電話対応は会社の仕事の中でもっとも基本的な業務と考えられているものですが、完璧に対応するにはスキルや経験が必要です。
電話対応に慣れない新人の教育に苦労されている教育担当の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、電話対応をスキルアップさせるためのポイントについて解説しています。
これから電話対応を始める方や、教育・研修を担当されている方は、本記事で紹介する内容をぜひ活用してみてください。
社員の電話対応スキルアップはメリット大
電話対応は日常的に発生する業務ですので、高品質かつ効率的な対応を行うことで、会社全体の利益にも繋がります。
社員の電話対応をスキルアップさせることによって、どのようなメリットがあるのかを見てみましょう。
顧客満足度の向上
「電話対応は会社の顔」という言葉がありますね。
お客様が企業に電話をかけたとき、最初に応対した人の印象が会社のイメージを左右すると言われているほど、電話対応における印象は企業にとって重要なものなのです。
電話対応でお客様の要望をスムーズに満たすことによって、企業のイメージアップに繋がり、顧客満足度を向上させることができます。
電話対応業務の効率化
社員に携帯電話が貸与されていたとしても、企業や部署の代表電話には依然として多くの電話がかかってきます。
代表電話対応はオフィスにいる社員が自分の仕事を中断して対応することが多いですが、電話対応に時間がかかってしまうと、自分の業務に影響が出てしまいますね。
また、電話が集中し話中となってしまうと、お客様を待たせてしまうことにもなります。
社員ひとりひとりの電話対応をスキルアップさせ、スムーズに電話対応を行うことで、より多くの電話を捌くことができるようになり、メイン業務のための時間も確保できるようになります。
電話対応が上手い人の特徴とは?スキルアップの方法を紹介
電話対応が得意な人と苦手な人は何が違うのでしょうか?
ここでは、電話対応が上手い人はどのようにしてスキルアップしているのかを紹介します。
これから電話対応を行う方は、これらの方法を参考にスキルアップを心がけてみてください。
ビジネスマナーを身につける
電話対応での言葉遣いやお客様対応時のマナーは、全てのビジネスマナーの基本と言われています。
電話対応をスキルアップさせることは、今後のビジネスにおいても非常に役に立つものです。
新人研修などでもビジネスマナーの基本を学ぶ機会はありますが、本を読んだり、先輩の応対を見て学んだりと、ビジネスにおける振る舞いについて知識を深めておきましょう。
敬語の使い方を学ぶ
敬語の使い方に自信がないと、電話対応で言葉に詰まってしまうことがあります。
敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があるのをご存じでしょうか。
このうち、「丁寧語」は「ですます調」に近いため日常会話でも使う機会が多くありますが、間違いやすいのが「尊敬語」と「謙譲語」の使い分けです。
尊敬語
相手を敬う気持ちを表す言葉で、お客様や目上の方の動作に対して使います。
電話対応では、相手の身分や役職にかかわらず尊敬語を使うのが基本です。
例:「〇〇様のおっしゃる通りでございます」 「明日は何時頃にいらっしゃいますでしょうか」
謙譲語
自分や身内をへりくだる表現で、相手への敬意を表します。
電話対応では、自分だけではなく、自社の社員全てに対して謙譲語を使う点に注意が必要です。
例:「先日お送りいただきました資料を拝見いたしました」 「ご依頼の件、承知いたしました。担当に申し伝えます」
電話機の操作を覚える
会社のデスクに設置されているビジネスフォンは、家庭用電話機に比べて多機能であるのが特徴。
よく使う番号に対して短縮で発信したり、内線を利用して他の席の電話機に電話を転送したりすることができます。
特に電話対応で使う機会が多いのが「転送」ですが、電話機の機種によって操作が異なるため、操作に慣れていないと違う席に転送してしまったり、電話が切れてしまったりといった事が起こりかねません。
電話対応を始める前に電話機のマニュアルを確認し、操作をしっかりと把握しておきましょう。
社員同士で練習する
電話対応や取り次ぎは、ある程度慣れが必要な業務です。
いきなりお客様からの電話に出ようとしても完璧な対応をすることは困難ですので、まずは社員同士でロールプレイングを行い、対応に慣れておくことが必要です。
先輩と新人で社員役とお客様役を交互に行い、電話での受け答えや転送を体験しておくのが良いでしょう。
