本記事は一般的な取組みについて記載したもので、NECネッツエスアイでの取組みを紹介したものではありません。予めご了承ください。
ビジネスでは、正確でスピーディな対応が求められています。
しかし、「緊張してうまく対応できない」「どう対応すればよいか判断できない」といった悩みから、電話対応が苦手になってしまう方も少なくありません。
電話対応は一見、その場での臨機応変な対応を求められているようですが、ビジネスの電話のおおまかな流れはだいたい決まっていますから、フローチャートで可視化することが可能です。
フローチャートでは全体の流れが一目でわかるので、電話対応中に困ったときも見ながら対応できて便利。
電話マナーの研修や対応マニュアルには、フローチャートを活用されることをぜひおすすめします。
フローチャートを作るメリット
企業で電話対応のフローチャートを作成するメリットを紹介します。
手順をテンプレート化できる
電話対応では、相手に聞くべきことや、こちらから案内すべきことが決まっています。
けれども、会話の流れに任せていると、その順番で話が進まないこともありますね。
場当たり的に対応していると、確認すべきことを聞き漏らしたり、同じことを何度も言わせて二度手間になってしまったりといったことが起こりやすくなります。
フローチャートを作成して手順通りに会話を進めるようにすると、ミスや対応漏れを防ぎ、効率の良い対応が可能になります。
対応品質の平準化
会社としては、電話に出る人によって対応品質に差が出ることは避けたいものです。
また、「あの人はやってくれたけど、別の人には断られた」といった、担当者間での判断のブレはクレームの元になります。
フローチャートを作成すると、応対者のスキルによる品質の差を埋め、会社としての対応方針を明確化することができます。
教育・研修時間の短縮
スタッフが入社するたびに行う電話対応研修が負担になっているという職場も珍しくありません。
電話対応マニュアルやフローチャートがあれば、基本の部分は自習で学ぶことができ、研修の時間が短縮できます。
実務をスタートした後も、わからないことがあればいつでもマニュアルで復習できるため安心です。
【基本】電話の受け方フローチャートとポイント
それでは早速、電話を受けたときの基本的な流れをフローチャート化してみましょう。
- 電話を取って、会社名・名前を名乗る
- 相手が名乗ったら復唱する
- 用件を聞く
- 担当者の名指しがあったら、在席状況を確認して取り次ぐ
- 担当者がいない場合は伝言を承る
- 折り返しの連絡先を聞く
- 相手の名前・連絡先・用件を復唱する
- 自分の名前をもう一度名乗る
- 相手が切るのを待ってから電話を切る
- 担当者への伝言メモを作成する
対応ポイントは次の通りです。
最初にこちらが名乗る
ビジネスでは、電話を取ったらまず受けた側が名乗ります。
これは、最初に正しい番号に繋がっていることを確認することで、間違い電話と気づかず話が進んでしまうのを避けるためです。
相手の社名・名前は復唱する
電話の相手の名前を間違えたり、電話が終わった後で相手の名前がわからなくなってしまっては重大な損失に繋がります。
相手が名乗ったら、すぐに社名と名前を復唱して確認しましょう。
担当者への取り次ぎ
自分以外の担当者への電話は、担当者が電話に出られるかどうかを確認してから取り次ぎを行います。
社内にいても取り込み中で電話に出られない場合もありますので、一方的に電話を押し付けるのではなく、必ず担当者の都合を聞いてから取り次ぎを行いましょう。
不在対応
担当者がいない場合は、不在であることを相手に伝え、この後の対応について希望を伺います。
ビジネスの電話対応では、次のような対応をすることが多いです。
- 担当者から折り返し電話する
- 伝言を聞いて担当者に伝える
- メールなど他の連絡手段を使う
いずれの場合も、電話をいただいたことは担当者に報告しておきましょう。
最後に自分の名前をもう一度伝える
電話の終わりには、「〇〇(自分の名前)が承りました」と、再度自分の名前を名乗ります。
