病院の電話対応では、病気や怪我で不安になっている方からの電話を受けることが多くあります。
このようなケースでは、事務的・機械的な対応ではなく、接遇の心を持った温かみのある対応が求められます。
本記事では、医療事務など病院で働く方に向けて、電話対応で心がけるべきポイントや注意点を解説していきます。
患者さんの不安を和らげ、信頼を築くために、本記事の内容を参考になさってください。
病院・医療機関の電話応対で心がけること
病院へは、さまざまな相手から電話がかかってきます。
医師への直接の用件や薬局からの処方の問い合わせ、時には医療機器メーカー・製薬メーカーの営業から電話がかかってくることもあるでしょう。
その中でも最も多く、かつ対応に配慮が必要なのが、患者さんからの電話です。
患者さんから病院に入電したときの電話対応で心がけるべきポイントを見ていきましょう。
患者さんに寄り添った対応
病院に電話するとき、患者さんは心身に不調をきたし、不安や緊張を抱えた状態であることが多くあります。
病院や医療機関での電話対応では、患者さんの心情を理解し、安心感を与えることが大切です。
患者さんの話に耳を傾け、感情に寄り添った応対を心がけましょう。
明るい声で話す・ゆっくり話す
患者さんの不安を和らげるためにも、病院の電話対応では明るめの声で話しましょう。
また、会話が聞き取れないことは患者さんのストレスになりますので、電話では特にゆっくり、はっきりと話すよう意識してみてください。
言葉遣いに気をつける
病院の電話対応では、正しい敬語を使って礼儀正しく接するのはもちろんのこと、言葉選びも非常に重要です。
症状のために神経質になっている患者さんもいらっしゃいますので、ネガティブなイメージのある言葉を使用する際には細心の注意を払う必要があります。
電話対応で発する言葉の一つ一つについて、この場に適した言い方であるかどうかをよく考えるようにしましょう。
必要な情報をもれなく確認し、復唱で誤解を防ぐ
患者さんから病院にかかってくる電話で多い用件は、受診の相談や予約・変更・キャンセルなど、診察に関するものです。
電話対応の際には、患者さんのお名前、診察券の番号、具体的な症状や発症時期、希望の受診日時などを正確にヒヤリングする必要があります。
聞いた内容は都度復唱し、聞き間違いや誤解がないか確認しましょう。
症状の説明には患者さんの言葉をそのまま使用する
特に症状に関しては、患者さんが使った言葉をそのまま復唱し、記録するようにしてください。
例えば「頭がガンガン痛い」と言われたら、「頭がガンガン痛むのですね」という具合です。
自分の判断で言い換えたり正式な名称に置き換えたりすると、ニュアンスが正確に伝わらなくなってしまうことがありますので注意しましょう。
対応内容はすぐに記録する
電話対応でやり取りした内容は、すぐに記録を残しましょう。
これにより、医師や看護師への情報伝達が正確に行われ、患者さんへの適切な対応が可能になります。
新規の予約や変更・キャンセルの連絡を受けた場合は、ダブルブッキングなどのトラブルを防ぐために、速やかに予約管理表に記入してください。
相手を思いやる言葉を添える
電話対応の最後には、患者さんをいたわる言葉を添えましょう。
「お大事になさってください」「お気をつけてお越しください」など、気遣いを示す一言で締めくくると、親しみやすい病院という印象を与え、患者さんが来院しやすくなります。
病院の電話対応における注意点
患者さんとの電話対応には、いくつか注意点もあります。
これらを理解し、適切な対応を心がけましょう。
患者さんの個人情報を守る
電話対応では、患者さんの個人情報を厳守しましょう。
プライバシーの保護は、医療機関としての信頼に直結します。
患者さんの名前や連絡先はもちろんのこと、症状や処方内容、健診結果などの情報に関しても、部外者が知ることのないように配慮が必要です。
緊急時は迅速な対応を
救急の際は、迅速かつ冷静に対応しましょう。
救急外来を行っていない病院であっても、至急措置を要する状態の患者さんから連絡が入ることがあるかもしれません。
緊急性の高い電話を受けた場合には、正確な情報を速やかに関係各所に連携しましょう。
判断できない内容の場合は担当者の指示を仰ぐ
患者さんは、医師・看護師・医療事務など病院で勤務する人はすべて等しく医療に関する知識や権限を持っていると思っていることも少なくありません。
このため、電話に出た人に症状や処方に関する相談をする患者さんもいます。
専門知識が必要な内容や責任者の承認が必要な用件など、自分で判断できない場合は担当者に伝達し、指示を仰ぐ必要があります。
なお、担当医師が診察中ですぐに確認できない場合には、病院から折り返し連絡をするようにしましょう。
対応品質を向上させるために電話対応マニュアルを作成しよう
電話対応のスキルや電話口での印象は、対応するスタッフによってばらつきが生じてしまいます。
特に「電話対応で人によって言うことが違う」というのは、どの現場でも顧客の信頼を損ねてしまう原因となります。
誰が電話に出ても一貫性のある対応ができるようにするには、電話対応マニュアルを作成するのが有効です。
頻繁に質問される内容への回答や、緊急時の情報連携先などはいつでも確認できるようにしておきましょう。
患者さんを待たせない電話対応サービス「Canario(カナリオ)」もおすすめ
電話対応の場合も同様で、「なかなか繋がらない」「いつも電話に出ない」は患者さんの不満の元になります。
とはいえ、病院スタッフが通常業務と並行して電話対応を行う場合、時には手が空いておらず、どうしても電話が取れないこともあるかもしれません。
そのような場合に活躍するのが、NECネッツエスアイの電話対応サービス「Canario(カナリオ)」です。
Canarioでは、
- 着信に自動で応答
- 担当者名を音声認識して自動転送
- 伝言の自動受付・テキスト化
といったことが可能。
病院スタッフが電話に出られないときや営業時間外でもかかってきた電話を逃さず、伝言受付してテキストメッセージでお知らせしてくれるので、用件を後追い確認して適切な対応を行うことができます。
記事まとめ
今回は、病院・医療機関で勤務する方に向け、患者さんに対して事務的になりすぎない電話対応の仕方や注意点を解説しました。
病院に電話してくる患者さんの状況や精神状態はさまざまです。
来院時のトラブルを防ぐために電話対応での正確性が求められる一方で、患者さんはもとより、働く人にとってもストレスにならないような環境が必要なのは言うまでもありません。
病院スタッフの電話対応業務負荷を軽減できる電話対応サービス「Canario」の詳細やトライアルをご希望の場合は、ぜひお気軽にNECネッツエスアイへお問い合わせください。