Office2016、Office2019の延長サポートが2025年で終了します。
これらのバージョンを使っている企業では、サポート終了に伴い最新のパッケージ版Office2021に買い替えるか、サブスクリプションのMicrosoft 365に乗り換えるかの検討が始まっているのではないでしょうか。
現在、ソフトウェアライセンスの提供形態はサブスク利用がメインに移行しつつあります。
Microsoft 365は、特に法人にとってはライセンス管理やセキュリティ対策の面でメリットの大きい商品内容となっています。
この記事では、Microsoft 365を検討している企業の担当者様に向けて、従来のOffice永続ライセンスとの違いや、サブスク利用のメリット・デメリットをまとめました。
Microsoft 365とOffice永続ライセンスの違い
Microsoft 365と従来のOffice永続ライセンスとの違いを一覧表で比較してみましょう。
Microsoft 365 | Office 永続ライセンス |
|
---|---|---|
ライセンス形態 | サブスクリプション | 買い切り |
Office アプリケーション |
基本アプリ他、多数 | Word,Excel,Outlook,PowerPoint,Access,Publisher(ライセンスにより異なる) |
クラウドストレージ | OneDrive/OneDrive for Business | なし |
最新バージョンへの アップデート |
常に最新版にアップデート | なし |
サポート期限 | なし | あり |
イニシャルコスト | なし | あり(パッケージ代) |
ランニングコスト | あり(月額料金または年額料金) | なし |
マルチデバイス対応 | あり(パソコン、タブレット、スマートフォン) | なし(パソコン2台まで) |
企業での利用を考えたときに注目すべき点は、「Microsoft 365は今後買い替えの必要がない」ということです。
買い切り版のライセンスを利用する限り、今後も数年おきにライセンスの買い替えが時期が訪れます。
そのたびに発生する費用や、ソフトの入替にかかる管理コストは膨大です。
かといって、サポート期限が終了した古いバージョンを使い続けるのは、セキュリティ面からもおすすめできません。
定額・継続利用できるMicrosoft 365なら、もうリプレイスに手間暇をかける必要はなくなります。
Microsoft 365のメリット
企業でMicrosoft 365を使うメリットを具体的に見てみましょう。
プランの種類が多い
Microsoft 365の特徴として、プランの豊富さが挙げられます。
現在、一般ユーザーが購入可能なOffice2021の買い切りライセンスの種類は、学校向けプランを除いた「Personal」「Home & Business」「Professional」の3つのみです。
Microsoft 365には現時点で10種類以上のプランの選択肢があり、予算や用途に合わせて選ぶことができます。
個人・家庭向け 2プラン
- Microsoft 365 Personal:個人用
- Microsoft 365 Family:家族用
中小企業向け 4プラン
- Microsoft 365 Business Basic:ライトプラン
- Microsoft 365 Business Standard:標準プラン
- Microsoft 365 Business Premium:プレミアムプラン
- Microsoft 365 Apps for business:基本アプリ利用がメインの低額プラン
大企業向け 6プラン
- Office 365 E1:旧プラン(ライト)
- Office 365 E3:旧プラン(標準)
- Office 365 E5:旧プラン(プレミアム)
- Microsoft 365 E3:新プラン(標準)
- Microsoft 365 E5:新プラン(プレミアム)
- Microsoft 365 Apps for enterprise:基本アプリ利用がメインの低額プラン
現場向け 3プラン
- Office 365 F3:旧プラン
- Microsoft 365 F1:ライトプラン
- Microsoft 365 F3:標準プラン
導入時の初期費用を抑えられる
永続ライセンスの買い替えを行う場合は、社員の人数分のライセンスをまとめ買いしなければならないため初期費用が嵩んでしまいます。
