DXやSDGsの観点から、自治体でもペーパーレスの実現に向けた取り組みが活発化しています。
この記事では、自治体におけるペーパーレス化の現状と課題、またペーパーレス化によって期待できる効果・メリット等を解説します。
実際にペーパーレス化の取り組みに成功している自治体の事例も紹介しているので、自治体関係者様はぜひ参考にしてみてください。
自治体におけるペーパーレス化の必要性
まずは、自治体におけるペーパーレス化の現状と課題について詳しく見ていきましょう。
またペーパーレス化を推進することで期待できる効果・メリット等も解説していきます。
ペーパーレス化の現状と課題
ペーパーレス化とは、自治体や企業等で生じる紙の資料・文書の電子化により、紙の使用率を削減しようとする取り組みのことです。
近年は電子文書に関する法律も整備が進み、国全体としてペーパーレス化に向けた動きが加速しています。
一方で、地方の自治体や企業ではペーパーレス化が遅れており、その要因として以下のような点が挙げられます。
導入コストがかかる
ペーパーレス化の実現には、データを電子化したりクラウド上で管理したりするためのツールが必要です。
セキュリティ対策のソフトウェアやデータを閲覧するためのタブレット端末等を導入する際には初期コストが生じるため、資金不足の問題から導入に踏み切れずにいる事例も少なくありません。
電子化や業務フローの変更に対するハードル
ペーパーレス化に伴って生じる電子機器の操作や業務フローの変更に抵抗を感じる職員が多いという点も、ペーパーレス化を遅らせている要因の1つです。
自治体に深く根付いたアナログでの業務処理をデジタルに移行するとなれば、多大な労力がかかることは避けられず、職員の理解・協力を得られないという事例も珍しくありません。
ペーパーレス化の必要性・メリット
自治体におけるペーパーレス化の実現には様々な障壁がある一方、ペーパーレス化を実現できれば以下のような効果・メリットの享受を見込むことができます。
業務効率化・コスト削減
従来の紙文書と比較して、電子文書は検索性が高く、情報共有や閲覧を容易に行えるという特徴があります。
クラウド上でデータを管理できるシステムであれば、外出先や自宅からでも必要な資料を閲覧できるため、業務効率向上やテレワーク推進等に役立つでしょう。
また紙文書の作成が不要となることで、印刷や保管にかかるコストの削減も期待できます。
セキュリティ面の強化
電子文書の場合、管理ツール側でアクセス制限をかけたり、パスワードを設定したりすることができるため、セキュリティを担保した状態での情報管理が可能です。
また紙文書のように破損・紛失するリスクが少ないため、BCP対策としても有効な手段だと言えるでしょう。
ペーパーレス化による業務改革に成功している自治体の事例紹介
続いて、実際にペーパーレス化に向けた取り組みを実施している自治体の事例を紹介していきます。
(世の中の先進事例として紹介しているため、当社が直接関与していない事例を含んでいます)
事例①ペーパーレス会議システムの導入で会議資料を削減
ペーパーレス会議システムの導入で会議資料の大幅な削減に成功した自治体の事例です。
こちらの事例では、政策会議や部長会議等、特に資料の多い会議を対象とした段階的なシステム導入により、1年間で約14万枚の紙と約300万円の印刷費用の削減に成功しています。
また会議の準備にかかる時間が従来の6分の1程度に短縮される等、業務効率の向上にも繋がっています。
事例②電子契約への移行で契約書をデジタル化
年間に数千件発生する契約業務を電子化し、業務効率化やコスト削減に成功した自治体の事例です。
こちらの事例では、主な取引先である民間企業との契約を対象とした実証実験の実施により、電子化のメリットや効果に対する職員の理解を深めることに成功しました。
民間企業からの評価も高く、今後は地域全体としての業務効率化に向けた取り組みが進められる予定です。
事例③タブレット端末の活用による業務全般のペーパーレス化
庁内へのタブレット端末の導入によるペーパーレス化を実現した自治体の事例です。
こちらの事例では、タブレット活用によるペーパーレス化の推進で、会議の準備時間や印刷コストの削減および大幅な業務効率化を達成しました。
市民への窓口対応等でもタブレットの利用が始まっており、行政サービスの利便性向上に向けた期待が高まっています。
地方公共団体におけるDX事例まとめ
成功事例からも分かるように、ペーパーレス化には様々な効果・メリットが期待できるため、実現に向けて1つずつ課題を解消し、段階的に取り組みを進めていくことが大切です。
NECネッツエスアイでは、ペーパーレス化に役立つソリューション・サービスの提供と導入に伴う支援を実施しているので、ペーパーレス化の方法でお悩みの自治体関係者様はぜひ一度ご相談ください。