルストレージサービスは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスから利用することもできます。
    パソコン作業ができない外出先や移動中でも、スマホからファイルにアクセスして業務を進めることが可能。
    モバイルデバイス向けに提供されている専用アプリを使えばより操作しやすく、小型デバイスからも効率的に作業できます。

    設定・管理が容易

    クラウドファイルストレージは、設定や管理が容易であることも大きなメリットです。
    ファイルサーバーの構築や設定には専門知識が必要ですが、クラウドファイルストレージの設定はブラウザ上で視覚的に行うことができるため、IT知識がなくても簡単に設定が可能。
    また、システムのメンテナンスやアップデートはサービスプロバイダーが行うため、ユーザーや管理者の負担も軽減されます。

    柔軟に容量を拡張できる

    クラウドファイルストレージは、ストレージ容量を簡単に拡張できるのも特長です。
    ビジネスの成長に伴いデータ量が増加しても、追加容量を購入すればすぐに反映し、データの移動などの作業も必要ありません。
    ストレージ容量不足による業務の停滞を防ぎ、状況に応じて柔軟に運用することが可能です。

    ファイルストレージのデメリットとは


    ファイルストレージには多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。
    ここでは、クラウドファイルストレージのデメリットについて詳しく解説していきます。
    サービスを導入する前に、注意点をよく理解しておきましょう。

    インターネット環境に依存する

    クラウドファイルストレージは、インターネット環境がなければアクセスできません。
    そのため、オフラインでは利用できない上に、インターネット接続が不安定な場所ではデータへのアクセスが遅延することもあります。
    大量のデータをアップロードやダウンロードする場合には、高速かつ安定したインターネット接続を確保しておきましょう。

    カスタマイズに制約がある

    クラウドファイルストレージサービスは、多くの企業が共通で利用できるように設計されているため、個別のニーズに合わせたカスタマイズには対応できないことも多いです。
    独自の業務プロセスや特別な要件を持つ企業にとっては、オンプレミスのファイルサーバーの方が適している場合もあります。

    サービスによってはセキュリティリスクもある

    クラウドファイルストレージを利用する場合、データの安全性はサービスプロバイダーに委ねることになります。
    そのため、信頼性の低いサービスを選ぶと、データ漏えいや不正アクセスのリスクが高まることも。
    ビジネス用途では、セキュリティ対策がしっかりしているサービスを選ぶことが重要です。

    法人利用には有料ファイルストレージをおすすめする理由


    ファイルストレージの中には無料のサービスもありますが、法人で利用する場合は有料のビジネス向けファイルストレージサービスをおすすめします。
    この章では、有料サービスならではのメリットについて詳しく説明します。

    高度なセキュリティ対策が施されている

    データの暗号化、アクセス権限の管理、二段階認証など、多層的なセキュリティ機能は、企業データの管理には欠かせません。
    有料のファイルストレージサービスには高度なセキュリティ対策が施されているため、機密情報の保護に適しています。

    大容量のストレージが提供される

    企業が保有するデータの量は、今後一層増えていくことが予想されます。
    有料プランでは、無料プランや安価のプランに比べて大容量のストレージが提供されるため、大量データの長期保管にも対応できます。
    また、データ量が増加した場合にはストレージ容量を拡張することもできますので、ビジネスの変化に応じて柔軟な運用が可能です。

    業務効率化に役立つ機能がある

    有料のファイルストレージサービスは、ただファイルを保管するだけではなく、ビジネスの効率化に役立つさまざまな機能も提供しています。
    バージョン管理、リアルタイムの共同編集、データの自動バックアップなど業務をサポートする機能が充実していますので、ファイルストレージを導入することにより業務プロセスの最適化も図れます。

    サポート体制が充実している

    有料プランのメリットとして、サポート体制が整っていることが挙げられます。
    24時間体制のサポートや、専門スタッフによる技術支援を受けられるものも少なくありません。
    システムのトラブルにより業務が中断すると、企業にとって経済的損失となるばかりではなく、お客様の信用を失ってしまうことにもなりかねません。
    トラブル時に迅速なサポートを受けられることは、業務の継続性を確保するために必須と言えます。

    まとめ


    ファイルストレージとは、データの保存、管理、共有を効率的に行うためのシステムです。
    最近ではクラウドベースのサービスが主流となり、ファイルストレージの利便性が大きく向上しました。
    ファイルストレージを最大限に活用し、生産性を向上させるには、セキュリティやサポート体制が強化されたビジネス向けの有料ファイルストレージが最適です。
    選び方やおすすめのファイルストレージサービスは次の記事で詳しく紹介していますので、あわせてお読みください。

    ビジネスに最適!ファイルストレージBoxの機能・プラン・使い方を詳細解説

    ※記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。

    symphonict

    SymphonictとはNECネッツエスアイが提供する、「共創でお客様のビジネスに新たな価値を提供する」をコンセプトに先端技術やサービスを繋ぎ・束ねることでIT・デジタル変革技術やツール・システムを皆様にお届けするデジタルトランスフォーメーション(DX)サービス。→Symphonictに関してはこちら

    ※免責事項

    本コンテンツは一般的な情報の提供を目的としており、法律的、税務的その他の具体的なアドバイスをするものではありません。個別具体的事案については、必ず弁護士、税理士等の専門家にご相談ください。

    本コンテンツの情報は、その情報またはリンク先の情報の正確性、有効性、安全性、合目的性等を
    補償したものではありません。

    また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。