サブスクリプション契約のMicrosoft 365では初期費用が不要。
ユーザー数の増加に合わせて適宜ライセンスを追加したり、退職者のライセンスを再利用したりすることもできるので、無駄のない運用ができます。
クラウドストレージが利用可能
Microsoft 365の全てのプランには、マイクロソフトのクラウドストレージ「OneDrive」が付いています。
クラウド上のファイルを共有したり、複数名で同時に編集したりすることも可能。
テレワーク・ハイブリッドワーク環境での共同作業が実現します。
マルチデバイスに対応
Microsoft 365の法人向けプランでは、1つのアカウントでパソコン・タブレット・スマートフォン各5台ずつ、計15台のデバイスにサインインできます。
- 会社ではパソコン、外出先からはスマホやタブレットでファイルを閲覧する
- オフィスではデスクトップパソコン、外出先ではノートパソコンと使い分ける
- パソコン故障時、代替機にライセンス認証する
など、状況に応じて様々なデバイスでOfficeアプリを使用することが可能です。
アプリは常に最新版に自動アップデートされる
Microsoft 365のアプリは、追加料金なしで更新プログラムが提供されます。
不具合修正やセキュリティアップデートがすぐに適用され、常に最新の状態で快適に使うことができるのです。
また、全ライセンスが自動アップデートされるので、社員間のバージョン違いによる互換性に煩わされることもありません。
セキュリティ対策が可能
Microsoft 365の法人向けプランでは、情報保護や脅威対策の機能が搭載されていて、サイバー攻撃やマルウェア被害から端末を保護します。
ユーザーやグループごとのアクセス権限設定も可能で、データの漏洩や目的外利用も防ぐことができます。
サポートが充実している
Microsoft 365は、リアルタイムな障害情報を公開しています。
法人プランでは、管理者がMicrosoft 365管理センターの「サービスの正常性」ページで各サービスの現在のステータスを確認することができます。
管理センターには質問やキーワードで検索できるヘルプや、管理者からMicrosoftのサポートに連絡できる問い合わせフォームも設置されていて、トラブル時にはオンラインでサポートを受けられる体制が整っているので安心です。
気になるデメリットは?
Microsoft 365のデメリットについても把握しておきましょう。
ランニングコストがかかる
Microsoft 365はイニシャルコスト不要で導入できますが、月額または年額のサービスのため、利用中は継続して課金が発生します。
使っていないライセンスを放置していたり、必要がないのに上位のプランを契約していたりすると、思ったよりコストが嵩んでしまうことがあります。
更新のタイミングで解約やプランの変更がしやすい契約形態ですので、ライセンス数やプラン内容が適切かどうか、定期的に見直しを行うと良いでしょう。
ネットワーク環境の影響を受けやすい
Microsoft 365では、OneDriveでのファイル共有やTeamsでのWeb会議など、リモートワークを支援する機能が充実しています。
けれども、クラウドストレージやオンラインコミュニケーションはネットワーク環境に左右されるため、ネットワークが遅いと業務に影響が出ることがあります。
また、大規模な通信障害が発生すると全く仕事にならなくなりますので、オンラインに依存しすぎず、バランスの良い働き方を考えていく必要があるでしょう。
記事まとめ
Microsoft 365のメリット・デメリットを紹介しました。
従来のOfficeライセンスに代わってMicrosoft 365を導入すると、
- 数年おきに買い替える必要がない
- プランの選択肢が豊富
- 複数デバイスで利用できる
- 無償で最新版に自動アップデートされる
- セキュリティ対策ができる
など、特に企業の管理者様へのメリットが非常に大きいのです。
サブスク契約というと、「何だかよくわからない」「割高な気がする」などの先入観を持ってしまうこともあります。
NECネッツエスアイでは、Microsoft 365に関する疑問点を解消し、円滑な導入に向けたサポートを行っております。
ご不明点・疑問点はぜひ、お気軽にお問い合わせください。
【関連記事】合わせて読みたい
Microsoft 365の機能・サービス一覧とプランごとの比較まとめ
【比較】Microsoft365とOffice365の機能は違う?プランの選び方を解説