企業向けの高機能なファイルストレージサービスとして世界的に知られているのが「Box」です。
本記事では、Boxの機能や特徴をはじめ、具体的な使い方や料金プランの選び方まで詳しく解説します。
ファイルストレージBoxとは
Boxは、アメリカに拠点を置くBox, Inc.が提供するファイルストレージサービスです。
MicrosoftやGoogleのサービスに比べると、一般的な知名度はそれほど高くないかもしれません。
まずは、Boxの概要について知っておきましょう。
Boxの歴史と基本理念
Box, Inc.は「人々が簡単に、どこからでも必要な情報にアクセスし、誰とでもコラボレーションができる環境を提供する」というビジョンのもと、2005年に創業しました。
設立以来、Boxは企業のニーズに対応するために進化を続け、多くの大企業や政府機関にも採用されています。
Boxの企業理念は「人々は結びついて協力しあうことですばらしい仕事ができる」という考え方。
Box社が提供するファイルストレージサービスは、ユーザーがどこからでも情報にアクセスできる環境を提供するだけではなく、チーム間の協働を支援するコラボレーションフォームの役割も果たします。
Boxの主要機能
Boxファイルストレージの主要機能には、次のようなものがあります。
ファイルのアップロードと共有
Boxファイルストレージ利用の第一歩は、ファイルをクラウドにアップロードするところから始まります。
アップロードされたデータは、インターネットを介してどこからでもアクセスすることができるようになります。
また、保存したファイルやフォルダの共有リンクを生成して送ることで、他のユーザーに共有できるのもクラウドファイルストレージの特徴。
リンクには閲覧、編集、ダウンロードなどの権限を設定することができますので、情報流出や改ざんからデータを守り、安全に共有することが可能です。
アクセス権限の設定
個人情報や機密データを適切に管理するためには、だれでも見ることができる場所ではなく、限られた人しかアクセスできない場所で保管するのが確実です。
Boxでは、フォルダやファイルごとに7段階のアクセス権限を設定できるため、データのセキュリティを確保しつつ、必要な人だけが適切な権限でアクセスできるように管理可能。
共同編集
Boxのファイルストレージに保存されたデータは、複数のユーザーが同時に開いて編集することが可能。
プロジェクトメンバーがそれぞれ別の拠点で勤務していても、Boxを使えばリアルタイムでのコラボレーションが実現します。
コメント機能
Box上のファイルには、コメントを追加することもできます。
対面のミーティングができない場合でも、コメント機能を使えばフィードバックやディスカッションが可能です。
クラウド上で直接コミュニケーションが取れるため、無駄なメールのやり取りを減らすこともできるでしょう。
バージョン管理
Boxのビジネス向けファイルストレージでは、ファイルの変更履歴も保存されています。
ユーザーの操作で簡単に過去のバージョンに戻すことができますので、誤って変更や上書きをしてしまった場合でも、元の状態に復元することが可能です。
ファイルストレージBoxの特徴
市場にはさまざまなファイルストレージサービスが存在しますが、Boxはその中でも企業向けに特化した高機能なサービスとして知られています。
この章では、他のファイルストレージサービスとは一線を画すBoxの特徴を紹介します。
大企業や政府機関に信頼される強固なセキュリティ
Boxは、データのセキュリティにおいて業界最高水準を誇っていると言っても過言ではありません。
いくつか例を挙げると、
- データの暗号化は転送中と保存中の両方で行われ、第三者によるデータの不正取得や閲覧を防ぐ
- 7段階のアクセス制御機能により、ユーザーごとに異なるアクセス権限を設定できる
- AIによるコンテキスト認識型の警告機能で、データ窃盗のリスクや悪意のあるコンテンツを検知
- ISO 27001、SOC 2、HIPAAなどの国際的なセキュリティ標準に準拠しており、コンプライアンス要件を満たす
このような厳格なセキュリティ対策により、Boxは多くの大企業や政府機関から信頼を勝ち取っているのです。
ストレージ容量無制限のプラン
Boxは、企業向けにストレージ容量無制限のプランを設定しています。
