NTTの固定電話サービスは、2024年の廃止が発表されました。
とはいっても、固定電話で通話ができなくなるわけではありません。しかし回線の種類が変わるため、企業で使っているシステムやサービスにも少なからず影響があります。
本記事では、2024年の固定電話廃止・回線変更において企業が準備しておくべき問題点を解説します。
2024年にアナログ回線とISDN回線のサービスが廃止
そもそも、2024年に固定電話が廃止されるとは、いったいどういうことなのでしょうか。
固定電話の回線にはこれまで、音声をアナログ信号として伝送するアナログ回線と、デジタル信号で伝送するISDN回線の2種類が用いられてきました。
しかし近年、携帯電話の普及やインターネットによる通信手段の発達に伴い、固定電話の契約数は大幅に減少しています。
一方で、固定電話サービスに用いられているPSTN(公衆交換電話網)が老朽化し、2025年頃に維持が困難になると予測されています。
このため、NTTでは2024年にアナログ回線・ISDN回線のサービスを廃止し、IP網へと移行することを発表しました。
今ある固定電話はどうなる?
「2024年に固定電話が廃止されたら使えなくなるのでは?」と不安になっている方もいらっしゃるかもしれませんが、アナログ回線とISDN回線の電話はIP網に移行されます。
IP網とは、ひかり電話などで使用されている回線です。
回線の種類が変わったことで通信料金が変更になったり、電話のオプションサービスが廃止になったりする可能性がありますが、通話サービスは継続して提供されますので、電話が使えなくなる心配はありません。
固定電話の廃止による問題と解決策を解説
アナログ回線とISDN回線の廃止に伴うIP網への変更は回線事業者が行いますので、利用者側では特に手続きは必要ありません。
しかし、ISDN回線の廃止によって、企業などで利用しているシステムやサービスの利用に影響が出る場合があります。
ディジタル通信モードの終了
ディジタル通信モードとは、ISDN回線を利用したデータ転送用の通信モードで、専用端末によるセンター・エンド間の双方向の通信に使用されています。
例えば、
- 小売店のPOSレジ
- 商品の受発注に使用するEDI(電子商取引)
- クレジットカード加盟店に設置されているCAT(信用照会端末)
- G4規格FAX
これらがディジタル通信モードを使用したシステムです。
ISDN回線廃止後は、ディジタル停止モードも廃止になってしまいます。
そこで、企業が取るべき対策は、
- ISDN回線を利用したシステムの洗い出し
- 代替サービスの検討
となります。
ディジタル通信モードのEDIの代替として注目されているのが、インターネット EDI (Electronic Data Interchange)です。
ただし、EDIシステムの切り替え時は、データ通信を行う相手と相談の上、業務に影響が出ないよう計画的に進めなければなりません。
十分なテストを行い慎重に進める必要がありますので、廃止直前になって慌てて取りかかることのないよう、余裕のあるスケジュールで対応しましょう。
電話サービスの仕様変更・提供終了
ISDN回線が終了することで、電話転送サービスの仕様が変更になったり、サービス提供が終了するものがあります。
NTT東日本・NTT西日本のサイトには、IP網移行に伴い変更・終了するサービスと移行後の利用例が掲載されていますので、自社で利用しているサービスを確認し、対策を練っておきましょう。
これを機に会社の固定電話環境を見直そう
企業にとって、長らく使っていた固定電話の仕組みが変わることは滅多にあるものではありません。
これは、業務改善のチャンスでもあります。
この機会に、自社の固定電話環境を見直してみるのも良いでしょう。
固定電話を廃止してコスト削減
固定電話を廃止することには、コスト削減や業務効率化など多くのメリットがあります。
廃止の手続き方法は3通りありますので、自社の目的に合ったものを選択しましょう。
- 一時中断:電話番号と電話加入権を保持し、任意のタイミングで再開できる
- 利用休止:電話加入権を保持するが、電話番号は廃止。再開時は別の番号を取得する
- 解約:電話番号と電話加入権を両方手放す
それぞれの手続きは、NTTのサイトから行うことができます。
取次を自動化する転送サービス「Canario(カナリオ)」
代表電話で社員が電話の取次を行うことは、丁寧な印象を与えるものの、効率が良いとは言えません。
- 固定電話対応のためにオフィスに出社している
- 取次対応が多く社員の業務に影響が出ている
- 外出やテレワークが多く、折り返しまでお客様をお待たせしている
- 電話が集中し、取りこぼしが発生している
- 営業電話の対応で社員が長時間拘束されている
このような電話対応のお悩みは、電話転送サービス「Canario(カナリオ)」ですべて解決できます。
「Canario(カナリオ)」では、自動で電話に応答して名前取次を行うので、社員が対応しなくても自動で取次できます。
担当者の携帯に電話を直接転送するから、外出先やテレワークでも取次が可能。
応答できなかった電話の内容はテキスト化してくれるので、折り返しで対応できます。
社員が一次対応しなくて済むので、営業電話につかまることもありません。
記事まとめ
- 2024年に、現在の固定電話サービス(アナログ/ISDN回線)が廃止され、IP網に移行される
- 固定電話で通話ができなくなるわけではない
- POSなどのISDN回線を使用したデータ通信は利用できなくなるため、会社で対策が必要
2024年の固定電話廃止では、回線の種類が変わるだけで通話サービスは継続されますが、
「そもそも固定電話って必要?」
というところから一度考え直してみてもよいかもしれません。
NECネッツエスアイの「Canario(カナリオ)」を使用すると、固定電話がなくても、スムーズな自動取次が実現します。
トライアルもご用意しておりますので、ぜひこの機会に自動転送を試してみてください。