本記事は一般的な取組みについて記載したもので、NECネッツエスアイでの取組みを紹介したものではありません。予めご了承ください。
自治体DXの一環として、2025年度末までに全国の自治体で業務システムを統一する動きが進められています。
これに伴い、各自治体でもシステム標準化に向けて業務の見直し・改善が行われていますが、中には予算不足で思うようにデジタル移行を進められていない自治体も存在します。
そこでこの記事では、予算不足の解消に役立つ政府からの助成金・財政支援についてご紹介。
助成金だけでなく、独自の財源創出で予算を工面する方法もまとめているので、自治体DXに伴う予算確保でお悩みの自治体様はぜひ参考にしてみてください。
自治体情報システムの標準化に伴う助成金や支援制度の仕組み
まずは、自治体のシステム標準化に活用できる助成金や支援制度の仕組みについて詳しく見ていきましょう。
助成金・財政支援①デジタル基盤改革支援補助金
デジタル基盤改革支援補助金とは、自治体のシステム標準化・共通化やマイナポータルなどのオンライン手続きの推進に伴う費用を補助してくれる助成金です。
デジタル基盤改革支援補助金による助成の対象となる項目は以下の通りです。
助成金の対象 | 助成金の予算 | 助成金額 |
---|---|---|
自治体のシステム標準化や共通化 | 約1,509億円・2025年度まで | 費用の全額 |
マイナポータル導入などのオンライン手続き推進 | 約250億円・2022年度まで | 費用の半額 |
次期自治体情報セキュリティクラウドへの移行 | 約29億円・2022年度まで | 費用の半額 |
デジタル基盤改革支援補助金として用意されている助成金は合計1,700億円を超えており、このことからも、政府がDX推進に力を入れているということが分かるでしょう。
なお助成金の支給条件は自治体の規模によって異なるため、申請前に各自治体へ確認しておくとスムーズです。
助成金・財政支援②地方交付税措置
地方交付税は日本の財政制度の1つです。
本来地方の税収入とするべきものを、国が国税として徴収し、一定の合理的な基準によって地方へ再配分する仕組みとなっています。
これは、全ての自治体が一定の水準を維持するための財源を保障することが目的で、要約すると「国が地方に代わって徴収する地方税」ということです。
この地方交付税措置は、地域社会全体のデジタル化推進にも活用されています。
2021年度〜2022年度における算定額は合計約2,000億円で、都道府県分が約800億円、市町村分が約1,200億円となっています。
なお想定される地方交付税措置の活用方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 高齢者にデジタル活用の方法を教えるための出張講座
- デジタル人材の確保・育成費用
- 過疎地域などの条件不利地域において高水準なサービスを提供するためのデジタル活用 など
DX予算の確保には独自の財源創出の取り組みも併用を
国からの助成金や財政支援は積極的に活用すべきですが、独自の財源創出を展開することで、更なる予算確保を目指すという方法もおすすめです。
続いて、DXの予算を確保するうえで役立つ独自の財源創出の取り組みについて詳しく見ていきましょう。
(※一般的な取組みについて記載したもので、NECネッツエスアイでの取組みではありません)
ふるさと納税
ふるさと納税とは、利用者が任意に選んだ自治体へ寄附を行う仕組みのことです。
手続きを行うと、寄附金のうち2,000円を超える部分の所得税の還付・住民税の控除を受けられるのが特徴。
また地域の名産品等を返礼品として受け取ることができるため、毎年多くの人が利用しています。
ふるさと納税は認知度が高く、魅力的な返礼品を用意することで多くの寄附が見込めるため、独自の財源創出の取り組みとして有効だと言えます。
助成金以外の予算源を整えたい場合は、ふるさと納税に注力してみるのも良いでしょう。
ガバメントクラウドファンディング
ガバメントクラウドファンディングとは、自治体が問題解決のために寄附金を募る制度のことで、ふるさと納税のシステムを利用したクラウドファンディングの仕組みです。
ふるさと納税と同様に、寄附金のうち2,000円を超える部分の所得税の還付・住民税の控除が受けられます。
また、返礼品を受け取れる場合もありますが、ふるさと納税との違いは、返礼品ではなく使い道 (プロジェクト) で寄付先が選ばれる点です。
自治体の抱える問題を具体的にプロジェクト化できている場合には、ガバメントクラウドファンディングも有効な財源創出の手段となるでしょう。
記事まとめ|助成金・補助金を活用し自治体運営の効率化を図ろう
デジタル基盤改革支援補助金や地方交付税措置などの助成金・補助金を活用して、自治体業務のデジタル移行に必要な予算を確保することも可能です。
また、ふるさと納税やガバメントクラウドファンディングなど、独自の財源創出に取り組むことによって、自治体運営に必要な費用の捻出にも繋げられるでしょう。