大容量のファイルを扱う企業にとって、容量無制限のオンラインストレージは非常に魅力的。
さらに、信頼性が高くコスパも良いサービスがあれば理想的ですね。
本記事では、法人のお客様に向けて、ビジネス向けのオンラインストレージの選び方や、容量・ユーザー数無制限のオンラインストレージサービスを紹介します。
クラウドへの移行を検討されている方は、ぜひ参考になさってください。
無制限で使えるオンラインストレージにはどんなものがある?
オンラインストレージを導入するにあたって、条件や制約は少ない方が良いに越したことはありません。
ビジネス向けのオンラインストレージには、「無制限」を売りにしている製品も多くあります。
無制限のオンラインストレージにはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
ストレージ容量無制限
ストレージ容量無制限は、オンラインストレージサービスが提供するストレージスペースに上限がないということ。
つまり、ユーザーはいくらでもデータを保存することができます。
特にデータ量が多い企業や、大量のメディアファイルを扱う企業にとって、ストレージの心配をせずに好きなだけファイルを保存できるのはこの上ないメリットと言えるでしょう。
空き容量確保のための定期的なファイル整理・削除作業が不要になるため、業務効率化の効果もあります。
ユーザー数無制限
ユーザー数無制限は、サービスに登録できるユーザーの数に制限がないことを指します。
業務拡大により大幅に増員した場合や、繁忙期のみスポットでスタッフを雇用した場合でも、ユーザー数に制限のないオンラインストレージであれば全員がサービスを利用できます。
法人向けのオンラインストレージサービスでは、プランによってユーザー数300名などの上限を設けている場合もあります。
従業員数が200名を超えている場合は、増員を見込んでユーザー数無制限の大企業向けプランなどを検討するのも良いでしょう。
ファイルサイズ無制限(アップロード容量無制限)
ファイルサイズ無制限とは、アップロードできる1つのファイルのサイズに制限がないことを意味します。
アップロード容量が大きければ、大きなファイルも分割せずに保存できるため効率的ですが、残念ながらファイルサイズに制限を設けないサービスはほぼありません。
多くのオンラインストレージサービスでは、プランによる上限(例えば15GBや20GB)またはファイル種類ごとの上限が設定されています。
このため、オンラインストレージを選ぶ際には、自社が扱うファイルの種類やサイズを把握しておく必要があります。
ビジネス向けには有料クラウドストレージを推奨する理由
オンラインストレージの導入にあたって、なるべくコストを抑えたいというのが担当者の本音ではないでしょうか。
実際に、オンラインストレージサービスの中には「無料」「無制限」を謳っているものも多くあります。
しかし、ビジネス利用であれば有料のオンラインストレージを選択することを強くおすすめします。
無料プランと有料プランでは、提供される機能や容量、セキュリティ面で大きな差があり、この違いがビジネスの効率化とデータ保護に重要な影響を与えるからです。
無料プランのデメリット
無料プランのオンラインストレージは、個人用途での基本的なストレージニーズを満たす場合には便利ですが、ビジネス用途にはいくつかのデメリットがあります。
最も顕著なのは、提供されるストレージ容量の限界です。
多くの無料プランでは、容量が数GBに限られており、ビジネスで必要となる大量のデータ保存には不十分。
また、無料プランでは、セキュリティ機能が制限されていたり、ファイル共有や共同作業に必要な機能が欠けていたりすることもあります。
有料プランは追加機能・拡張性が魅力
一方、有料プランのオンラインストレージには、ビジネス用途に特化した追加機能も提供されています。
ビジネス向けの有料プランでは、大容量のストレージスペース、高度なセキュリティ対策、チームでのコラボレーションをサポートするツールなどが標準搭載されていることがほとんどです。
さらに、データのバックアップやリカバリ、高度なアクセス管理機能を備えていることも多く、企業データを安全に保管し、管理するために必要な機能が総合的に提供されているのです。
容量・機能と価格のバランスが重要
ビジネス向けオンラインストレージを選ぶ際には、価格のみに目を向けるのではなく、提供される容量や機能とのバランスを評価することが大切です。
ビジネスの規模やデータ管理のニーズに応じて、選ぶプランは異なります。
例えば、中小企業には中程度の容量でも十分な場合が多いですが、大企業やデータ集中型のビジネスでは、より大きな容量のプランが必要になるでしょう。
また、将来的なビジネスの拡大を見据え、容易にプランをアップグレードできる柔軟性も、選択の重要なポイントです。
選び方のポイントを解説
