従来、固定電話はビジネスに欠かせないものでしたが、近年は固定電話を廃止する会社も増えています。
固定電話をやめることによって、一体どのような効果があるのでしょうか。
本記事では、固定電話の廃止が企業にもたらすメリット・デメリットを解説していきます。
後半では、固定電話の廃止を検討している企業様に向けて、電話業務を効率化させるサービスを紹介しています。
電話対応業務の負担でお悩みの方にも役立つ内容となっていますので、本記事で紹介するソリューションをぜひ参考になさってください。
固定電話を廃止する会社が増えている背景
企業の固定電話廃止は、新型コロナウイルス感染拡大以降に顕著になりました。
出社制限やテレワーク推進のため、これまで通り「固定電話対応のために社員を出社させる」ということが難しくなったからです。
この時期に、ビジネスチャットやWeb会議ツールの導入が進み、電話がなくても社内・社外の相手とコミュニケーションが取れるようになったことも、固定電話離れが進んだ理由のひとつです。
固定電話廃止による4つのメリット
固定電話廃止による主なメリットには、次の4つが挙げられます。
テレワークを推進できる
固定電話を重視する日本企業では、電話番のための出社がテレワーク推進を阻害していました。
会社にいなければ対応できない固定電話をやめ、携帯電話やメール・チャットに切り替えることで、電話対応を行う内勤の社員もオフィスに縛られる必要がなくなり、在宅勤務やリモートワークが可能になります。
取次業務が不要になる
固定電話は社内の誰宛かわからないため、社員が電話に出て用件を聞き、担当者に取り次ぐ必要がありました。
取次を行う社員は仕事を止めて自分の業務とは関係のない電話に対応し、担当者に転送したり、不在の場合は代わりに伝言を聞いたりしなければなりません。
固定電話を廃止し、担当者と直接連絡を取ることが当たり前になれば、取次業務を行っていた社員がメイン業務に注力することができ、会社全体の生産性向上につながります。
維持コストを削減できる
固定電話の導入には、電話線の開通工事や機器の購入・設置費用がかかります。
導入後は継続的に通話料金が発生する上、装置は劣化するため、定期的なメンテナンスやリプレイスが必要でした。
固定電話は通話品質は高いものの、維持コストは安いとは言えません。
チャットやビデオ通話などインターネット経由の通信手段に変えることで、設備が不要になったり、通信料金が安くなったりと、コストの削減が可能になります。
レイアウト変更や事業拡大・縮小に対応しやすい
固定電話を使用するには配線工事が必要なため、設置場所の変更や電話機の増設には配線の引き直しが必要です。
このため、レイアウト変更を行う場合には業者を呼んで対応してもらわなければなりません。
会社の固定電話を廃止すれば、オフィス内の配線や機器設置は不要になり、席替えやレイアウト変更がしやすくなります。
都度工事を行う必要がなければ、組織変更や事務所移転にも柔軟に対応できるようになるでしょう。
デメリットは?
固定電話の廃止には多くのメリットがある一方で、これまで使っていた代表電話がなくなることによるデメリットがあることも忘れてはなりません。
会社の信頼性が低下する
日本のビジネスでは、固定電話番号が企業の信頼性を担保している風潮があります。
商品やサービスを購入する時、携帯電話番号のみの会社は「実在しているのだろうか」「連絡が取れなくなるかもしれない」といった不安を抱かせるのも事実です。
固定電話を廃止することで、会社の社会的信頼性が低下する可能性は否めません。
法人登記が難しくなる
会社が法人登記を行う際には、固定電話番号を届け出るのが一般的です。
これは、固定電話は番号の変更がなく、長期間使うことが前提となっているからです。
携帯電話でも登録することはできますが、番号変更しなければいけなくなった際の変更手続きには非常に手間がかかります。
担当者不明の用件の連絡先がわからない
担当者が誰かわからない用件や一般的な問い合わせなどは、代表電話番号に電話しますね。
代表番号ならば、用件を伝えれば担当者を調べて取り次いでもらえるからです。
ところが、代表電話を廃止してしまうと、担当者不明の場合に顧客が電話で問い合わせることができなくなります。
また、担当者の携帯電話で直接やり取りをしていると、担当者が休みの時は全く連絡がつかない状態となってしまい、至急の用件が発生した場合に他の社員がフォローすることもできなくなってしまいます。
会社の電話業務を効率化する方法
外部との連絡手段として使っていた固定電話を廃止するなら、代わりに新しい連絡手段が必要です。
「場所に縛られる」「対応に手間がかかる」といった固定電話の弱点を克服し、業務効率化につながるツールを紹介します。
ボイスボット
ボイスボットは、AIを活用した音声通話用の自動会話プログラムです。
チャットボットは相手が入力したテキストの内容を解析して返答を行いますが、その技術を音声通話に応用したものと考えると良いでしょう。
現在のボイスボットは自由会話に対応できるレベルには達していませんが、コールセンターでの申し込み・変更手続き、注文・予約の受付など、定型的な電話業務には十分対応できます。
クラウドPBX
クラウドPBXは、電話交換機をクラウド上に構築した電話システムで、携帯やパソコンなどインターネット機器を内線用の電話機として使用します。
クラウドPBXを導入すると、代表電話への応答や内線転送など、固定電話で行っていたのと同じ処理がインターネット経由でできるようになります。
ネットがあればどこでも使えるため、固定電話のようにオフィスで対応する必要はなく、外出先やテレワークでも会社の電話に応答することが可能です。
電話転送サービス
電話転送サービスは、特定の電話番号への着信を他の電話機に転送するサービスです。
固定電話はオフィスにいなければ対応できませんが、電話転送サービスを利用して代表電話を携帯に転送しておけば、どこにいても対応できるようになります。
固定電話番号を残しておかなければならない場合も、電話転送サービスを利用することによってテレワーク対応が可能となり、場所や時間にとらわれない働き方を実現することができます。
Canario(カナリオ)ならAIが取次と転送に対応!
AIが電話対応を行う電話転送サービス「Canario(カナリオ)」は、電話の取次と転送を自動化できる画期的なサービスです
相手が発話した担当者名をAIが認識して、担当者の携帯へ電話を転送するので、社員はどこにいても携帯で自分宛の電話を受けることができます。
担当者の指定がない場合は組織単位で一斉に電話を呼び出すこともできるので、担当者名がわからない問い合わせの場合にも「誰とも連絡がつかない」といった心配はありません。
記事まとめ
会社の固定電話廃止には、意外に多くのメリットがあることがわかりましたね。
ただし、固定電話をやめた場合に顧客の利便性が失われないよう、ツールなどを導入して補う必要があります。
AIが電話の取次を行うサービスも登場していますので、固定電話の廃止を機に、電話業務の効率化にもぜひ取り組んでみてください。