自治体のサービス向上にはIT・ICTの活用が欠かせませんが、資金難や人材・ノウハウ不足といった課題を抱える自治体も多く、民間企業と比較してIT化が遅れているのが現状です。
この記事では、自治体がIT・ICT化を進めるうえで課題となる点や、課題を解消しIT化に成功した事例を掲載。
自治体のIT化に役立つソリューション・サービスも紹介しているので、IT化の方法や手段でお悩みの自治体関係者様はぜひ参考にしてみてください。
自治体のIT・ICT化に対する課題
まずは、現在の自治体が抱えているIT・ICT化を進めるうえでの課題について詳しく見ていきましょう。
システムの導入・運用コストが高い
IT・ICTの導入にかけられる予算が少ない場合、ツールやシステムの質よりも初期費用に目が向きがちです。
しかし導入時のコストだけを過度に重視すると、本来の想定通りにIT・ICTを活用できず、かえって運用コストがかかってしまう可能性もあるでしょう。
また予算確保が困難な場合は導入そのものが後回しになるケースも多いことから、コストの問題は自治体間のIT格差を生み出す要因にもなっています。
自治体内の人材・ノウハウが不足している
日本国内の労働人口は年々減少の一途をたどっており、自治体も例外ではありません。
また現在までFAXや印鑑を用いたアナログ式の業務処理を行っている自治体が多く、デジタル活用における人材やノウハウが不足している点も大きな課題の1つと言えるでしょう。
民間の開発ベンダーにシステム導入を依頼したり、ITリテラシー向上のための職員研修を実施したりするなど、人材・ノウハウを確保するための環境整備が求められています。
費用対効果が明確でない
IT・ICT化は中長期的な目線で進めていくことが大切ですが、導入初期の費用対効果が不明確であるために、コストカットや規模縮小の対象とされるケースも珍しくありません。
コストカットはIT・ICT化の取り組みを制限することに繋がり、結果として自治体職員のモチベーション低下やシステム運用の負担増といったマイナス要因を生みだします。
こうした事態を防ぐためにも、IT・ICT化による業務改善の効果を“見える化”していくことが重要です。
IT・ICTを活用した自治体の先進的事例
自治体の業務をIT・ICT化すると言っても、具体的にどう取り入れれば良いか迷うことも多いでしょう。
そんなときは、他の自治体が実施しているIT・ICT化のアイデアを参考にするというのも1つです。
ここでは、実際にIT・ICTの活用によって成果をあげている先進的な事例・取り組みをご紹介していきます。
(世の中の先進事例として紹介しているため、当社が直接関与していない事例を含んでいます)
【教育分野】学生証のデジタル化でペーパーレス・コスト削減を実現
従来のカード型学生証をスマートフォンアプリ化し、スマホから常に確認できるようにした事例です。
こちらの事例では、学生証・学生手帳等を自身のスマホに格納したことで、学生証の紛失防止や連絡・出席確認の周知徹底といったメリットが得られました。
またカードに利用されていたプラスチックや紙の削減にもなり、経済的効果や温暖化ガスの排出抑止にも繋がっています。
この取り組みは利用ユーザーからの評価も高く、今後多くの学校で活用されることが期待されています。
【医療・介護分野】クラウド救急医療連携システムの導入で医療圏を広域化
クラウド救急医療連携システムの開発により、県境を超えた広域連携を可能とした事例です。
こちらの事例では、クラウド上で12誘導心電図と救急画像の送受信を行えるシステムを開発・運用しており、以下のような成果を出しています。
- 心電図・画像伝送にかかる費用を1日あたり100円以下に抑える
- 治療開始までの時間短縮(治療開始が1時間短縮できた場合、1年後の死亡率が1.6%下がる)
- 治療開始時間が短縮されることで、その後の入院期間も短縮に
またこれらの成果により、急性心筋梗塞発症による重篤化対策と医療費低減を実現しています。
【防災分野】消防団向けのアプリを開発し行政の負担を軽減
地域防災の中核を担う消防団向けのスマートフォンアプリを開発・運用している事例です。
アプリを経由して火災の一斉通知や動態管理、水利表示を行うことで、初動の迅速化や行政の負担軽減を実現。
実際に、出動の必要がない消防団の団員がアプリ経由で火災現場を確認し、自発的に消防ホースの中継応援にかけつけたことで、火災被害を最小限に食い止められたというケースがあります。
行政のDXにはNECネッツエスアイのソリューションをご活用ください
NECネッツエスアイでは、自治体のIT・ICT化に役立つ様々なソリューション・サービスを提供しています。
自治体DXコーディネートサービス
自治体DXコーディネートサービスとは、自治体DX推進計画の策定を契機として、デジタルシフトの実現や働き方・まちづくりに関する自治体の課題を解決するためのソリューションです。
業務改革(BPR)視点での現状調査・対象業務選定・業務分析・対策検討の実施により、効果的かつ効率的な業務把握と最適なDX化に繋げることが可能です。
自社実践に基づくノウハウや知見を活かし、標準化に向けた業務プロセスの整理やICTの選定・導入効果の可視化といった課題解決をお手伝いしています。
NECネッツエスアイ リモートデスクトップ for LGWAN
NECネッツエスアイ リモートデスクトップ for LGWANは、自治体DXの重点取組項目の1つである“テレワークの推進”へ対応するためのソリューションです。
LGWAN-ASPのセキュリティポリシーに準拠したLGWAN-ASPサービスで、追加のセキュリティソフトなどを準備する必要もありません。
自治体をはじめとする行政機関でも安心・安全にテレワークを導入することができます。
マルチデバイス・マルチOS対応で使いやすさも考慮されたサービスですので、テレワーク導入でお悩みの自治体職員の方はぜひNECネッツエスアイへご相談ください。
まとめ
IT・ICTを活用することで、行政に関わる様々な分野の業務改善・コスト削減が可能となります。
財政難や運用にあたる人材・ノウハウ不足といった課題を抱える自治体こそICTの活用が必要であるため、早期の課題解決とICT導入が急務と言えるでしょう。
NECネッツエスアイでは自治体のIT化に役立つソリューション・サービスを提供しているので、今後の自治体運営やDXの手法でお悩みの関係者様はぜひ一度お問い合わせください。