企業でオンラインストレージを導入する場合は、ビジネスに必要な要件を満たした上で、自社のニーズに最適なサービスを選定する必要があります。
オンラインストレージを選ぶ際に見るべきポイントを解説します。
ストレージ容量
ストレージ容量は、オンラインストレージサービスを選ぶ際の最も基本的な要素です。
ビジネスの種類や規模によって必要となるデータ量は異なります。
「大容量」「無制限」に注目するだけではなく、自社に必要や容量や扱うファイルの種類、一度にアップロードできる容量なども考慮する必要があります。
セキュリティ対策
セキュリティ対策は、オンラインストレージ選びの最重要事項と言っても過言ではありません。
企業が所有するデータの中には、機密情報や個人情報も含んでいます。
セキュリティ対策が不十分だったためにこれらのデータが流出した場合、取引先や顧客の信頼を失ってしまいます。
オンラインストレージサービスを選ぶ際には、データの暗号化、アクセス管理、ファイアウォール、ウイルス対策など、データを保護するためのセキュリティ対策を確認することが必要です。
使いやすさ
サービスの使いやすさも、オンラインストレージを選ぶ重要なポイントです。
オンラインストレージを社内に定着させるには、パソコン操作が得意ではない方でも馴染みやすい直感的なユーザーインターフェース、簡単なファイル管理システム、便利な共有機能などが必要不可欠です。
ユーザビリティは社員の生産性に大きく影響するため、トライアルなどを利用して実際にサービスを利用してみることをおすすめします。
サービスの信頼性
ビジネス用途では、信頼性の高いオンラインストレージサービスを選択することも大切です。
サービスの安定性、ダウンタイムの頻度、データバックアップの実施などについても情報を集め、信頼できるサービスを選びましょう。
導入実績やユーザーレビューを参考にするのも有効です。
また、トラブル発生時に迅速に対応するため、サービスプロバイダーが提供するサポート体制も重要なポイントとなります。
大手サービス3社を比較!おすすめはどれ?
オンラインストレージサービスの信頼性や使いやすさを判断する基準としては、シェアの大きい大手プロバイダーを選ぶという方法があります。
ここでは、個人・法人ともに多くのユーザーに利用されている3社のサービスを紹介します。
- Box
- Dropbox
- Google Drive
容量・ユーザー数無制限でセキュアなBox
Box(ボックス)は、2005年にアメリカで創業したBox,Inc.が提供するオンラインストレージです。
ビジネスでトップシェアを誇るサービスで、オンラインストレージ導入を検討する際にはまず候補に挙がる製品です。
Boxの特徴は次の通り。
- 法人向け「Business」以上の有料プランはストレージ容量・ユーザー数が無制限
- 政府機関や大手企業にも採用される高度なセキュリティ機能
- 1,500以上の外部アプリと連携
ストレージ容量とユーザー数が無制限のため、将来的にデータが増えたり、スタッフが増員した場合にも、プラン変更や追加ストレージ購入の必要はありません。
また、Office 365(Microsoft 365)、Salesforce、Google、Slackをはじめとした業務アプリとの連携が可能ですので、ファイルの保管場所としてだけではなく、日常業務を効率化させるプラットフォームとしても機能します。
Business | Business Plus | Enterprise | |
---|---|---|---|
公式価格(ユーザー/月・税別) | 1,881円 | 3,135円 | 4,620円 |
ユーザー数 | 3人~無制限 | 3人~無制限 | 3人~無制限 |
ストレージ容量(1ユーザーあたり) | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
単一ファイルのアップロード容量上限 | 5GB | 15GB | 50GB |
アプリ統合 | 1 | 10 | 無制限 |
外部コラボレータ | 課金対象 | 無制限 | 無制限 |
Webアプリでの電子サイン | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
アクセス制御・共有権限設定 | 〇 | 〇 | 〇 |
標準統合(Microsoft 365、Google Workspace、Slack) | 〇 | 〇 | 〇 |
SSLおよび保存データ暗号化 | 〇 | 〇 | 〇 |
二要素認証 | 〇 | 〇 | 〇 |
データ漏洩防止 | 〇 | 〇 | 〇 |
シングルサインオン | 〇 | 〇 | 〇 |
高度な管理とコントロール | – | 〇 | 〇 |
高度なモバイル保護 | – | – | 〇 |
パスワードポリシー | – | – | 〇 |
電子透かし | – | – | 〇 |
ローカルファイルと自動同期するDropbox
