会社説明会や商品の宣伝、社内研修など幅広い用途で利用されるウェビナー。
そのウェビナーの配信を成功させるための準備について解説します。
事前の準備がウェビナー配信の成功の可否を左右すると言っても過言ではありません。
ウェビナーの需要が拡大中
ウェビナーの需要が拡大し、多くの企業がウェビナーの導入を決めています。
ウェビナーが注目されている理由を紹介しましょう。
社会全体のデジタル化
総務省の令和3年度情報通信白書によれば、携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末の世帯保有率は2020年時点で9割を超えています。
特に普及が進んでいるのが、スマートフォンです。2010年時点ではわずか10%程度の普及率が2020年には80%を突破。
手元にインターネット環境とスマートフォン一台を準備すれば、ウェビナーに参加することが可能に。
ウェビナーの需要が拡大している背景には、誰でも手軽に参加するための環境を準備できることがあると言えるでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大
ウェビナーの普及の背景には新型コロナウイルスの感染拡大があったことは否定できません。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、感染拡大防止のために緊急事態宣言が発令されました。
さらに外出自粛や三密の回避が奨励され、ビジネスの分野でもテレワークやオンライン商談などデジタル化が進んでいます。
デジタル化の一環として、ウェビナーの普及も進展。
ウェビナーでは、インターネット上に会場を設定できるので、大勢が集まる必要がなく、感染拡大防止と経済活動の維持を両立できる手段として注目されています。
働き方改革の進展
厚生労働省は働き方改革を以下のように定義しています。
働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること
従来、日本では長時間労働を前提として労働が行われていました。しかし、過労死や仕事のストレスによる自殺が社会問題化。
これに対して、2019年に政府は働き方改革関連法案を施行し、官民を問わず、労働時間の短縮や多様な働き方を推奨しています。
業務効率化や多様な勤務条件にはウェビナーが最適と言えるでしょう。大人数を収容する会場や機材の準備が必要なく、開催の手間と時間の省略に。
このように働き方改革が求められているという社会的状況がウェビナーの普及を後押ししたと言えるでしょう。
配信を成功させるための【準備ガイド】
ウェビナー開催までの流れや事前に準備すべきことや準備するものについて解説します。
準備にはいくつかのステップがあるので、ステップに分けて具体的に見ていきましょう。
準備①目的設定・コンテンツの準備
最初の準備はコンテンツの準備です。
コンテンツの準備に必要な最初のステップはウェビナーの目的に応じたターゲットを設定すること。
例えば、自社の商品やサービスを購入してもらうことが目的であれば、消費者の想定を立ててターゲットを明確にしましょう。ターゲットの属性が分かれば、ウェビナーに盛り込む内容や準備内容が決定できます。
次に準備すべきことは使用するウェビナーの種類を決めることです。一口にウェビナーといってもzoomウェビナーをはじめ、さまざまなウェビナーツールが展開されています。
ウェビナー選択時に最も注目したいのは参加者の利便性です。利便性を検討するポイントの例は以下のとおり。
- ログインしやすいか
- 資料の共有機能があるか
- アプリをインストールする必要があるか
- 参加可能人数はどのくらいか
- 参加者のプライバシーが保護されるか
- 音声や動画のオン/オフの切り替えが可能か
他にも開催するウェビナーやターゲットに応じて重視する機能を考えてみましょう。
準備②配信環境を整備する
次の準備は配信環境の整備。
配信環境とは、使用する機材の準備やインターネット回線の確認などが含まれます。
例えば、配信にあたって準備が必須な物は以下のとおり。
- パソコン(画質が鮮明、対応容量の大きいスペックの高いものを準備)
- カメラ(パソコンに内蔵されている場合でも別途準備)
- マイク(ノイズの入らないピンマイクやイヤホンマイクを準備)
- 三脚(高さを調整できるものを準備)
インターネット回線は安定性の高いものを準備します。ウェビナーでは、無線LANではなく、有線LANを準備しましょう。
有線LANは通信速度が早く、電波が安定しています。外部から侵入されるリスクも低く、セキュリティも安心なのが嬉しいポイント。
オフサイトのセミナーのような大規模会場は不要ですが、スタジオの準備も必要でしょう。
開催内容にもよりますが、配信中にノイズが入ったり、余計なものが見える可能性がある場所は避けましょう。
スペースは必要ないので、雑音や背景になにもなく、照明が調節できるスタジオを準備します。
準備③集客
次の準備は集客。
商品の宣伝や会社説明会の場合には多くの参加者を集客する必要があります。集客のために準備すべきことを確認しましょう。
- 登録フォームの作成
- 集客ページの作成
登録フォームとは、参加を希望する方が基本情報を入力して応募する画面です。
ウェビナーツールに登録フォームを作成する機能が搭載されている場合もありますし、Googleフォームを使って無料で作成することも可能。
登録フォームを作成しないと、申し込みを手作業で受け付けるため、準備に多大な労力がかかります。
また集客ページとは、ウェビナーの内容を紹介したり、集客のために誘導するページのこと。
集客段階で興味を持った方に参加してもらうためにキャッチコピーや画像、図などを利用して、ウェビナーの魅力を伝えます。
登録フォームと集客ページを準備したら、次の準備ステップに進みましょう。
準備④ターゲットにあわせた広告・宣伝
次の準備は広告や宣伝。効率的にウェビナーの魅力を伝え、集客するために有効な方法は以下のとおり。
- メルマガ
- 個別メール
- SNS
- 自社サイト
- ウェブ広告
メルマガ