社内の状況を把握する
電話対応では他の社員への取り次ぎを求められるケースが多いため、社員の顔や名前、座席などを把握することが重要です。
例えば、相手から「営業部の佐藤さんはいらっしゃいますか」と言われた場合、
- オフィスを見渡して、佐藤さんが社内にいるかどうかを確認できる
- 佐藤さんのスケジュールをすぐに確認できる
- 同姓の社員が複数名いた場合、「佐藤は2名おりますが、どちらの佐藤でしょうか?」といった受け答えができる
などです。
新入社員として入社した場合や新しい部署に異動した場合は、まず同じ部署の社員の顔や名前を覚えることから始めましょう。
自社の商品・サービスについて理解する
会社や部署の代表電話対応では、商品やサービスに関する質問を受けることも多いですね。
専門的な内容については担当の社員に取り次ぐのがベストですが、一般的な質問に関しては、「社員なら誰でも知っていて当たり前」と思っているお客様もいらっしゃいます。
メインの商品の名前すら知らない状態では、お客様に不信感を与えてしまうこともありますので、自社の商品やサービスに関する最低限の知識は身に着けておきましょう。
電話の応対に必要なビジネスマナー
電話対応のスキルアップには慣れや経験が必要な部分も大きいですが、電話対応時の心がけ次第で対応品質を向上させることは可能です。
特に、電話対応は音声のみのコミュニケーションであるため、誤解や行き違いが生じやすいというデメリットがあります。
この点に関しては、電話対応スキルに自信がなくても、丁寧な対応を行うことでお客様の満足度を上げることが可能です。
相手の信頼を損なわないためにも、電話対応のビジネスマナーをしっかりと学び、スキルアップに役立てましょう。
明るくハキハキと応対する
電話での第一印象は、声のトーンで決まると言っても過言ではありません。
特に電話機を通すと声がこもって聞こえますので、対面での会話よりもワントーン明るい声で対応しましょう。
敬語を完璧に使えなかったり、緊張して噛んでしまったりしても、ハキハキとした声で明るく対応することでカバーできます。
電話対応の基本手順を把握する
会社や部署で電話の一次対応を行う場合、対応の大まかな手順は次のようになります。
- 電話を取り、まずは自分の社名(部署名)を名乗る
- 相手が名乗る
- 相手が取り次ぎを希望する担当者を名指しする
- 担当者の在席状況を確認する
- 担当者が在席している場合は、電話を取り次ぐ
- 担当者が不在の場合はその旨を伝え、折り返しにする
- 電話の内容をメモにまとめ、担当者に渡す
まずはこの流れを把握しましょう。
基本手順さえわかっていれば、次に何をすれば良いか迷うことはなくなります。
相手の話をよく聞く
相手からかかってきた電話では、相手の用件をきちんと理解することが最重要です。
相手の話を遮ることはせず、まずは相手の話に耳を傾けます。
このとき適度にあいづちを打つことで、「ちゃんと聞いていますよ」という意思表示になります。
適切な質問を返す
相手が話し終えたところで、説明が不十分なところやよく理解できなかったことがあったらこちらから質問を投げかけましょう。
理解が不十分なまま、勝手に判断して処理を進めてしまうとミスやトラブルの元となります。
「〇〇というのはどういう状態でしょうか」
「いつ頃までに必要とされていますか」
など、具体的な内容や期限を確認し、必要な情報を補っていきましょう。
必ずメモを取る
メールやチャットと異なり、電話での会話はエビデンスが残りません。
このため、「言った・言わない」のトラブルが起こりやすいのです。
電話中に相手から聞き取った内容は必ずメモを取り、後で確認できるようにしておきましょう。
記事まとめ
電話対応のスキルアップを行うメリットと、スキルアップのための方法や対応時に必要なビジネスマナーを紹介しました。
ここで紹介した内容を実践すれば、社員の電話対応を確実にスキルアップさせることができるはずです。
けれども、「電話対応が多すぎて仕事が進まない」「外出やテレワークで電話対応できる人員が確保できない」などのお悩みがある場合は、電話の一次対応をお任せできるオフィス向けテレフォニーDXサービス「Canario(カナリオ)」を使うという方法もあります。
「Canario」は社員ひとりひとりの電話対応業務に関する悩みをワンサービスで解決できる画期的なシステムとなっていますので、電話対応でお悩みの企業様はぜひ一度、NECネッツエスアイへご相談ください。