「この間まで普通にZoomを使っていたのに、突然Zoomが使えなくなった!アプリにもアカウントにも問題ないのにどうして?」そんな時は、ネットワークのセキュリティが原因の可能性があります。
インターネット接続はできるけれどZoomだけが接続できない、という場合は、セキュリティソフトやファイアウォールがZoomをブロックしているかもしれません。
Zoomでネットワーク関連のエラーが出たら
- ミーティングで予期しないエラーが発生しました。エラーコード:5003
- ネットワーク エラーです。もう一度やり直してください。
- 当社のサービスに接続できません。ネットワーク接続を確認してもう一度やり直してください。
Zoomが「接続中」から先に進まなくなったり、タイムアウトしてしまったりした時には、上記のようなエラーメッセージが出てくることがあります。
これらのメッセージから、「ネットワークの接続に何か問題がありそう」というのが分かりますね。
ネットワーク接続状況を確認
まず、お使いのデバイスがネットワークに接続できているか確認しましょう。
ブラウザを開いて、Webサイトを閲覧してみてください。
Webサイトに接続ができて、ページの読み込み速度にも問題がなければ、ネットワーク接続状況ではなくセキュリティ設定の方に原因がありそうです。
エラーコードを調べて原因を特定
エラーコードの表示がある場合は、原因の特定に役立ちます。
Zoomのエラーコード・メッセージをZoomのサポートサイト(https://support.zoom.us/)で確認してみましょう。
「接続中」から進まない・タイムアウトするケースのエラーコードは、大きく分けて以下の場合が多いです。
- 「5003」「5004」など、5000番台
- 「104101」「104113」など、104100番台
これらはZoomサーバーとの接続に問題がある場合のエラーで、ファイアウォールやプロキシ、ウイルス対策ソフトがZoomへの接続をブロックしているのが原因です。
ファイアウォール・プロキシサーバー・セキュリティソフトの役割
ファイアウォール、プロキシサーバー、セキュリティソフト……
聞いたことはあるけれど、どんなものなのかあまり想像がつかないかもしれません。
まずは、それぞれの役割について確認してみましょう。
ファイアウォールとは
ファイアウォールは、不正アクセスやサイバー攻撃を防ぐ「防火壁」。通信を解析して、通過させるかどうかを決定します。
ファイアウォールには、以下の2種類があります。
パーソナルファイアウォール
クライアントPCにインストールするファイアウォールで、ウイルスの侵入防止や不正アクセスからの保護に有効です。
送受信されるパケットをIPアドレス・ポート番号でフィルタして、通信を許可するかどうか判断します。
Windows10のパソコンに標準インストールされている「Windows Defender」もパーソナルファイアウォールに分類されます。
ネットワークのファイアウォール
企業などで、外部ネットワークと社内LANの間に設置するファイアウォールです。
通信をパケット単位でフィルタする「パケットフィルタリング型」、HTTPやFTPなどアプリケーションプロトコルごとの制御を行う「アプリケーションゲートウェイ型」、ポートの指定・制御まで行う「サーキットレベルゲートウェイ型」があります。
プロキシサーバーとは
「プロキシサーバー」とは、パソコンの代わりにインターネットへの接続を行うサーバーで、企業などで広く使われてきました。
パソコンから直接インターネットに接続するのではなく、間にプロキシサーバーを介しているため、アクセス元が特定されにくくなります。
クライアントPCからのアクセスログを取得したり、プロキシサーバーのキャッシュを利用してサイト表示を高速化することも可能で、組織としてパソコンの利用を適切に管理するのに有効です。
プロキシサーバーの機能のひとつに、特定サイトへのアクセスを制限するフィルタリングがあり、違法サイトや公序良俗に反するサイトへのアクセス防止などの用途に使われます。
セキュリティソフト(ウイルス対策ソフト)とは
マルウェアの侵入阻止や、不正アクセスの防止、情報の保護などを目的としたソフトウェア全般を「セキュリティソフト」と呼んでいます。
セキュリティソフトと聞いて思い浮かぶのが、「ウイルスバスター」「ESET」「ノートン」などのウイルス対策ソフト。
インターネット接続やメールの添付ファイルをチェックしてウィルスを検出するほか、接続した外部メディアをスキャンしてマルウェアが含まれていないかチェックする機能もあり、さまざまな経路から侵入してくるマルウェアへの対策が可能です。
ウイルス対策以外に、迷惑メールのブロックや、デバイスの探索、ネット決済保護などもセキュリティソフトに含まれます。