ウェビナーの魅力を伝える告知メールを登録したメールアドレスに送りましょう。
送信先の人は既に自社の商品やサービスを使ったことがある、興味のある人ですので、効果の高い準備方法と言えるでしょう。
全く同じ内容のメールを一括送信するだけですので、手間もかかりません。一度の配信では見逃す可能性があるので、応募期間に継続的に準備・配信しましょう。
個別メール
メルマガに登録していない方の中で既に自社の商品を利用したことがある場合には、メールアドレスを提供しているでしょう。
そのような方に向けて個別に案内メールを送りましょう。送信先によって内容を変えると準備に手間がかかりますが、より効果的です。
SNS
準備に時間やお金をかけたくない場合にはSNSが最も効果的。
TwitterやFacebook、InstagramなどSNSの拡散力を利用することで、高いコストパフォーマンスが期待できます。
フォロワーが多くなくてもリツイートやシェア機能によって多くの方に認知されるので、高い集客効果や新規顧客の開拓につながるでしょう。
自社サイト
既に自社商品やサービスの固定ファンがいる場合には、自社サイトにウェビナーの案内を掲載するのが効果的。
サイトを作成する必要があるので、準備の手間はかかりますが、効果の高い準備方法です。
ウェブ広告
オフラインの広告よりもウェブ広告は費用対効果の高い準備方法です。SNSや動画サイトの広告枠を購入して、幅広い層に宣伝可能に。
広告や宣伝が完了したら、最後の準備に取り掛かりましょう。
準備⑤最後の準備
開催日2週間前~
最後の準備として、まず開催日が近づいたら、事前にリマインドメールを送信しましょう。
申し込みから開催日まで時間があると忘れてしまっている方もいるかもしれません。開催日の2週間前、1週間前、前日、1時間前と間隔を空けて、リマインドメールを送ります。
開催日1週間前
開催日の1週間前になったら事前にリハーサルを開催することも重要な準備です。
機材の操作や配信テスト、カメラテストなどを行い当日滞りなく進行できるように準備。
リハーサルの回数は3回程度が目安です。準備が完全に整うまでリハーサルの回数を増やしてもいいでしょう。
開催日当日
当日になったら、余裕を持ってウェビナールームを開室しましょう。
ウェビナー開催の経験があまりない場合には、外部の会社に依頼して、運営のサポートを受けてもよいでしょう。一緒に準備を手伝ってくれます。
NECネッツエスアイの運営サポートを利用して、ウェビナーを成功させよう
NECネッツエスアイはNECグループの一員として、企業のデジタル化をサポートするサービスを提供しています。
ここでは、「Zoomオンライン配信サービス」と「Slido」をご紹介します。
ウェビナー導入をお考えの方や、ウェビナーの質改善でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
Zoomオンライン配信支援サービス
Zoomオンライン配信サービスでは、Zoomウェビナーを活用したオンラインイベントの支援やスタジオ環境の準備、運用サポート等を行っています。
Zoomオンライン配信支援サービスの商品ラインナップは以下のとおり。
- 配信に必要な機材や専任オペレーターが準備された日本橋スタジオの貸出
- お客様先に専任オペレーターの派遣、機材の準備
- 配信規模や頻度に合わせた配信スタジオを準備
- その他Zoomウェビナーを支援するサポートメニュー(Zoom製品問い合わせ、イベント設定支援、配信オペレーター派遣、スタジオオペレーター育成、Slido活用支援、イベント設定支援、同時通訳サービスなど)
ウェビナー配信支援サービスを活用することで、効率的にZoomウェビナーの準備、開催が可能になります。
ウェビナー開催に不安が残る方はぜひ導入をご検討ください。
Slido
「参加者とコミュニケーションが取れない」「ウェビナーの構成に自信がない」
そんなお悩みをお持ちの方におすすめしたいのがこのSlido。
洗礼されたUIで使いやすく、また、様々なコミュニケーション機能でウェビナーをより盛り上げることに貢献します。
Slidoの主な機能は以下の通り。
Q&A
ウェビナー中、コンスタントに使えるQ&A機能。参加者はいつでも質問を投稿することができます。
匿名投稿が可能なのも嬉しいポイント。参加者からの積極的なコミュニケーションが期待できます。
開催者側は、参加者の不適切な質問をフィルターにかけることができるので、ウェビナーの治安も守ることができます。
ライブ投票機能
様々な形式でライブ投票を行うことが可能。
エンターテインメント性を向上させ、ウェビナーを盛り上げることができます。
ライブ投票機能のラインナップは以下の通り。
機能 | 概要 |
---|---|
Multiple choice | 選択式投票機能。参加者の意見を簡単に収集。 |
Word cloud | 意見をワードクラウド化し、キーワードを抽出可能。 |
Quiz | クイズ機能。エンターテインメント性を向上。 |
Rating | 評価投票機能。最大10段階でイベントの満足度を可視化。 |
Open text | フリーフォーマット入力機能。アンケート時の自由記述等に有効。 |
Ranking | 重要度順にランク付け。意見に順列させることが可能。 |
エクスポート機能
上記のQ&A機能やライブ投票機能で得た結果や質問内容をExcel形式でエクスポートすることが可能。
このデータをウェビナー後のアフターフォローやフィードバックに役立てることができます。
NECネッツエスアイはSlidoを活用した、「Slidoイベント支援サービス」も提供しています。NECネッツエスアイがウェビナー、Slidoの導入を徹底的にサポートいたします。
ウェビナーの質改善でお悩みの方はぜひSlidoの導入をご検討ください。
【まとめ】準備を万全にして、セミナーを成功させよう
ウェビナーを開催するために必要な準備についてステップごとに解説しました。
これからますます普及すると予想されるウェビナーは準備段階で成否が決まると言っても過言ではありません。
自社のみでの準備が難しい場合には、NECネッツエスアイの運用サポートを活用しましょう。