クラウドの普及とモバイルアプリの充実で、スマホだけで完結できる業務が増えています。
スマホからは限られた操作しかできないと思われがちですが、Officeのスマホアプリはファイルの作成や編集にも対応。
クラウドと連携し、スマホからでも自由にファイルにアクセスして作業を行うことが可能になりました。
この記事では、スマホ用Officeアプリの機能や利用条件を解説していきます。
スマホ用「Office(Microsoft 365)」アプリとは
WordやExcelで作成されたファイルは、スマホの基本機能だけでは開くことができません。
メールに添付されているExcelファイルをスマホで確認したり、クラウドストレージに保存されたWordを外出先で編集したりする場合は、モバイルアプリが必要です。
iPhoneやAndroidのアプリストアで検索すると、Word・Excel・PowerPointは個別のアプリが見つかります。
けれども、これとは別に、3つのOfficeアプリが1つになった「Office(Microsoft 365)」アプリがリリースされているのをご存じでしょうか。
これからインストールする場合には、個別のアプリよりも「Office(Microsoft 365)」アプリがおすすめです。
アプリの名称に「Microsoft 365」と付いていますが、マイクロソフトのサブスクリプション「Microsoft 365」のユーザーだけではなく、サブスク契約のない一般ユーザーも無償で使えるのでご安心ください。
Word・Excel・PowerPointのオールインワン
「Office(Microsoft 365)」アプリは2020年にMicrosoftからリリースされた「Word・Excel・PowerPoint」の統合版アプリです。
このアプリ1つをインストールするだけで、Word・Excel・PowerPointの3つのアプリを簡単に切り替えて使うことができます。
セットアップ手順(iPhone/Android)
- MicrosoftのWebサイト(https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/mobile)からダウンロードするか、アプリストアで「Office」を検索してインストールします。
- アプリを起動してサインインします。
- サインインしたアカウントのOneDriveは自動的に追加され、アプリからアクセスできるようになっています。他のクラウドサービスを追加するには「開く」→「場所の追加」をタップしてサービスを選択し、サインインします。
モバイルアプリの特徴
「Office(Microsoft 365)」モバイルアプリは、パソコンで使える機能すべてに対応しているわけではありません。
資料の作り込みには、パソコンが必要な場面ももちろんあります。
一方で、モバイルアプリにはパソコン用デスクトップアプリにはない機能が追加されているのをご存じでしょうか。
スマホの機動性を活かした、モバイルアプリならではの機能を紹介します。
スキャン
カメラで書類を撮影し、PDFで保存する機能です。
外出先でスキャナーがなくても、スマホだけで簡単に紙資料を電子化できます。
OCR
撮影した画像からテキストを抽出したり、PDFをWordファイルに変換したりする機能です。
紙資料からの入力作業では、すべてを手入力するよりもOCRでテキストを抽出してから修正する方法が効率的です。
表の抽出
紙の表をデジタル化したい時もOfficeアプリが役立ちます。
Officeアプリでは表を撮影してExcelに変換すると、表組みごとExcel上に取り込まれます。
PDFに署名
最近では、注文書や申請書なども紙ベースではなく、PDFで処理することが増えました。
Officeの「PDFで署名」機能を使えば、PDFを開いて任意の場所に手書きで署名することができます。
紙の書類の場合、上司が外出していて承認が止まってしまうことが多々ありましたが、Officeのモバイルアプリを使えば、メールやクラウドで共有されたPDFにスマホから署名でき、承認作業がスピードアップします。
「Office(Microsoft 365)」アプリの利用条件
スマホ用の「Office(Microsoft 365)」アプリは、iPhone・Androidユーザーであれば誰でもストアから入手可能です。
ただし、無料で使う場合は一部の機能が制限されています。
無料版と有料版の機能の違いを確認しておきましょう。
