電話対応はオフィスや店舗における基本業務の一つとされていますが、向き不向きのある業務でもあります。
このため、「他の業務の能力は高いのに、電話対応だけできない人」がいるのも事実です。
本記事では、電話対応ができない人の特徴とタイプ別の克服方法を解説します。
電話対応研修を担当される方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
電話対応ができない人の特徴
できないことを克服するには、まず苦手な原因や理由を探るのが早道です。
電話対応ができないのはなぜなのか、特徴から見てみましょう。
特徴①緊張してうまく話せない
緊張しやすい人は、電話対応が苦手な傾向があります。
対面のコミュニケーションでは表情やジェスチャーで補うことができますが、電話対応時は声だけで意思疎通をしなければなりません。
もともと緊張しやすい人や、人と話すのが苦手な人は、「うまく話さなければ」「噛んでしまったらどうしよう」と気負ってしまうあまり、余計にうまく喋れなくなるという悪循環に陥ります。
特徴②相手の話を理解できていない
会社の電話対応では、自分に無関係な電話も取らなければなりません。
担当外の問い合わせを受けることもあるでしょう。
電話対応時に相手の話をきちんと理解できていないと、的外れな回答をしたり誤った処理をしてしまったりと、思わぬトラブルを招いてしまうことがあります。
特徴③対応方法がわからない
他の社員への電話で、なおかつ当人が不在だったりすると、どのような対応が必要かをその場で判断しなければならなくなります。
何度も同じ状況を経験していればコツがわかってきますが、電話対応に不慣れなうちは対応方法がわからず戸惑ってしまうこともあるでしょう。
特徴④電話機の操作に不安がある
最近では固定電話を使ったことがない・操作できないという人も珍しくありません。
また、転送や内線通話はビジネスフォンの特徴的機能で、家庭用の電話機ではほとんど見かけないものです。
操作を理解しないまま電話に出てしまうと、転送に失敗して電話を切ってしまったり、関係ない人に電話を繋いでしまったりといったアクシデントの元になります。
特徴⑤電話対応で失敗したことがある
会社にとって大切なお客様との電話で、「操作を間違って電話が切れてしまった」「誤った敬語を使い、恥ずかしい思いをした」「見当違いな回答をしてしまった」などの失敗が原因で、電話対応が苦手になってしまうことも少なくありません。
相手を怒らせたり、大きなトラブルになったりしたわけではなくても、「また失敗したらどうしよう」という不安から電話に出ること自体が怖くなってしまこともあります。
特徴・タイプ別の克服方法
電話対応ができない人には、それぞれ原因となる性格や、苦手となったきっかけがあることが分かりました。
それぞれの特徴やタイプ別に、対策や克服方法を見ていきましょう。
緊張してしまう人
緊張しやすい特徴のある人は、まず「しゃべらなければ」と思うのをやめることが有効です。
仕事の電話対応では、自分が率先してしゃべる必要も、会話を盛り上げる必要もありません。
それよりも大切なのは、聞き上手になることです。
会社や店舗に電話をかけてくる人は、そもそも用事や目的がある人ばかりですから、相手の話に耳を傾けることに注力しましょう。
話の要点を理解できない人
電話の用件を的確に把握することができない特徴のある人には、
- そもそも相手の話を聞けていない
- 聞いた内容を理解できない
の2つのパターンがあります。
電話の内容をきちんと理解するために必要なのは、まず会話に集中すること。
そして、わからない部分があったら聞き返したり、「それは〇〇ということでしょうか?」と都度確認しながら聞く方法が有効です。
また、話の内容を理解し、整理するのに役立つのがメモです。
どんなに集中して聞いていても、相手の話し方が要領を得ていなければ要点を把握するのは難しくなります。
話が飛んだり、余談が入ったり、時系列が前後する場合もありますので、電話中は必ずメモを取っておきましょう。
自分でメモに残しておけば、後からメモを見直して整理することができます。
対応で戸惑ってしまう人
電話対応で「次にどのような対応をすれば良いのかわからなくなる」「その場で適切な判断ができない」という特徴がある人の場合は、対応手順を整理するのがおすすめです。
オフィスの電話対応では、基本的な流れはほぼ決まっていると言っても過言ではありません。
対応手順をフローチャート化して電話対応時に手元に置いておけば、いつでも確認できるので安心です。
さらに、電話対応時によく使うフレーズも書いておくと、言葉に詰まることもなくなるでしょう。
電話機を使い慣れていない人
