一般的なウェビナーでは、参加料金として数千円程度の金額が設定されているケースが多いのですが、ウェビナーへの参加料金を無料にして開催することはできないのでしょうか。
この記事では、国内でのシェア率が高い「Zoomウェビナー」を例にして、無料開催のウェビナーが少ない理由と料金設定方法について解説します。
Zoomウェビナーの機能詳細やウェビナー配信をサポートするサービスについてもあわせて紹介しているので、ウェビナー開催でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
ウェビナーの無料開催が難しい理由
無料開催のウェビナーが少ない理由は、ずばりウェビナー開催にかかるコストとのバランス調整です。
後に「Zoomウェビナー」を例にとって説明しますが、ウェビナーを開催するには、まず配信ツールを利用するための月額料金がかかります。
その他、ウェビナー開催に伴うコストとして以下のようなものが挙げられます。
- 撮影スタジオ・機材の手配
- 出演料(外部から講師を招く場合)
- 配信資料の作成にかかる人件費 など
ウェビナーの場合、従来のオフラインセミナーと比較して、大幅にコストを抑えた状態での開催が可能です。
とは言え、開催にかかるコストが無料になるわけではないため、参加料金についても無料にすることは難しいと考えられるでしょう。
ベンダー主催の顧客向けウェビナーなどであれば無料のものもありますが、スキルアップや投資といった一般向けウェビナーについては、無料ではなく数千円程度の参加費用を設定することが多いです。
【例】「Zoomウェビナー」の場合
「Zoomウェビナー」を例にして、ウェビナー開催にかかるコストについて確認していきましょう。
ここでは、初めにZoomウェビナーとZoomミーティングの機能の違い、次にZoomウェビナーを利用するために必要な手続きについて紹介します。
Zoomミーティングとの違い
ZoomウェビナーとZoomミーティングは、それぞれ利用できる機能や参加者の上限などに以下のような違いがあります。
Zoomミーティング | Zoomウェビナー | |
---|---|---|
カメラ・マイク操作 | 全参加者 | ホスト・パネリスト |
視聴のみのユーザー | × | ○ |
参加者一覧の閲覧 | 全参加者 | ホスト・パネリスト |
利用人数の上限 | 100~500人 | 100~10,000人 |
画面共有 | ○ | ○ |
テキストチャット | ○ | ○ |
質疑応答 | × | ○ |
ライブ配信 | Facebook・Workplace by Facebook・YouTube・Custom Streaming Service | Facebook・Workplace by Facebook・YouTube・Custom Streaming Service |
レコーディング | ○ | ○ |
ブレイクアウトルーム | ○ | × |
Zoomミーティングが全参加者間での双方向コミュニケーションを目的としたツールであるのに対し、Zoomウェビナーはホストを中心とした一方向のコミュニケーションが基本となる点が大きな違いです。
Zoomウェビナーでは発言権を持たない視聴のみのユーザーを存在させることができ、不特定多数の人に向けて情報発信を行うケースなどに適しています。
ウェビナー開催にはZoomミーティングの有料ライセンスが必要
Zoomウェビナーは単体のツールではなく、Zoomミーティングのアドオンとして利用できる機能の1つです。
そのため、Zoomウェビナーを利用するには、先にZoomミーティングのライセンス契約を結ぶ必要があります。
Zoomミーティングの有料ライセンスの種類と、各プランで使える機能・人数上限は以下の通りです。
Proプラン | Businessプラン | Enterpriseプラン | |
---|---|---|---|
参加人数 | 最大100人 | 最大300人 | 最大500人 |
登録可能ID数 | 1~9人 | 10~99人 | 50人~ |
クラウド録画の容量 | 最大1GB | 最大1GB | 無制限 |
ウェビナー機能 | オプション(別料金) | オプション(別料金) | 標準搭載 |
管理者向け ダッシュボード機能 |
× | ○ | ○ |
個社向け サポ-トプラン |
× | × | ○ |
Zoom自体は無料でも利用することができますが、ウェビナーの機能を導入する場合は有料ライセンスの契約が必須となります。
ライセンス契約の段階でコストが生じるため、ウェビナーを有料で開催して利益を得る必要があるのです。
参加料金の設定方法を解説
ここからは、ウェビナー開催時の参加料金の決定方法について、Webコンサルティング会社のアクチュアルプルーフ社にご協力頂いて解説するとともに、料金設定などで迷ったときに頼れるおすすめの支援サービスについて詳しく見ていきましょう。
