現在の日本で解決すべき社会的な課題のひとつに、自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)があります。
役割分担や管轄意識が根強い日本の省庁や自治体では、従来、各拠点で個別に情報システムを構築。
そのため、省庁や自治体同士でのデータの取り交わしが停滞し、行政サービスが非効率に陥ってしまうという状況にありました。
このような状況を打破すべく、デジタル庁が発足し、自治体のデジタル化も促進されています。
この記事では、自治体DXの概要をはじめIT人材育成の重要性、人材育成・職員研修の方法を解説していきます。
自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは「進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革する」ことです。
経済産業省のDXレポートでは「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~」というデジタル社会のビジョンが掲げられています。
アナログの業務フローの定着によって行政サービスが非効率化している現在の自治体では、このビジョン達成のためのDX推進が急務となっています。
また社会全体のDX推進傾向やコロナ禍を背景とするデジタル技術の発展により、自治体サービスのデジタル化に対する住民ニーズも高まっています。
少子高齢化の影響を受けた自治体職員数の減少も、自治体DXが必要とされている理由のひとつです。
自治体が担う行政サービスをデジタル化することで、住民の利便性を向上させることや職員の業務負担の軽減を見込むことができるでしょう。
「人材確保」「IT人材育成」は自治体DXを成功させるためポイントのひとつ
自治体DXを成功させるポイントのひとつとして、デジタルに知見のある人材の登用があります。
しかし、類い稀な超少子高齢化社会を迎えている現在の日本では著しい労働人口の減少が問題となっており、自治体職員の人手不足も深刻な状況となっています。
そこで自治体が着手すべき取り組みこそが「IT人材育成」です。
民間企業に比べて、レガシーシステム(過去の技術や仕組みで構築されているシステム)からの脱却やIT開発の負担が重い行政で自治体DXを推進するためには、デジタルに知見のある人材育成を欠かすことはできないと言えるでしょう。
自治体におけるIT人材育成には、実践的なデジタルの活用が近道です。
人材育成を行うにあたって、総務省が公表している「自治体DX推進手順書」をヒントにしてみましょう。
IT人材育成の方法とは
2021年7月、総務省が「自治体DX推進手順書」を公表しました。ここではこの「自治体DX推進手順書」を基に、自治体におけるIT人材育成の方法を解説していきます。
まずは「自治体DX推進計画」で掲げられている6つの重点取組事項を確認しましょう。
「自治体DX推進計画」では、自治体DXの重点取組事項として次の6つの項目が挙げられています。
① 情報システムの標準化・共通化
② マイナンバーカードの普及促進
③ 行政手続オンライン化
④ AI・RPAの利用促進
⑤ テレワークの推進
⑥ セキュリティ対策の徹底
引用元:自治体DX推進計画概要
重点取組事項に見るIT人材育成のヒント
上記で紹介した「自治体DX推進計画」の重点取組事項の中でも、DXに知識のある人材育成のヒントとなるのは、以下の2項目です。
⑤ テレワークの推進
⑥ セキュリティ対策の徹底
この2項目を基に、自治体が取り組むべきIT人材育成・職員研修の方法を解説していきます。
⑤テレワークの推進
時間や場所を有効活用できるテレワークは働き方改革の切り札と考えられており、その必要性や有効性が注目を集めています。
また行政のデジタル化やコロナ禍での業務継続に向けて、テレワークを中心とした自治体職員の働き方改革の実現が急務とされているのです。自治体におけるIT人材育成には、テレワークの実践的な活用が近道と言えるでしょう。
しかし、全国の自治体でテレワーク導入が十分に進んでいるとは言い難いのが実情です。
総務省の2020年10月の調査によれば、都道府県と政令指定都市は95.5%が導入していますが、市区町村での導入は19.9%に留まっています。
また小規模団体での導入が遅れている理由として「情報セキュリティの確保に不安がある」といった課題が挙げられます。
そこで導入をおすすめしたいのが地方公共団体の組織内ネットワーク(庁内LAN)を相互接続する行政向けネットワーク「リモートデスクトップ for LGWAN」です。これについては後ほど詳しく紹介致します。
⑥セキュリティ対策の徹底
現在の日本ではデジタルの普及や運用の多様化に伴い、サイバー攻撃も急激に増加しています。
そこで2016年10月21日に「情報処理安全確保支援士制度」が設けられました。
「登録情報セキュリティスペシャリスト」(登録セキスペ)の通称でも知られる「情報処理安全確保支援士」とは、政府機関や企業などのセキュリティ対策強化に向けて、サイバーセキュリティに関する実践的な知識・技能を有する専門人材の育成と確保を目的とした国家資格です。
「情報処理安全確保支援士制度」では、新設された情報処理安全確保支援士試験の合格者が登録対象者となるほか、IPA(情報処理推進機構)の定める条件を満たす者については資格試験の一部又は全部免除されます。
自治体職員が情報処理安全確保支援士へ登録することにより、自治体全体としてのサイバーセキュリティ対策の推進に不可欠な信頼を示すことができるでしょう。
また情報処理安全確保支援士はIPA(情報処理推進機構)が行う講習や研修を活用することで自治体DXに対する最新の知識・スキルを維持、向上することができます。
セキュリティレベルの高い行政向けネットワーク利用が自治体DXの入り口
上述したとおり、テレワークを中心とした自治体職員の働き方改革の実現が急務とされており、「自治体DX推進計画」における重点取組事項のひとつにも「⑤テレワークの推進」が掲げられています。
これを実現するツールとして、この記事を監修するNECネッツエスアイでは「リモートデスクトップ for LGWAN」を提供しています。
「リモートデスクトップ for LGWAN」とは、庁外端末から庁内端末へ安全にアクセスできるリモートアクセスサービスです。
また自治体DXの課題として、情報セキュリティ確保に対する不安が挙げられています。自治体は地域住民の個人情報を大量に扱うため、高いレベルのセキュリティ機能を要求されるためです。
その点において「リモートデスクトップ for LGWAN」には、次のような特徴があります。
- LGWAN(高度なセキュリティ対策を施して構築された行政専用のクローズドネットワーク)を介して接続
- ID&パスワードによるログイン+ワンタイムパスワードの二要素認証で、不正アクセスのリスクを低減
- デバイスの固有IDや証明書により利用端末の制限
- ローカルにデータを転送できない仕様により、印刷やデータ抜き取りによる情報漏洩を防止
「リモートデスクトップ for LGWAN」を活用することにより、自治体DXを推進することができます。
また業務フローの効率化を実現しながら、万全なセキュリティ対策が可能です。
ぜひこの機会に「リモートデスクトップ for LGWAN」の導入をご検討ください。
記事まとめ:リモートデスクトップ for LGWAN支援はNECネッツエスアイまで
この記事では、自治体DXの概要をはじめIT人材育成の重要性、自治体DXのための人材育成・職員研修の方法を解説しました。
現在、自治体職員のIT人材不足は深刻な状況となっており、DX知見のある人材育成が不可欠とされています。また自治体におけるIT人材育成には、実践的なデジタルの活用が有効です。
自治体DXの推進やIT人材育成の一環としてデジタルツールを導入するなら「リモートデスクトップ for LGWAN」がおすすめです。
セキュリティ対策を行いながらテレワークを実現することができ、自治体DXの先進としても有効です。
NECネッツエスアイは、庁外端末から庁内端末へ安全にアクセスできるリモートアクセスサービス「リモートデスクトップ for LGWAN」を提供しており、サービスの導入サポートも行っております。
ぜひこの機会に自治体DXへの一歩を踏み出してみませんか?ご相談・お問い合わせもお待ちしております。