Zoomがファイアウォールにブロックされたら
Zoomがファイアウォールにブロックされて接続できない時のトラブルシューティングを紹介します。
Zoomアプリ・デバイスを再起動
パソコンやアプリの動作の不具合の多くは再起動で改善することがあります。
Zoomの接続に不具合がある時は、ファイアウォールの設定を確認する前に、まずは簡単にできるZoomアプリの再起動・デバイスの再起動を行ってみましょう。
アプリをバックグラウンドプロセスから終了する
Zoomアプリは「×」をクリックして閉じた後も、バックグラウンドで動いています。
アプリを完全に終了するには、バックグラウンドプロセスから終了してください。
- 「Ctrl」+「Alt」+「Delete」を同時に押して、「タスクマネージャー」を起動します。
- 「バックグラウンドプロセス」からZoomを選択して「タスクの終了」をクリックします。
Zoomの障害状況を確認
Zoomのサービス全体で障害が起きていないか確認してみましょう。
Zoom Service Status(https://status.zoom.us/)で、現在の障害状況を確認できます。
ステータスが「Operational」になっていれば、障害は発生していません。
ファイアウォール・セキュリティソフトを一時的に無効化する
原因がファイアウォールかどうかを調べるには、ファイアウォールを一時的に無効にしてからZoomに接続して切り分けを行ってみてください。
Windows10標準搭載の「Windows Defender」を例に、無効化する手順を説明します。
- スタートをクリックして「設定」(歯車のアイコン)をクリックします。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 「Windowsセキュリティ」をクリックします。
- 「ウイルスと驚異の防止」をクリックします。
- 「設定の管理」をクリックします。
- 「リアルタイム保護」をオフにするとDefenderが無効化されます。
他のセキュリティソフトを使用している場合は上記の操作ができなくなっていることがあります。
その場合は、各セキュリティソフトの操作方法にしたがい、保護を一時停止してみてください。
無効化したままでは危険!
ファイアウォールを無効化するとZoomに接続できる場合は、ファイアウォールがブロックしているのが原因と考えられますが、ファイアウォールをずっと無効化しておくのはセキュリティ上望ましくありません。
ファイアウォールが原因と特定できたら、次で説明する「例外設定」の方法で、Zoomをファイアウォールのチェック対象から外しましょう。
Zoomをファイアウォールの例外に設定する
特定のアプリがファイアウォールにブロックされている場合は、ファイアウォールのチェック対象から外してしまえば引っかかることもなくなります。
アプリが安全であると確認できている場合は、ファイアウォールの例外に設定してみてください。
「Windows Defender」での設定方法を紹介します。
- コントロールパネルを開きます。
- 表示方法を「カテゴリ」「システムとセキュリティ」をクリックします。
- 「Windows Defenderファイアウォール」の中の「Windows ファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリックします。
- 「設定の変更」をクリックします。
- 「別のアプリの許可」をクリックします。
- 「参照」をクリックして、「Zoom.exe」を選択し、「追加」をクリックします。
- 「許可されたアプリ」にZoomが追加されました。「プライベート」「パブリック」の2箇所にチェックを入れ、「OK」をクリックします。
会社のパソコン・ネットワークの場合は
パソコンのパーソナルファイアウォールは各自で設定できますが、企業のネットワークのファイアウォールやプロキシサーバーのルールは管理者が設定しています。
権限のないユーザーは設定を確認したり変更したりすることができませんので、管理者に問い合わせてみてください。
まとめ
- 「5003」エラーなどでZoomに接続できない場合は、ファイアウォールでブロックされている可能性がある
- ファイアウォールやセキュリティソフトを一時的に無効化して切り分けを行う
- 保護を無効にしておくのは危険。例外設定にZoomを追加すればブロックされなくなる
- 企業のネットワークのファイアウォール・プロキシサーバーの設定は管理者に相談
パソコンを危険から守るために欠かせないファイアウォールですが、時には安全な接続までブロックしてしまうことがあります。
ファイアウォールの例外設定を活用して、セキュアな環境でZoomミーティングを使いましょう。