本記事は一般的な取組みについて記載したもので、NECネッツエスアイでの取組みを紹介したものではありません。予めご了承ください。
1人1台の携帯電話が当たり前になっても、会社の固定電話にかかってくる電話はなくなりません。
代表電話や部署の電話には、担当者指名のある電話以外にも、一般的な問い合わせや、担当者不明の用件、営業電話などもかかってきます。
電話受付を始めたばかりの頃は、そのすべてに完璧な対応をすることは到底無理と思うのも仕方のないことです。
しかし、電話対応は慣れが全てです。
電話の受付に漠然と不安や苦手意識を抱えているよりも、苦手な理由や困難なポイントがはっきりすると対策もしやすくなります。
この記事では、電話受付が困難と感じる主な理由や避けるべきNG対応をポイント別に解説し、電話対応スキルの向上をサポートします。
電話受付対応が難しい理由
会社の電話受付には難しいと感じるポイントがいくつもありますが、ほとんどは電話対応の経験を積んで慣れることで克服できるものです。
最初は難しくても、落ち着いて対応経験を積み上げていきましょう。
誰からかかってくるかわからない
携帯電話や家にかけてくる相手は知り合いであることがほとんどで、番号通知で誰からの電話か知ることもできますが、会社の電話受付ではいつどんな相手からかかってくるかわかりません。
企業である以上、クレーム電話がかかってくることもあります。
受話器を取った瞬間に怒鳴られることもないとは言い切れないと考えると、電話に出る前から不安になってしまうのも不思議はありません。
この点については、しばらく電話受付を続けていると、いつもかかってくる相手がわかってくるのでかなり楽になるはずです。
顔が見えない相手と話さなければならない
誰でも初対面の相手との会話は緊張するものです。
特に電話の場合は顔が見えないため、相手の表情を読むことができずコミュニケーションが取りづらいと感じることもあります。
しかし、会社にかかってくる電話の場合、相手は仕事で用事があってかけてきていますから、目的さえ達せらればそれで良いのです。
電話受付では、雑談や気の利いた会話は特に求められていません。そう考えると、多少気が楽になるのではないでしょうか。
取次や伝言が発生する
最近では、取引先から担当者の携帯電話に直接電話がかかってくることも珍しくありませんが、担当者の携帯電話を知らない相手の場合は電話の取次や伝言が発生します。
このとき、相手の会社名や名前を聞き間違えたり、用件を聞き漏らしてしまったりすると、取り次がれた担当者は適切な対応ができなくなってしまうので、電話受付者の責任は重大といえます。
とはいえ、取次や伝言はパターンが決まっており、大きく外れることはめったにありませんので、流れを覚えてしまえば容易に対応できるようになります。
状況に応じた判断が苦手
電話の受付業務には、取次や不在時の対応などさまざまなケースがあり、状況に応じて臨機応変な対応が求められます。
慣れるまでは余裕がなく、落ち着いてベストな対応を行うことは難しいものです。
電話受付の対応は経験がものを言いますので、とにかく対応本数を積み上げて慣れるしかありません。
敬語や電話マナーに自信がない
電話対応マニュアルを見ると、電話独特の言葉遣いやマナーが載っています。
決まった言い方やパターン別の対応方法を覚えてしまえばそれほど難しいことではないのですが、対面時には使わない言い回しなどが登場するので、慣れるまでは苦戦する方も多いようです。
言葉遣いは何度も口に出しているうちに自然に覚えてしまうので心配はいりません。
受付対応で相手を苛立たせる原因
ビジネスにおける気持ちの良い電話受付の対応とはどんなものでしょうか。
電話をかけてきた相手の気持ちになって考えると、ストレスなく用件を終えられることが一番だとわかるはずです。
電話受付の対応で、お客様に不快感を与えてしまう要因には、以下のようなものがあります。
これさえ気をつければ、電話対応で相手に好印象を与えることは難しくありません。
電話に誰も出ない
相手は「用事がある」「解決したい問題がある」といった理由で電話をかけてきています。
それにもかかわらず電話がつながらないと、目的を達成することができず、モヤモヤしてしまいますよね。
対応できるスタッフがいる場合はなるべく早く電話に出るのはもちろんですが、営業時間外や、回線が一杯で電話がつながらない場合は専用のアナウンスが流れるようにしておくと、つながらない理由が伝わるので安心です。
応対者が暗い
電話受付は「会社の顔」という言葉をよく耳にします。
企業に電話をかけたとき、最初に電話に出た人が会社の印象を決定づけるからです。
このとき、声質にかかわらず、低いトーンでぼそぼそしゃべっていると、会社自体に陰気な印象を持たれてしまいます。
電話受付時は普段よりワントーン高い声でハキハキしゃべるように心がけてみてください。
保留が長い
保留で長く待たされるのもイライラポイントの一つです。
電話では向こうが見えないため、自分のために調べものをしたり担当者を探したりしてくれているのがわかりません。
さらに、保留中はこちらが何を言っても相手には聞こえないため、長いなと思ってもひたすら待つしかないのです。
電話対応のマナーでは、保留時間は30秒以内とされています。
長引く場合は一度保留を解除して状況を伝え、場合によっては電話をかけ直しましょう。
担当をたらい回しにされる