ウェビナーの時間
1回あたりのウェビナー開催時間が長いものほど、参加料金の設定価格も高くなる傾向にあります。
例えば1回1時間のウェビナーと、半日程度かけて行われるウェビナーであれば、後者の方が参加者側の期待値も高く、また許容する料金も高くなります。
開催側の立場から考えても、開催時間の長いウェビナーほど登壇者の拘束時間や機材の稼働時間が長くなるため、参加料金を高めに設定するというのは当然のことと言えるでしょう。
ウェビナーの内容
ウェビナーの内容やターゲットの属性は、参加料金を決めるうえで重要な要素の1つです。
例えば自社商品・サービスのPRを兼ねたウェビナーである場合は、参加料金を低めまたは無料に設定し、コストの回収よりも集客を優先するケースがあります。
一方で専門的な内容のものや、投資・起業といった社会人向けのものであれば、ある程度高めの料金設定にしても問題なく集客できる可能性が高いでしょう。
講師の実績
ウェビナーに登壇する講師の肩書きや過去の実績なども集客効果に大きく影響するポイントです。
有名な講師や専門家を招くようなケースでは、ウェビナーそのものの信頼性が高まるため、ある程度参加料金を上げても多くの参加者が集まると考えられるでしょう。
ツール利用にかかる費用
ウェビナー実施にかかる様々なコストを踏まえ、赤字にならないラインで料金を設定する必要があります。
参加料金を低めに設定したい場合は、機材や人件費を抑えるといった工夫も必要となるでしょう。
ただし、コスト削減を意識しすぎてウェビナーの品質が落ちてしまうようでは意味がありませんので、バランスを考えながら参加料金を検討していくことが大切です。
おすすめのウェビナー配信支援サービスをご紹介
ウェビナーの開催方法や参加料金の設定でお困りの場合は、ウェビナーの運用サポートを受けられる支援サービスの活用がおすすめです。
ここでは、2つの配信サポートサービスをご紹介します。
Zoomオンライン配信サービス
NECネッツエスアイでは、Zoomウェビナーを活用したオンラインセミナー・講習会の開催サポートを実施しています。
主に配信用スタジオの貸し出しや出張での配信支援、またオフィスへの配信環境の構築といったサービスを提供している他、集客や運用方法のアドバイスなども対応可能です。
以下のようなオンラインイベントの支援実績もありますので、ウェビナー開催のやり方でお悩みの企業様はお気軽にご相談ください。
外部向け情報発信 | 記者会見・株主総会/決算発表会・お客様向けセミナー・製品説明会/発表会・学会/シンポジウム など |
---|---|
内部向けイベント | トップメッセージ発信・キックオフ・社員/職員教育・内部向け勉強会 など |
採用活動 | 会社説明会・個人面談・集団面接・インターンシップ対応 など |
Slido
参加費用がかかるウェビナーは質の高さが要求されます。
ウェビナーの質を高めたい方におすすめのサービスが、NECネッツエスアイが自信をもってご提供する「Slido」です。
ここからはSlidoが持つ便利な機能をご紹介します。
質疑応答機能
イベント参加者からの質問をオンラインで受付することができる機能。
匿名での投稿が可能なので、大人数のイベントでも参加者が質問をしやすいのが嬉しいポイントです。
ウェビナー中に参加者の疑問を解消することができるなど、イベント自体の内容を充実させることができます。
Live polls(投票機能)
イベント参加者の意見を様々な投票形式で収集することができる機能。
投票やクイズを活用して、エンターテインメント性を向上させることで、より満足感のあるウェビナーを実現させることができます。
Event analytics(分析機能)
イベント中に集計した投票結果や参加者からの質問や意見をエクスポートすることが可能です。
マーケティング戦略としてウェビナーを用いる際、ウェビナー後の顧客の定着が課題となります。
ウェビナー後、Slidoの機能で得られたデータを参加者へのアフターフォローやフィードバックに役立てましょう。
これらの機能を使うことで、内容の充実度を高め視聴者に満足してもらえるウェビナーを実現することができます。
ウェビナーの質向上をお考えの方はぜひSlidoの導入をご検討ください。
無料参加できるオンラインセミナーが少ない理由とおすすめ配信ツールまとめ
- ウェビナー開催にはツールの利用料金や機材費などがかかるため、参加料金無料での開催は難しい
- ウェビナーの参加料金は配信内容やターゲット、登壇者の実績などを踏まえて設定することが大切
- 開催方法や料金設定でお悩みの場合は、NECネッツエスアイの支援サービスがおすすめ
Zoomウェビナーは特別な機材を導入する必要がなく、既存デバイスから低コストで始められる人気ツールです。
NECネッツエスアイではツール導入から実際の運用まで総合的なサポートが可能ですので、ウェビナー開催に不安をお持ちの企業様はぜひ一度お問い合わせください。