データ量が増加してもストレージ不足を心配する必要がない点は、企業にとって大きなメリットと言えるでしょう。
また、容量無制限のストレージはデータの保存期間に制限がないため、長期的なデータアーカイブにも適しています。
1,500以上のアプリと統合
Boxは、Microsoft Office、Google Workspaceをはじめ、Salesforce、Slackなど1,500以上のアプリケーションと統合できます。
例えば、Box内のドキュメントを直接Officeアプリで編集したり、Googleドキュメントと連携してリアルタイムで共同編集したりすることが可能です。
このように、既存の業務プロセスにBoxを組み込むことで、情報の管理や共有が一元化され、業務効率を大幅に向上させることができるでしょう。
おすすめの使い方
Boxファイルストレージの利点を活かしたビジネスシーンでの使い方を紹介します。
チームフォルダで共同作業
Boxでは、ファイル単体での共有だけではなく、フォルダの共有にも対応しています。
この機能を利用し、チームのフォルダを作成してメンバーに共有すれば、プロジェクト関連のファイルを一元管理することができます。
オンラインでミーティングしながら複数メンバーで共同編集を行うことも可能。
メンバーが集まって議論することが難しい場合でも、手元にデバイスがあればオンライン環境で協業できるので、チームの生産性が大幅に向上します。
Boxがあれば、複数の部署・拠点のメンバーを招集したプロジェクトや、海外メンバーとのコラボレーションも簡単に実現することができます。
タスク管理
Boxファイルストレージは、プロジェクト管理やタスク管理にも利用できます。
Boxのタスク機能を使えば、タスクを作成し、アカウントユーザーに割り当てることが可能。
複数名の担当者を設定して、それぞれの進捗を管理することもできます。
また、普段使っているプロジェクト管理ツール・タスク管理ツールと連携させれば、プロジェクトの関連ファイルとタスクをBox上に集約し、シームレスにアクセスできるようになります。
データバックアップ
ビジネス向けに容量無制限のファイルストレージを提供するBoxは、データのバックアップやアーカイブ保存にも最適です。
クラウドにファイルを保存するため、どれだけコンテンツが増加しても物理的なスペースが必要になることはありません。
また、物理ストレージは故障や紛失、災害による破損などのリスクがありますが、パソコンが壊れて起動できなくなっても、クラウドファイルストレージに保存したファイルは安全です。
モバイルデバイスからのアクセスと利用
Boxでは専用のモバイルアプリを提供しており、スマートフォンやタブレットからも簡単にアクセスできます。
外出先や移動中でもファイルの閲覧・編集・共有が可能ですので、場所にとらわれずに業務を進めることができ、柔軟な働き方を実現します。
例えば、タブレットを使えば、営業担当者が訪問先で資料を見せたり、その場で契約書にサインしてもらうなど、状況に応じたスピーディな対応が可能に。
また、カメラを利用して資料をスキャンし、Boxにアップロードするといったモバイルデバイスならではの機能もあります。
Boxの料金プランと選び方
Boxの法人向けプランは、組織内でのコラボレーション向けのBusinessプランから、高度なセキュリティ機能を提供するEnterpriseプランなど、多様なニーズに対応しています。
この章では、プランごとの特徴や違いを解説していきます。
自社の業務規模や用途に合わせ、最適なプランを選ぶためにご活用ください。
プラン比較表
Business | Business Plus | Enterprise | Enterprise Plus | |
---|---|---|---|---|
主な対象企業 | 小規模~中規模企業 | 中規模~大規模企業 | 大規模企業、特に高度なセキュリティを求める企業 | 大規模企業、グローバル企業 |
共同作業 | 社内(社外は有料アカウントのみ) | 社内・社外 | 社内・社外 | 社内・社外 |
外部アプリの統合 | 1 | 10 | 無制限 | 無制限 |
ユーザー数 | 3ユーザーから | 3ユーザーから | 3ユーザーから | 3ユーザーから |
ストレージ容量 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
