「電話対応は会社の顔」という言葉が示す通り、電話に出た人の対応によって会社のイメージが決定づけられます。
この電話対応での印象は、最初の数分の対応でほぼ決まってしまうのをご存じでしょうか。
本記事では、電話対応の最初で相手に好印象を与えるためのポイントを解説します。
電話対応において最初の印象が大切な理由
電話対応では最初の数分で、相手に与える印象が決まると言われています。
会社や個人に対するイメージが、この短い時間で大きく左右されてしまうのです。
電話対応ではお互いに顔が見えないため、相手の受ける印象とは、ほぼ話し方や声のトーンによるものです。
最初の対応で良い印象を与えることができれば、その後のやり取りが円滑に進み、相手との信頼関係を築くことができます。
そのため、電話対応を行う際は、特に最初の部分でホスピタリティのある対応を行うことが重要なのです。
電話対応の最初の印象を良くするコツ
電話対応での第一印象はごく短い時間で決まってしまいますが、一度決まった第一印象を覆すには長い時間がかかります。
つまり、電話対応の最初のふるまいには特に気をつける必要があるということです。
とはいえ、難しいテクニックは必要ありません。基本的なマナーを守り、丁寧な態度で接するだけで、相手に良い印象を与えることは可能です。
この章では、電話対応で最初の印象を良くするための具体的な方法を紹介します。
電話対応の最初の挨拶は明るくハキハキと
電話を受けた際の第一声は最も大切です。
「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇 佐藤でございます」と、明るくハキハキと名乗りましょう。
社名・名前がはっきりと聞き取れるよう堂々と名乗ることで相手に安心感を与え、信頼感を築くことができます。
聞き手としての姿勢を保つ
電話対応の最初では、相手の話を丁寧に聞く姿勢が重要です。
中には、途中で話を遮られると不快になる方もいらっしゃいます。
相手の話に誤りがあったり、聞き返したいことがあったりしても、まずは最後まで聞くことに徹し、相手が話し終わるのを待ってから返答するようにしましょう。
ビジネスにふさわしい言葉遣いで対応する
電話は声のみのコミュニケーションのため、特に相手の言葉遣いが気になりがちです。
正しい敬語を使うのはもちろん大切ですが、普段の会話での口癖が出てしまわないように注意しましょう。
例えば、ビジネスの電話対応では以下のような言葉遣いはNGです。
- 「あのー」「えっとぉ」「まあ」などの余分な言葉
- 「はいはい」「ええ、ええ」など、同じあいづちを繰り返す
- 「ありがとうございまーす」「外出しておりましてー」など、語尾を伸ばす
受電対応の基本マナー
会社の電話対応で最も多いのが、担当者への取り次ぎではないでしょうか。
取り次ぎの場合、相手と接する時間は非常に短いですが、全ての流れがスムーズに行われれば顧客満足度が向上します。
ここでは、電話を受けるときの一般的なマナーを解説します。
会社によってやり方が異なる場合もありますので、必ず自社の電話対応マニュアルも確認しておきましょう。
3コール以内に電話を取る
電話が鳴ったら、なるべく3コール以内に取りましょう。
1コールが約3秒ですので、3コールは約10秒ほどです。
呼び出し音をこれ以上聞いていると、相手は「待たされた」と感じることが多いのです。
応答までに3コール以上かかってしまったら、第一声に「お待たせいたしました」と一言お詫びの言葉を添えるのが良いでしょう。
自分の社名・名前を名乗る
電話に出た方がまず、社名と名前を名乗ります。
「お電話ありがとうございます。株式会社○○ 中田でございます」
「いつもお世話になっております。〇〇株式会社 営業部の佐藤でございます」
名乗るときの文言は会社や部署で決まっている場合がありますので、自社の言い方を確認しておきましょう。
相手の社名・名前を復唱し、メモを取る
続いて、電話の相手が社名や名前を名乗ります。
相手の社名や名前を間違うことは大変失礼にあたります。
また、名前を勘違いしたまま処理を進めるとトラブルの元にもなりますので、名前を聞いたらすぐに復唱して確認し、メモを取っておきましょう。
担当者に取り次ぐ
担当者の指定がある場合は、その担当者の在席状況を確認し、電話を取り次ぎます。
取り次ぐ際はいきなり電話を転送せず、必ず先に用件を伝えて了承を得てから転送しましょう。
また、電話の相手には「お繋ぎいたしますので少々お待ちください」と、電話を転送する旨を一言伝えてから保留ボタンや転送ボタンを押してください。
担当者不在の場合は戻り時間を伝える
担当者が不在の場合は、相手に不在の理由と戻り予定の時間を伝えます。
「申し訳ございません。鈴木は本日外出しております。16時頃に戻る予定です」
「あいにく佐藤は出張しており、本日は社に戻りません。明日は出社の予定です」
担当者の戻り時間を明らかにすることによって、相手は
「その時間には会社にいるから折り返し電話がほしい」
「メールで資料を送るので、今週中に確認しておいてほしい」
など、今後の対応を決めることができます。
相手より後に電話を切る
電話対応では、最初に電話をかけてきた方が先に切るのがマナーです。
電話を受けた場合は、相手が電話を切るのを待ってから受話器を置きましょう。
相手がなかなか切らない場合は、「失礼いたします」と一言伝えてから静かに電話を切ります。
伝言メモを作成する
電話対応を終えたら、用件を担当者に伝えるための伝言メモを作成します。
伝言メモに書くべき内容は、次の通りです。
- 電話を受けた日時
- 電話を受けた人の名前
- 相手の会社名・名前
- 用件
- 今後の対応(折り返し・相手から再連絡など)
また、伝言メモは、迅速かつ確実に担当者に届ける必要があります。
担当者がすぐに戻らない場合や急ぎの用件の場合は、外出先でも確認できるメールやチャットを活用すると良いでしょう。
記事まとめ
- 電話対応での第一印象が会社のブランドイメージを左右する
- 電話対応の印象は最初の数分の対応で決まる
- 電話で好印象を与えるには、明るい挨拶や聞く態度・言葉遣いが重要
電話対応でお客様と接するのがほんの数分の取り次ぎのみだったとしても、丁寧かつスムーズな対応で顧客満足度を向上させることができるのです。
毎日の仕事で電話対応を行っている方は、最初の対応を特に意識して電話を受けてみてください。