ビジネスフォンを使い慣れていない人は、まず操作を学ぶことから始めましょう。
とはいえ、すべての操作を熟知する必要はなく、普段よく使う保留・転送などがスムーズにできれば十分です。
ビジネスフォンを使って電話対応をする場合、必ず最初にマニュアルを確認し、操作の練習をしておくのが良いでしょう。
失敗するのが怖い人
電話対応で失敗するのが怖くて電話に出られない人の場合、「失敗してもいい」と発想を転換すれば克服できます。
もちろん失敗しないにこしたことはありませんが、電話での失敗のほとんどは修復可能だからです。
例えば操作を間違って電話を途中で切ってしまった場合、相手がまだ話したいことがあればかけ直してくれます。番号がわかればこちらからかけ直すこともできます。
正しい敬語が使えればベストですが、咄嗟に発した敬語が間違っていたからといって激怒する人は少ないはずです。
問い合わせに対しては、その場ですぐに回答する必要はありません。よくわからない場合は時間をとって確認してから回答すれば良いのです。
こうして考え方を少し変えてみるだけでも、電話対応の苦手意識が薄れることでしょう。
「できない人」を「できる人」にするためには
電話対応マナーを教える立場の方にとって、電話対応ができない人をどうやってスキルアップさせるかは悩みの種ですね。
電話嫌いが直らないまま電話対応の実務経験を積ませることは、本人のストレスとなるだけです。
この章では、電話対応ができない人をできる人に変えるためのトレーニング方法について考えてみましょう。
電話対応マニュアルを整備する
電話対応業務は、定型的な部分が多いという特徴があります。
このため、研修にはマニュアルを用意するのがおすすめです。
また、会社ごとに細かいルールがある場合、研修で伝え漏れないようマニュアルに整理しておくのがよいでしょう。
マニュアルを作成することは、全社的な対応品質の標準化にも繋がります。
電話対応メモのテンプレートを作る
他の担当者宛の電話を受けた場合に伝言すべき内容には、主に次のようなものがあります。
- 日時
- 応対者の名前
- 相手の社名、名前
- 用件
- 必要な対応(折り返しなど)
これらの情報が欠けていると、伝言を受け取った担当者が適切な対応を行うことができなくなってしまいますね。
電話対応で最低限聞くべき内容を漏らさないためには、それぞれの記入欄を設けた伝言メモのテンプレートを作成し、会話しながら埋めていってもらうのが良いでしょう。
社内でロールプレイングを行う
電話対応の手順を学び、電話機の操作を確認しても、最初から上手くできる人は稀です。
いきなりお客様対応に入るのではなく、社員と顧客の役に分かれてロールプレイングを行い、実際の対応の流れを体験しておきましょう。
また、取り次ぎの練習では実際に電話機を操作し、保留・解除・転送を行ってみてください。
社員と顧客の両方を経験することで、顧客側にならなければわからない点にも気づくことができるでしょう。
対応内容のフィードバックを行う
電話対応の品質や内容について、自分の対応が良かったのかどうかはわかりづらいものです。
「今の対応で良かったのかな」「不快な印象を与えていないだろうか」と不安になってしまうこともありますね。
ロールプレイングや実際の電話対応を行った後は、内容についてフィードバックを行ったり、グループで意見交換を行ったりして、良かった点や改善点を明らかにしましょう。
自動取次サービスを使えば電話対応の不安はゼロに
電話対応は教育や練習によってスキルアップが可能ですが、電話対応ができない人にとって、電話に出ること自体がストレスになる場合があります。
また、会社としても電話対応ができない人に対応を任せておくのは不安かもしれません。
そのような場合におすすめなのが、NECネッツエスアイのCanario(カナリオ)です。
Canario(カナリオ)は電話の一次対応を代行し、名前を聞いて取り次いだり、伝言をテキスト化してくれるオフィス電話サービスです。
電話の有人対応が不要になるため、電話を気にせず外出やテレワークが可能。
セールス電話への自動対応や営業時間外の電話番も可能で、電話業務の課題をワンサービスで解決する画期的なサービスです。
できないこと・苦手なことをシステムに任せられるから、電話対応ができない人も自分の得意分野で本領発揮できますよ。
記事まとめ
本記事では、電話対応ができない人の特徴と、苦手を克服する方法を紹介しました。
電話対応を代行してくれるサービスが登場した現代においては、苦手な部分はシステムに任せて得意な業務に注力するという選択肢もあります。
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