無料/有料版の違い
Office(Microsoft 365)アプリはiOS・Androidのモバイルデバイス向けのアプリです。
アプリのインストールは無料ですが、セットアップ時にはアカウントでのサインインを求められます。
サインインせずに利用する場合は閲覧のみ。
無料のMicrosoftアカウントでサインインした場合は、閲覧と簡単な編集が可能です。
Microsoft 365のライセンス契約がある場合は、ライセンスに紐づくアカウントでサインインすれば、より多くの機能やアプリ間の連携が行えるようになります。
無料版はタブレットのサイズに注意
無料で利用する場合には、デバイスの画面サイズによる制限もあります。
画面サイズが10.1インチより大きいタブレットでは、ファイルの閲覧しかできません。
Microsoft 365の有料ライセンスユーザーの場合は、デバイスの画面サイズにかかわらず、すべての機能が解放されています。
無料版と有料版、デバイスのサイズによる機能の違いをまとめたのが下表です。
画面サイズ10.1インチ以下のスマホ・タブレット | 画面サイズ10.1インチ以上のタブレット | |
---|---|---|
無料 (サインインなし) |
閲覧のみ | 閲覧のみ |
無料 (Microsoftアカウントでサインイン) |
閲覧・簡易編集 | 閲覧のみ |
有料 (Microsoft 365ライセンスユーザー) |
閲覧・すべての編集機能 | 閲覧・すべての編集機能 |
合わせてインストールしておきたいスマホアプリ
Microsoft 365ユーザーの場合は、モバイルアプリでもアプリ間の連携が可能です。
「Office(Microsoft 365)」アプリとの併用がおすすめな3つのアプリを紹介します。
OneDrive
スマホでOfficeファイルの作成・編集を行う場合の保存先は、マイクロソフトのクラウドストレージ「OneDrive」です。
同じアカウントでサインインすれば、パソコン・スマホ・タブレットなど、どのデバイスからでも同じようにファイルを参照できます。
スマホ・タブレットからのファイルアクセスはブラウザからも可能ですが、OneDriveのモバイルアプリが便利です。
OneDriveに保存したファイルを、直接TeamsやOutlookで共有することもできます。
複数のアカウントの切り替えにも対応しているので、私物デバイスで利用する場合もプライベートのファイルと仕事のファイルを分けて管理することが可能です。
Teams
ビジネスチャット・Web会議ツールのTeamsにもスマホ用のアプリがあります。
Teamsモバイルアプリは外出先でのチャットはもちろん、Web会議にも対応しています。
カメラ・マイクが内蔵されているので、スマホ1台でどこからでも会議に参加することが可能です。
外出先でパソコンを開くことができない場合にも、スマホがあれば音声だけで参加するといった使い方もできますね。
Outlook
スマホには標準のメールアプリがプリインストールされていることもありますが、Microsoft 365ユーザーの方はOutlookのモバイルアプリを利用するのがおすすめです。
Outlook予定表も搭載されていて、予定表から直接Teams会議を作成したり、会議に参加したりすることもできます。
法人ライセンスをご利用の場合は特に、グループで予定を共有したり、個人アドレス・共有メールボックスなど複数のメールボックスを一括管理できるメリットがあります。
まとめ
- スマホでOfficeを利用するなら、Word・Excel・PowerPointがひとつになった「Office(Microsoft 365)」が便利
- スマホ版Officeアプリは無料で利用できるが、機能に制限がある
- 無料版は、10.1インチ以上のタブレットではファイルの閲覧しかできない
- 「Office(Microsoft 365)」アプリの機能をフル活用するには、Microsoft 365のライセンス契約がおすすめ
Microsoft 365のライセンスはマルチデバイス対応。
スマホ作業に必須のクラウドストレージ「OneDrive」も付いてくるので、どこにいてもスマホ1台あれば簡単にファイルにアクセスし、すぐに作業を開始できます。
Officeのモバイルアプリを最大限活用するために、ぜひMicrosoft 365をご検討ください。
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