これは、誰が応対したのかを明らかにすることで、何かあったときに事実確認をしやすくするためです。
相手よりも後に電話を切る
電話では、「かけた方が先に切る」というマナーがあります。
電話をいただいた場合は、相手が切ったことを確認してから受話器を置きましょう。
伝言メモを作成する
担当者が不在だった場合は、電話を終えたら伝言メモを作成します。
伝言メモには以下の内容をわかりやすく記載しましょう。
- 日時
- 応対者
- 電話の相手の社名・名前
- 用件
- 今後の対応方法
【応用】クレーム対応のフローチャート
対応の難しいクレーム電話も、フローチャート化すれば、やるべきことを明確にすることができます。
- クレームを受ける
- まずはお詫びをする
- 内容を把握する
- 対応方法を判断する
- 解決策を提案する
最初のお詫び
クレームを受けた場合、相手は苦情を言ってきているので、まずは謝る必要があります。
ただし、まだ事実確認ができていない時点で全面的にこちらの非を認めてしまうと問題が大きくなりかねません。
この時点では、「ご不便をおかけしまして申し訳ございませんでした」など、相手に不便な思いをさせたことに対するお詫びにとどめましょう。
内容のヒヤリング
お客様からクレームの詳細をヒヤリングします。
このとき、お客様が主観的な話や事実と異なる話をしていても、話を遮ったり反論したりするとお客様の神経を逆なでしてしまいます。
「さようでございましたか」「大変な思いをされましたね」など、お客様の感情に寄り添う相槌を打ちながら、聞き役に徹しましょう。
対応方法の判断
ヒヤリングが済んだら、対応方法を判断します。
この場で判断できない場合は、無理に結論を出さず、電話を折り返しにして社内で事実確認や検討を行いましょう。
解決策の提案
クレームに対する解決策をお客様に提案します。
解決策は、企業側の都合による一方的な押し付けにならないよう注意が必要です。
お客様にメリットがある内容でも、「それでは、〇〇とさせていただきたいのですが、いかがでしょうか」と、相手の意向をたずね、納得していただいてから進めるようにしましょう。
電話対応をするときに用意しておきたいもの
電話対応を効率よく行うためには、マニュアルやフローチャートのほかに、次のものを手元に用意しておくと安心です。
座席表
同じフロアの担当者の在席状況を確認するのに便利なのが座席表です。
フロアが広い場合や、入社直後で座席を把握できていない場合は、座席表を常にデスクに置いておくと良いでしょう。
担当者の予定表
担当者の不在の理由や戻り時間を確認するためには、予定表を使います。
スケジュールアプリやグループ予定表をすぐに開けるようにしておきましょう。
社内の電話番号一覧
電話を転送するためには、内線番号が必要です。
また、他の部署への電話や、別の支店に勤務している担当者への電話を受けたときに、直接電話を転送できない場合は相手に電話番号を案内する必要があります。
こういった場面でモタモタしているとお客様をイライラさせてしまうこともありますので、社内の電話番号表はいつでも確認できるようにしておきましょう。
伝言メモのテンプレート
不在の担当者への伝言メモを作成する機会は多いので、手順を簡略化できるよう、テンプレートを作成しておくと便利です。
紙の場合は多めに印刷して、電話の脇に置いておきましょう。 パソコンの場合はメールに下書き保存しておいたり、専用フォームを作成してもいいですね。 複雑に思える電話の対応も、フローチャート化すればやるべきことがすぐにわかり、ミスや対応漏れを防ぐことができます。 フローチャート通りに対応すれば判断に迷う場面が減るので、電話対応に苦手意識を持っているスタッフにとっても心強い味方になるはずです。 また、フローチャートによる電話対応の効率化のメリットは、自社だけにとどまりません。 スムーズな対応でお客様の時間を尊重することで、顧客満足度の向上にもつながります。 電話対応の効率・品質向上のために、フローチャートをぜひご活用ください。記事まとめ
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