WordやExcel、PowerPointなどのOfficeアプリは、もはやビジネスには欠かせないものとなっています。
けれども、買い切り版Officeのライセンスにはサポート期限が定められていて、数年おきに買い替えなければなりません。
ユーザー数の多い企業や団体では、ライセンスのバージョン管理やソフトウェアの入れ替えにも非常に手間がかかります。
Officeのライセンスをサブスクリプションの「Microsoft 365」に変えれば、定期的なリプレイスや煩雑なライセンス管理作業が必要なくなるのをご存じでしょうか。
この記事では、Officeの永続ライセンスからの移行に最適なプラン「Microsoft 365 Apps for business」について解説します。
※本記事における価格は、Microsoft公式サイト料金の2023年5月時点での情報です
Officeにはサポート期限がある
「Office2016」などの製品は「永続ライセンス」と呼ばれていますが、永久に使えるというわけではありません。
まず、メインストリームサポート期限を過ぎると、機能追加や不具合の修正がなくなります。さらに、延長サポートが終了するとセキュリティパッチも配布されなくなるため、脆弱性が解消されないまま使い続けることになってしまうのです。
Office各バージョンのサポート終了日は下表の通りです。
メインストリームサポート終了日 | 延長サポート終了日 | |
---|---|---|
Office2016 | 2020年10月13日 | 2025年10月14日 |
Office2019 | 2023年10月10日 | 2025年10月14日 |
Office2021 | 2026年10月13日 | – |
Microsoft 365とは?
Officeのサポート終了に伴い、次もOfficeを購入するか、Microsoft 365に切り替えるか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どちらが良いかは使い方によっても異なるのですが、多くのユーザー、ライセンス、デバイスを管理する法人にとっては、Officeの永続ライセンスよりもMicrosoft 365のライセンスを購入した方が管理上のメリットが大きくなります。
月額・年額で使えるOfficeのサブスクリプション
「Microsoft 365」(旧:Office 365)は、Officeをサブスクリプションで利用できるサービスです。
契約は月単位または年単位で、ユーザー数×利用期間分のライセンス料金が発生します。
年契約にすれば利用料金が割安になりますし、月契約にすれば、社員の増減に合わせてライセンス数を変更しやすくなります。
サブスク契約にすることにより、永続ライセンスを購入して所有するよりも柔軟な使い方が可能になるのです。
サポート期限がない
Microsoft 365にはサポート期限がありません。
契約中はずっとサービスを受けられるので、契約期間=サポート期間と言っても良いでしょう。
Microsoft 365を導入すれば、以降は数年おきにライセンスを買い替える必要がなく、常に最新版のアプリにアップデートできたり、不具合や脆弱性の修正を受けることができます。
Web上でライセンス管理できる
Microsoft 365のライセンスはアカウントに紐づけられているので、インストールCDなどの物理的な管理は一切不要。
パソコンにOfficeをインストールしたい時は、アカウントページにサインインすればいつでもインストーラーを入手できます。
法人向けライセンスでは、Microsoft 365管理センターから自社が所有するMicrosoft 365のライセンスをすべて管理することが可能で、個別に台帳管理する必要がありません。
ライセンスの割り当てもWebページ上から行えます。
サブスクリプションにすることで、企業のIT管理者の負担を大幅に軽減することができるのです。
Microsoft 365 Apps for business(Enterprise)の特徴とは
Microsoft 365にはさまざまなプランがありますが、初めてMicrosoft 365のサブスクリプションを利用する方におすすめなのが、「Microsoft 365 Apps for business」です。
1ユーザーから契約でき、年契約にした場合はひと月あたり1,030円という低価格でOfficeを利用できます。
「Microsoft 365 Apps for business」はユーザー数300人以下の中堅企業向けプランですが、300人を超える大企業向けには「Microsoft 365 Apps for Enterprise(人数無制限)」があります。
Officeのデスクトップアプリが使える
「Microsoft 365 Apps for business(Enterprise)」は、Officeのデスクトップアプリを使いたい方向けのプランです。
含まれるアプリのラインナップは、
- Word
- Excel
- PowerPoint
- Outlook
- OneDrive
- Publisher(Windows PCのみ)
- Access(Windows PCのみ)
と、Officeの買い切り版ライセンスで利用できるアプリを網羅しています。
Microsoft 365にはOfficeのWebアプリに限定した安価なプランもありますが、Webアプリは一部の機能に制限があります。
本格的な資料作成やデータ集計を行うには、やはりデスクトップアプリを使うに越したことはありません。
Officeアプリの利用がメインの目的であるなら、「Microsoft 365 Apps for business(Enterprise)」は最もコスパの良いプランと言えるでしょう。
複数デバイスにインストール・同時利用が可能
Officeの買い切り版ライセンスの利用台数はパソコン2台まででしたが、「Microsoft 365 Apps for business(Enterprise)」はマルチデバイスに対応しています。
Microsoft 365 Apps for business | Office2021 | |
---|---|---|
インストール台数 | パソコン5台・タブレット5台・スマートフォン5台 | パソコン2台 |
同時利用台数 | インストールしたデバイスのうち最大5台まで | パソコン2台 |
会社ではパソコン、外出先ではモバイルデバイスなど、シーンに合わせてデバイスを使い分ける場合でも、Microsoft 365ならどのデバイスからも自分の作業環境に簡単にアクセスできます。
Microsoft 365 Apps for business(Enterprise)でできないこと
「Microsoft 365 Apps for business(Enterprise)」を利用する際の注意点として、Microsoft 365の主要機能として紹介されているツール・サービスの中に対応していないものがあるという点が挙げられます。
これは、「Microsoft 365 Apps for business(Enterprise)」がOfficeのデスクトップアプリの提供がメインのプランであるからです。
例えば、以下のツールは「Microsoft 365 Apps for business(Enterprise)」のプラン内容には含まれていませんのでご注意ください。
- Teams(ビジネスチャット・Web会議ツール)
- SharePoint Online(ファイル共有)
- Exchange Online(メールサービス)
- Yammer(SNS)
Teamsも使いたい場合は
テレワークの普及や商談・セミナーのオンライン化により、ビジネスチャットやWeb会議ツールの需要が高まっています。
ところが、「Microsoft 365 Apps for business(Enterprise)」のプランにはTeamsが含まれていません。
Teamsも使いたい場合には、単体で追加するか、Teamsが含まれるMicrosoft 365のプランを検討しましょう。
- Teams単体のプラン:Microsoft Teams Essentials 500円(ユーザー/月)
- TeamsとOfficeデスクトップアプリが使えるプラン:Microsoft 365 Business Standard 1,560円(ユーザー/月)
※価格は年契約の場合
記事まとめ
「Microsoft 365 Apps for business(Enterprise)」は、サポート期限を気にすることなくOfficeアプリを利用したい方に最適のプランです。
サブスク契約にすることでライセンスをWeb上で一括管理できたり、利用できるデバイス数が増えるなどのメリットもあります。
Officeのサポート期限を機にMicrosoft 365への切り替えを検討されている場合には、まずはOfficeアプリをお得に使える「Microsoft 365 Apps for business(Enterprise)」から始めてみるのも良いでしょう。
【関連記事】合わせて読みたい
法人向けMicrosoft 365 Apps for businessは個人利用可能!購入方法を解説
【Microsoft 365】プランの変更・アップグレードの方法を解説