Microsoft 365の導入にあたって、今使っているカスタムドメイン(独自ドメイン)のメールアドレスを使うことはできるのでしょうか。
この記事では、Microsoft 365でカスタムドメインを利用するための条件と、ドメインの追加方法を解説します。
現在カスタムドメインのメールを利用していてMicrosoft 365への移行を検討されている方、どのプランを選ぶべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
Microsoft 365カスタムドメイン利用環境・条件
Microsoft 365でカスタムドメインを追加することは可能ですが、どのライセンスでも利用できるわけではありません。
カスタムドメインを利用したい場合は、ライセンス購入前に対応のプラン・利用条件を確認しておきましょう。
カスタムドメイン利用にはExchange Onlineが必要
Microsoft 365でカスタムドメインを追加するには、マイクロソフトの法人向けメールサービス「Exchange Online」の利用が前提となります。
マイクロソフトといえば、オンプレミス型のメールサーバー「Exchange Server」が知られていますが、Exchange Onlineはクラウド型のメールサービスで、社内に物理サーバーを設置する必要がありません。
Exchange Onlineが含まれるライセンス
Microsoft 365の法人向けライセンスにはExchange Onlineが付帯しているものがありますので、カスタムドメインを利用したい場合は対象プランから選ぶことをおすすめします。
メールサイズや添付ファイルの個数、送受信可能なメッセージ数は、ビジネス利用に十分な値となっています。
【プラン共通の制限事項】
メッセージサイズ(Outlookデスクトップアプリ) | 150MB |
---|---|
メッセージサイズ(Outlook on the Web) | 112MB |
メッセージサイズ(モバイルアプリ) | 33 MB |
件名 | 255文字 |
添付ファイル数 | 250個 |
受信メッセージ数 | 1時間あたり3600メッセージ |
送信メッセージ数 | 1分あたり30メッセージ |
メールボックスやアーカイブ領域の容量はプランにより異なりますので、予算や利用規模に合ったものをお選びください。
※各項目のデータは2023年1月現在のものです。
データ引用元
https://learn.microsoft.com/ja-jp/office365/servicedescriptions/exchange-online-service-description/exchange-online-limits
中堅企業向けライセンス(300人以下)
ユーザー数300人以下の企業向けライセンスでは「Business Basic」「Standard」「Premium」プランに「Exchange Online Plan1」が付帯しています。
Business Premiumプランのみ、アーカイブ領域を最大1.5TBまで利用できます。
Exchange Online プラン | メールボックス容量 | アーカイブ容量 | |
---|---|---|---|
Microsoft 365 Apps for business |
– | – | – |
Microsoft 365 Business Basic |
Plan1 | 50GB | 50GB |
Microsoft 365 Business Standard |
Plan1 | 50GB | 50GB |
Microsoft 365 Business Premium |
Plan1 | 50GB | 1.5TB |
大企業向けライセンス(人数無制限)
ユーザー数に制限のない大企業向けライセンスの上位プラン「E3」「E5」に含まれる「Exchange Online Plan2」は、メールボックス容量が100GBまで利用でき、データ損失防止機能も搭載されています。
Exchange Online プラン | メールボックス容量 | アーカイブ容量 | |
---|---|---|---|
Microsoft 365 Apps for Enterprise |
– | – | – |
Office 365 E1 |
Plan1 | 50GB | 50GB |
Office 365 E3 |
Plan2 | 100GB | 1.5TB |
Office 365 E5 |
Plan2 | 100GB | 1.5TB |
Microsoft 365 E3 |
Plan2 | 100GB | 1.5TB |
Microsoft 365 E5 |
Plan2 | 100GB | 1.5TB |
フロントワーカー向けライセンス
共有端末などでの利用がメインとなる現場担当者向けのライセンス「F3」「F5」に付帯するプランは、Exchange Onlineのエントリープラン「Kiosk」です。
Exchange Online プラン | メールボックス容量 | アーカイブ容量 | |
---|---|---|---|
Microsoft 365 F1 | – | – | – |
Microsoft 365 F3 | Kiosk | 2GB | なし |
Microsoft 365 F5 | Kiosk | 2GB | なし |
Microsoft 365にカスタムドメインを追加する手順
Microsoft 365を導入後、カスタムドメインを追加し、メールアドレスとして設定するまでの手順を確認していきましょう。
準備
カスタムドメインはあらかじめ用意しておく必要があります。取得していない場合は、まずドメインを購入しましょう。
Microsoft 365管理センターから購入することもできます。
Microsoft 365管理センターにドメインを追加する
新しいドメインをMicrosoft 365に追加する手順は次の通りです。
- Microsoft 365 管理センター(https://admin.microsoft.com/)に管理者アカウントでサインインします。
- 「設定」→「ドメイン」の順にクリックします。
- 「ドメインの追加」をクリックします。
- 新しいドメインを入力し「このドメインを使用する」をクリックします。
- ドメインの確認方法を選択します。
ドメインの所有確認
前項で選択したドメインの確認方法によって手順が分かれます。
下記いずれかの方法でドメイン確認を行ったのち、Microsoft 365管理センターに戻って「続行」をクリックしてください。
※反映には時間がかかる場合があります。
方法1 DNSレコードにTXTレコードを追加する
Microsoft 365管理センターの画面に表示されたTXTレコードをレジストラのWebサイトに手動で追加します。
方法2 DNSレコードにMXレコードを追加する
TXTレコードがサポートされていないレジストラの場合はMXレコードを追加します。
方法3 ファイルをアップロードする
Microsoft 365管理センターからダウンロードしたテキストファイルを、レジストラのWebサイトにアップロードします。
カスタムドメインのメールアドレスを設定する
ドメインの追加が完了したら、ユーザーにカスタムドメインのメールアドレスを発行しましょう。
- Microsoft 365管理センターで「ユーザー」→「アクティブなユーザー」をクリックします。
- 対象のユーザーを選択します。
- 「アカウント」タブで「ユーザー名とメールアドレスの管理」をクリックします。
- ユーザー名を入力し、ドメイン欄で追加したドメインを選択して「追加」をクリックします。
- カスタムドメインのメールアドレスをプライマリに設定して「変更の保存」をクリックします。
記事まとめ
Microsoft 365では、Exchange Onlineが含まれる法人向けライセンスでカスタムドメインの追加が可能です。
Exchange Onlineはクラウド型のメールサービスで、どこからでもインターネット経由でアクセスできる利便性がメリット。
メールだけではなく、予定表や連絡先もクラウド上で管理・共有できます。
Microsoft 365導入を機にメールサーバーもクラウドに切り替えれば、場所にとらわれない新しい働き方の推進にも繋がることでしょう。
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