ファイルアップロード制限 | 5 GB | 15 GB | 50 GB | 150 GB |
バージョン履歴 | 50 | 50 | 100 | 無制限 |
電子サイン(Web) | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
電子サイン(外部アプリ) | 100 | 150 | 250 | 1000 |
主な機能 | ファイル共有、共同編集、モバイルアクセス、二要素認証、ユーザー管理、暗号化 | Businessの機能+高度なセキュリティ、データ漏えい防止、シングルサインオン | Business Plusの機能+電子透かし、アクティビティの完全追跡、高度な管理とコントロール | Enterpriseの機能+高度なコンプライアンス、エンドポイントセキュリティ |
公式価格(税込・ユーザー/月) | 1,881円 | 3,135円 | 4,620円 | 個別見積 |
※価格は税込・年契約の場合
Business
Businessプランは、組織内での情報共有・共同作業向けのプラン。
ファイル共有、共同編集、モバイルアクセスなどBoxファイルストレージの基本的な機能を備えています。
ストレージは容量無制限、データ保存期限もありませんので、大量のファイルの保存や長期的なデータ保管も可能です。
ただし、社外のBoxユーザーとの共同作業には制約がありますので、外部ユーザーとのコラボレーションを行う場合はBusiness Plusプランがおすすめです。
こんな企業におすすめ
- 初めてクラウドストレージを導入する企業
- コストを抑えたい中小企業
- 社内のプロジェクト管理やチームコラボレーションを効率化したい企業
Business Plus
Business Plusプランは、社内外で効率的にファイル共有したい方向けのプラン。
外部との共有を安全に行うため、Businessプランよりも高度なセキュリティ機能が提供されています。
Boxのメリットをくまなく体験できる一番人気のプランですので、どのプランを選ぶか迷った場合はBusiness Plusを選ぶことをおすすめします。
こんな企業におすすめ
- 外部ユーザーとの共同作業を行う企業
- セキュアな環境での効率的なデータ管理を求める企業
- 導入済みのアプリとBoxを連携させたい企業
Enterprise
Enterpriseプランは、マルチクラウド連携で業務効率化を図りたい企業向けのプラン。
統合できるアプリ数に上限がありませんので、複数の業務アプリと連携させ、Boxを業務のプラットフォームとして機能させることもできます。
パスワードポリシーや詳細なログ追跡などセキュリティ機能もパワーアップしており、大規模企業や高度なセキュリティが求められる企業に適しています。
こんな企業におすすめ
- Boxを通じて働き方改革を実現したい企業
- 複雑なセキュリティ要件を持つ企業
- IT部門の高度な管理ニーズがある企業
Enterprise Plus
Enterprise Plusプランは、Boxコンテンツクラウドの全機能を網羅したカスタムプラン。
オープンAPIによる開発環境も提供されるため、企業ニーズに合わせたカスタマイズが可能です。
24/365の技術サポートも付加されているため、トラブルが発生しても安心。
最高度のセキュリティ機能とコンプライアンス対策は、大規模なデータ管理と厳密なコンプライアンスが求められる場合に最適です。
こんな企業におすすめ
- グローバル企業
- 金融、医療、政府機関などセキュリティに敏感な業界
- 企業全体のITガバナンスを強化したい企業
Boxの導入はNECネッツエスアイにお任せください
ファイルストレージBoxの機能やプラン設計を見てみると、ビジネスでの利便性を追求し、最適化されたサービスであることがわかります。
無制限のストレージ容量、強固なセキュリティ、豊富な統合オプションを活用すれば、チームコラボレーションが促進されるだけではなく、業務改善や生産性向上などのメリットも得られることでしょう。
本記事を提供しているNECネッツエスアイは、Boxの正規販売店として多くのお客様のBox導入に携わってきました。
お客様にとって最適なプランの選択や、導入サポートオプションのご提案も可能です。
Boxを検討されている方は、ぜひ弊社へお気軽にご相談ください。