日常的に電話対応を行っていても、クレーム電話を取ってしまうと緊張しますね。
特に、自分の担当外のクレームの場合、お客様を待たせず、スムーズに解決するのは至難の業です。
この記事では、クレーム電話を受けた場合の対応手順と解決のコツを解説します。
業務で電話対応を行っている方はぜひご一読ください。
クレーム電話の目的は?
まずは、お客様がどのような気持ちでクレーム電話をかけてきているのか・どんな目的を達成すれば満足されるのかを考えてみましょう。
問題を解決したい
商品に不具合があり交換してほしい場合や、使い方がわからないから教えてほしいといった内容のクレームです。
これらの場合、お客様は商品を使いたいと思っているものの、何らかの不便があるため解決策を求めています。
お客様の状況をしっかり把握して、解決のお手伝いをしましょう。
話を聞いてほしい
商品や接客態度に関するクレームでは、解決策を求めると言うよりも「言いたい」「聞いてほしい」という気持ちが強いお客様もいます。
もちろん、改善できる問題の場合は適切な対処を行いますが、解決できないことはわかっているけれど言ったらすっきりした、という方もいらっしゃいますので、電話を受けたら相手の話にしっかりと耳を傾けることが大切です。
嫌がらせ・困らせたい
稀ですが、企業に対しての嫌がらせや従業員を困らせることを目的に迷惑なクレーム電話をかけてくる人もいます。
威嚇や暴言で脅してくる場合にも屈しないことが大切です。過剰な謝罪や金銭の要求に応じてしまうと、以後もしつこく電話がかかってきてしまうことがあります。
嫌がらせによる業務への影響が著しい場合は、警察や弁護士に相談してください。
クレーム電話対応の基本ステップ
お客様の不満の内容はさまざまですが、対応の基本手順は変わりません。
クレーム電話を取ってしまった場合には、落ち着いて次のステップ通りに対応しましょう。
お客様の話に耳を傾ける
相手が話し始めたら、軽く相槌を打ちながら最後まで聞きます。
クレーム電話をかけてくるお客様は、「話を聞いてほしい、理解・共感してほしい」と思ってかけてきている場合が多く、話すだけで落ち着かれる場合もあります。
わかりにくい部分や誤解されている部分があっても、途中で話を遮って反論したり、細かい部分を聞き返したりせず、まずは相手の話に耳を傾けましょう。
お詫び
お客様の話だけではクレームの内容が事実なのかどうか・自社に落ち度があったのかどうかはまだわかりません。
しかし、お客様が嫌な思いをしたのは事実ですので、まずは不快な思いをさせてしまったことに対して丁寧にお詫びをしましょう。
事実確認
お客様が落ち着いたら事実確認を行います。
先ほどの話だけでは分からない部分があれば、こちらから質問して経緯や状況を詳しく聞いていくようにしましょう。
聞き取った内容はメモを取り、整理しておいてください。
解決策の提示
クレームの詳細が理解できたら、適切な解決策を提示します。
早く解決できるに越したことはありませんが、できるかどうかわからないことを提示して履行できなかった場合、二次クレームにつながってしまいます。
その場で判断できない場合はすぐに回答することはせず、電話を折り返しにして確認しましょう。
使える例文・フレーズ
クレーム電話の対応では、お客様はこちらの発する言葉に対して非常に敏感になっています。
何気なく放った気遣いのない言葉が火に油を注ぎ、お客様を逆上させてしまうことがあるかもしれません。
クレーム電話対応では、正しい敬語を使うのはもちろんのこと、言葉の節々にお客様を思いやる気持ちを込めることが何より大切です。
この章では、クレーム電話対応で効果のある例文を紹介します。
共感を示す
「おっしゃることはごもっともです」
「お気持ちお察しします」
クレームの内容全てが正しいとは限りませんが、お話の中で部分的にでも同意できる部分があれば共感を示していきましょう。
ご意見を肯定したり、お客様の気持ちに寄り添うことで、「この担当者なら信頼できる」とお客様が心を開いてくれるきっかけになります。
対象を絞って謝罪する
「ご不快なお気持ちにさせてしまい申し訳ございません」
「ご不便をおかけいたしまして申し訳ございませんでした」
「ご期待にお応えできず、申し訳ございません」
クレーム電話で正当な理由なく全面的に非を認めたり、反射的に謝ってしまったりするのはNGです。悪質なクレーマーの場合は要求がエスカレートしてしまうことがあります。
ただし、全く謝らないのが正解ということではありません。
自社に落ち度がない場合でも「お客様が不便な思いをしている」「期待通りではなかった」ということは事実ですので、謝る対象を明確にして丁寧にお詫びをしましょう。
誠実さを表す
「私が責任を持ってお話をうかがいます」
「責任を持ってしかるべき部署にお伝えいたします」
クレーム電話では、対応する人をなるべく変えないのが鉄則です。
たらい回しにされればお客様は何度も同じ話をしなければならなくなり、イライラを募らせてしまいます。
担当が不在の場合や、上司や責任者を出せと言われた場合には、「自分が責任を持って対応します」ということをきちんと伝え、お客様を安心させましょう。
お待ちいただく
「確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
「上席と相談いたしますので、少々お時間をいただけますでしょうか」
電話で待たされるのは、実際の時間よりかなり長く感じるものです。
保留してお待ちいただく場合や電話を折り返しにする場合は、何のためにお時間をいただくのかを明確にして、お待ちいただけるかを尋ねましょう。
ただ待たされていると「本当に対応してくれているのか」と不安になることもありますが、理由がわかればお客様も納得します。
ご意見をいただいたことに感謝する
「ご指摘いただきありがとうございました」
「貴重なご意見をいただき感謝いたします」
会社へのクレームは、顧客の率直な意見です。クレームの中から課題点や新たなサービスのアイデアが見えてくることがあるかもしれません。
クレーム電話対応の終わりには、お客様が貴重な時間を使って電話をかけてきてくれたことへの感謝を伝えてクローズしましょう。
「Canario(カナリオ)」でクレーム対応を効率化
電話を取ったらクレーム電話だった!という場合、内容が予測できないだけに、とっさに完璧な対応をするのは難しいかもしれません。
担当外の用件であればなおさらです。
けれども、クレームの内容を把握していて、調査や準備をした状態でお客様に折り返すことはそれほど難しくは感じないでしょう。
NECネッツエスアイの電話転送サービス「Canario(カナリオ)」では電話の一次対応をAIで自動化します。
担当者の名指しがある場合は担当者へ電話を転送し、不在の場合はメッセージを預かります。
これなら、不在のスタッフの代わりに担当外のクレームを受けなければならないプレッシャーもありませんね。
不在時のメッセージはテキスト化されるので、クレームの原因を調査し解決策を用意した上でお客様に連絡することもでき、対応が効率化されます。
記事まとめ
クレーム電話の対応手順と円満に解決するためのポイントを解説しました。
電話でクレームを入れてくるお客様は、企業や商品を応援したい気持ちを持っていることがほとんどで、真摯で誠実な対応が企業のイメージアップにつながることもあります。
クレーム対応を顧客との関係構築の機会として、ぜひ有効に活用してください。