電話受付の人に用件を話したものの、担当ではないと言われて別の部署に回され、また同じ内容を最初から説明しなければならなくなった……。
こうした状況を「たらい回し」と言い、電話受付でもっとも嫌われる対応と言っても過言ではありません。
担当がはっきりしない場合は、相手の連絡先を聞いて折り返し対応とし、正式な担当者を探した上で担当から電話を折り返すのが、相手にも失礼にならず話もスムーズです。
ガチャ切りされた
電話を切るときに受話器を勢いよく置くと、相手には「ガチャン!」という音が聞こえ、「乱暴に電話を切られた」という悪印象を与えてしまいます。
電話は、かけた人が先に切るのを待ってから、静かに切るのがマナーです。
切るときは受話器を直接置くよりも、手で静かにフックスイッチを押して切るのがスマートです。
折り返しや返信の約束が守られない
「受付してくれた人にちゃんと用件を伝えて、連絡先も教えたのに、いつまで経っても担当者から連絡が来ない」という状況は相手を失望させてしまいます。
さらに、原因が「伝言が漏れていた」「担当者が失念していた」などのヒューマンエラーだった場合には、会社の信用を失うことにもなりかねません。
大切なことは復唱して確認することや、担当者に確実に伝わる伝達方法を選択することも、電話受付担当者のスキルになります。
会社の印象をアップさせるビジネス電話受け方マニュアル
ここからは、すぐに実践できて電話対応のレベルアップに直結する電話受付のコツを紹介します。
3コール以内に電話に出る
電話をかけて相手が出なかったとき、あなたは何コールまで待ちますか?
一般的には、人は3コール以上で「長い」と感じ、それ以上になると諦めて電話を切ってしまう人も多いようです。
ビジネスマナー研修などでは、電話は3コール以内に出るよう指導されています。
会社や部署によって「2コール以内」「1コール目」などルールが定められている場合もありますので、所属している組織の電話対応マニュアルもあわせて確認してみてください。
電話受付は静かな場所で
電話受付をしている場所がうるさいと、電話の声が聞こえにくくなり、正確に聞き取れなかったり、何度も同じことを聞き返さなければならなくなったりします。
さらに、電話対応している後ろで社員同士の雑談が聞こえるのはあまり印象の良いものではありません。
オフィスで仕事をしている限り、多少ガヤガヤしているのは仕方がない部分もありますが、電話対応をしているときは少し静かにしてもらえるよう周りに協力を仰ぎましょう。
メモを準備して聞く
電話受付では、相手の社名や名前などの固有名詞を聞き取らなければなりません。
また、用件には業界用語や専門用語が出てくる場合もあり、担当者への伝言を記憶力に頼るのは危険です。
電話の受付を行う場所にはメモ用紙を準備しておき、対応中はメモを取りながら聞くようにしましょう。
相手の名前や用件は復唱する
電話受付のミスで多いのが、名前や単語の聞き間違い・書き間違いです。
1回聞いただけで完璧に聞き取れていなかったり、頭ではわかっていても文字を書き間違えることは起こり得ます。
電話で聞いた内容のうち、相手の名前や用件など、間違いが許されない情報は必ず復唱しましょう。
こちらが声に出して復唱することで、間違っていた場合には相手が訂正してくれます。
クッション言葉を使う
電話対応では、相手の希望に応じられずお断りをしなければならないことや、難しいお願いをしなければならないこともあります。
言いづらいことを伝える際には、「クッション言葉」を活用しましょう。
「クッション言葉」とは、その名の通り、クッションのように衝撃を緩和してくれる言葉です。
そのまま言うときつくなってしまうような場合は、クッション言葉を付け加えてみてください。
クッション言葉を使った例文
- 「恐れ入りますが、もうしばらくお待ちいただけますでしょうか」
- 「差し支えなければ、ご連絡先を教えていただけますでしょうか」
- 「申し訳ございませんが、〇〇はただいま外出しております」
- 「よろしければ、伝言をお伺いいたします」
AIが対応する電話転送サービス「Canario(カナリオ)」とは
電話受付は、回数をこなせば必ず上達します。
しかし、覚えなければならないマナーやルールが多いので、会社でもマナー研修のために十分なリソースを割くのが難しく、不安や疑問を抱えたまま電話受付の実務に入らなければならなくなるケースもあるかもしれません。
電話の受付・対応のリソース不足にお悩みの企業様にぜひおすすめしたいのが、NECネッツエスアイの電話対応サービス「Canario(カナリオ)」です。
AIが御社の電話受付窓口となり、お客様の声を音声認識して、指名された担当者へ電話を転送します。
担当者が不明の場合は組織単位で一斉架電したり、不在の担当者の代わりに伝言を受け、文字起こしして送信することも可能です。
記事まとめ
電話受付では、かかってくる相手や内容に予測がつかないことや、臨機応変な判断が求められること、細かいマナー存在することなどが苦手意識の元になっているようです。
ですが、電話受付ではすべてを完璧にこなせなくても、「相手を不快にさせることはしない」という気遣いさえあれば問題ありません。
この記事で紹介した受付のコツや対応時の心構えをマスターして、電話の受付対応スキル向上に役立ててください。
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