Dropbox(ドロップボックス)は2007年創業のDropbox, Inc.が提供するオンラインストレージです。
デスクトップアプリはパソコンのフォルダを扱うのと同じ操作でわかりやすく、個人・法人ともに評価の高いサービスです。
Dropboxには次のような特徴があります。
- 法人向けの有料プランでは、組織全体に対して大容量のストレージを提供
- パソコン上のDropboxフォルダにファイルを保存するだけで自動的にクラウドに同期
- ファイルの転送速度が比較的速く、常に最新のファイルを参照できる
個別にファイルのアップロード・ダウンロードを行わなくても、パソコンと自動同期してくれるストレスフリーな設計がDropboxの強みです。
ストレージは個人別ではなく組織全体で共有しているため、ユーザーによってデータ量が異なる場合も効率的に運用ができるという点もポイントと言えるでしょう。
Business | Business Plus | |
---|---|---|
対象 | 小規模チーム | 大規模チーム |
公式価格(ユーザー/月) | 2,400円 | 3,000円 |
ユーザー数 | 3人以上 | 3人以上 |
ストレージ容量 | チーム全体で9TB~ | チーム全体で15TB~ |
ファイル転送 | 100GBまで | 250GBまで |
ファイルの復元 | 削除から180日以内 | 削除から1年以内 |
権限 | 管理者の設定 | 管理者役割の階層化の設定 |
セキュリティ | コンテンツの把握 | 不審なアクティビティの通知・コンプライアンスのトラッキング |
Googleサービスとシームレスに連携するGoogle Drive
Google Drive(グーグルドライブ)は、Googleが提供するオンラインストレージです。
個人向けの無料プランはGoogleアカウントを持っていれば誰でも利用できるため、馴染みのある方も多いのではないでしょうか。
法人向けにアップグレードされたビジネスプランは、「Google Workspace」として提供されています。
サービスの特徴は次の通りです。
- 使いやすいインターフェース
- Googleスプレッドシート、ドキュメントなどGoogleサービスと連携する
- Officeファイルの保存・編集が可能
特にGoogleユーザーにとって、Googleが提供するさまざまなサービス間でのシームレスな連携は非常に魅力的です。
また、ExcelなどのOfficeアプリとも互換性があります。
Google Drive上でファイルを開いて編集した場合も、元のOfficeファイル形式で保存できますので、取引先がOfficeを使用していてもデータのやり取りが可能です。
Business Starter | Business Standard | Business Plus | Enterprise | |
---|---|---|---|---|
公式価格(ユーザー/月) | 680円 | 1,360円 | 2,040円 | 要問い合わせ |
ユーザー数 | 300人まで | 300人まで | 300人まで | 無制限 |
ストレージ容量(1ユーザーあたり) | 30GB | 2TB | 5TB | 5TB(追加リクエスト可能) |
チーム共有ドライブ | – | 〇 | 〇 | 〇 |
二段階認証 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
グループベースのポリシー管理 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
高度な保護機能 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
エンドポイント管理 | 基本 | 基本 | 詳細 | 大規模ビジネス |
Vault – データの保持、アーカイブ、検索 | – | – | 〇 | 〇 |
セキュア LDAP | – | – | 〇 | 〇 |
データ損失防止(DLP) | – | – | – | 〇 |
容量無制限のオンラインストレージBox導入ならNECネッツエスアイへ
法人でオンラインストレージを導入する場合は、現在のデータ量や社員数はもちろんのこと、将来的なビジネスの拡大も考慮し、拡張性のあるサービスを選ぶことも大切なポイントです。
Boxのオンラインストレージは、ビジネス向けに容量無制限・ユーザー数無制限のプランをご用意。
データの量が増えても追加費用が発生しないのが強みです。
この記事を監修しているNECネッツエスアイはBoxの正規販売店です。
導入・運用に不安のある方へのサポートプランも充実しておりますので、Boxをご検討の際はぜひ弊社へお問い合わせください。
Boxの詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。