新型コロナウイルスや政府の働き方改革の推進などを背景に、リモートワークを導入する企業が増えています。
すでに自宅で働く社員の存在が当たり前になっている会社もありますが、オフィスに設置された固定電話の対応に課題を抱えている会社もめずらしくありません。
この課題を解決するために、電話転送サービス・システムの利用が検討されるケースも多いです。
本記事では、電話転送サービス・システムが気になっている人に向けて、概要や利用するメリット・デメリットを紹介します。主な利用方法や目安となる料金も見ていくので役立ててください。
電話転送サービス・システムとは
電話転送サービス・システムとは、会社などに設置した固定電話宛ての着信をあらかじめ登録した番号へ転送できるものです。
社員が外出することが多い会社などでは、固定電話の近くに対応者がいない場合でも別の番号へ転送されるため取りこぼしを防止できるなどのメリットを感じられます。
転送先として登録できる番号はひとつだけとされている電話転送サービス・システムもありますが、なかには複数の登録が可能な場合もあります。
また、転送方法にもいくつかの種類があり、状況に応じて選択できることも電話転送サービス・システムの特長です。
主な転送方法は5種類ある
電話転送サービス・システムの一般的な転送方法は、全部で5つあります。下表に転送方法とその内容をまとめたので、確認してみましょう。
無条件転送 | かかってきた電話すべてを転送する |
---|---|
無応答転送 | かかってきた電話に出られないときに転送する |
圏外転送 | 圏外にいるときや、電源が切ってある場合に電話を転送する |
通話中転送 | 通話中に他の相手からかかってきた電話を転送する |
選択転送 | かかってきた電話を手動で転送する |
電話転送サービス・システムを利用するメリットを解説
電話転送サービス・システムを利用すれば、電話番を用意しなくてすんだり、電話の取りこぼしを防止できたりなどのメリットがあります。
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
店舗やオフィスに電話番を用意しなくてすむ
電話転送サービス・システムを利用すれば、店舗やオフィスに設置した固定電話宛ての着信を別の番号へ転送することが可能です。
例えば、転送先の番号を社員が持ち歩く携帯電話に設定すれば、店舗やオフィスに電話番を用意しなくてすむでしょう。
電話対応のために社員を店舗やオフィスに常駐させなくてすむため、営業などのコア業務に専念してもらうこともできます。
リモートワークの推進にも役立つでしょう。
電話の取りこぼしを防止できる
電話転送システム・サービスを利用すれば、着信を受けやすい番号に電話が集まります。
結果、電話の取りこぼしの防止につながります。
ビジネスでは電話の取りこぼしがビジネスチャンスを取り逃すことにつながりかねません。
電話転送システム・サービスを利用したことで、新たなビジネスチャンスを獲得できる可能性もあるでしょう。
電話転送サービス・システムの導入前に確認したいデメリット
電話転送サービス・システムにはいろいろなメリットがある一方で、導入前に確認しておきたいデメリットも存在します。
電話をとれなくても通話料がかかる
利用する電話転送サービス・システムにもよりますが、一般的には転送先の番号で着信に対応できなかった場合でも、通話料がかかってしまいます。
このため、転送先で着信に対応できないことが多くなれば、その分、通話料が高くついてしまうでしょう。
着信に高確率で対応できる番号を転送先に設定する、複数の番号を同時に呼び出せるCanario(カナリオ)を利用するなどの対策が必要です。
転送先に設定された番号の対応者に負担がかかる
電話転送サービス・システムの多くは、特定の番号を転送先として登録します。
登録できる番号の数は電話転送サービス・システムによって異なりますが、ひとつだけとしている場合もめずらしくありません。
そうなれば、転送先に設定された対応者にばかり電話対応の負担がかかってしまう可能性があります。
転送される着信の数にもよりますが、特定の人の負担が重くならないように時間制で交代するなどの対策を検討するする必要があるでしょう。
主な利用方法
電話転送の主な利用方法は、全部で5つあります。それぞれの特長を一緒に確認していきましょう。
電話転送サービスを利用する
電話転送サービスとは、キャリアなどが提供しているサービスです。
店舗やオフィスに設置した固定電話宛ての着信を、別の番号にとばすことができます。
転送の方法がいくつか用意されていることが一般的で、転送時に通話料が発生します。
電話機で設定する
ビジネスフォンなどの電話機であれば、機械自体に転送機能が搭載されています。
転送機能が搭載されている場合は、電話交換機の範囲内で着信の転送が可能です。
ただし、電話交換機の範囲外における着信の転送はできません。
したがって、外出中の社員が持つ携帯電話へ着信をとばす、といった使い方はできないため注意が必要です。
IP電話を使う
インターネット回線を利用したIP電話で、電話転送機能を使う方法もあります。
固定電話と比べると通話料が安い傾向にある一方で、通話品質がインターネット環境に左右される特徴があります。
また、IP電話はすべての回線に対応しているわけではありません。
すでに契約している回線がある場合は、IP電話に対応しているか確認する必要があります。
クラウドPBXを利用する
クラウドPBXとは、クラウド上にPBX(電話交換機)を置いたシステムのことです。
電話交換機はインターネット上にあるだけで、物理的には存在しません。
このため、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも電話をとることができます。
逆にいえばインターネット環境がなければ、クラウドPBXを通じて自分宛ての着信をとることができないため注意が必要です。
電話転送アプリを使う
電話転送専用のアプリを利用する方法も有効です。
スマートフォンにアプリをインストールすることで、着信をとばすことができます。
アプリにはいろいろな種類があるので、使用状況にあうものを見定めることが大切です。
利用料金の目安
導入する電話転送サービス・システムによって、利用料金は異なります。
例えば、電話転送機能が標準サービスとして組み込まれているキャリアであれば、利用料金は無料です。
ただし、着信を転送する際に通話料がかかってきます。
電話転送専用のサービス・システムを利用する場合は、初期費用と月額料金の支払いが必要になるケースが多いです。
数万円~数十万円かかるケースもありますが、転送先の番号の数や利用できる機能などによって利用料金は異なるので詳しくは電話転送サービス・システムを提供している企業に確認することをおすすめします。
まとめ
別の番号へ着信をとばせる電話転送サービス・システムを利用すれば、電話番を用意しなくてすんだり、取りこぼしを防止できたりなどのメリットがあります。
一方で転送先で電話をとれなくても通話料がかかってしまったり、特定の人に負担が重くのしかかったりするなどのデメリットもあります。
これらの問題を解消するためには、複数の番号を同時に呼び出せる電話転送サービス・システムの利用が必要です。
例えば、NECネッツエスアイのCanario(カナリオ)であれば、複数の番号の同時架電も可能です。
また、AIが自動で取り次いでくれるため、現場の作業効率改善にもつながります。
NECネッツエスアイのCanario(カナリオ)についてもっと詳しく知りたい人は、お気軽にお問い合わせください。