様々な業界に大打撃を与えたコロナ禍ですが、中でも影響を強く受けたのが店舗販売を主軸とする小売業界の企業です。
この記事では、New Normal時代を生き抜くために欠かせない“小売DX”の概要と導入事例を解説。
NECネッツエスアイが提供する小売DX向けソリューションも紹介しているので、導入事例と合わせて参考にしてみてください。
小売DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
まずは、小売DXの概要と必要性、メリットについて詳しく見ていきましょう。
小売業界におけるDXの概要
そもそもDX(Digital Transformation/Digital X-formation)とは、“デジタル技術の活用によってビジネスの形やライフスタイルを変革させること”を意味する言葉です。
経済産業省が発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、DXを以下のように定義しています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
小売業界においては、特に店舗運営に関する業務をデジタル化し、新しい顧客体験の創出や業務プロセスの改善を図る取り組みを小売DXと呼びます。
小売業界の現状とデジタル活用の必要性
小売DXの必要性が叫ばれるきっかけとなったのが、2019年末から現在まで続く新型コロナウイルスの感染流行です。
あるリサーチ会社の調査によると、新型コロナウイルスが原因で経営破綻した小売企業は300社以上(飲食201社・アパレル104社)となっており、コロナ禍が小売業界に与えた影響の大きさを物語っています。
今後も続く“ウィズコロナ”の状況下で小売企業が生き残っていくためには、ITツールやデジタル技術を活用した小売DXの推進が欠かせないと言えるでしょう。
小売DXの推進によって期待できるメリットとして、以下のような点が挙げられます。
- オンラインサービスの充実により多様化する顧客のニーズに適応し、顧客満足度の向上を実現できる
- “ウィズコロナ”を意識した非接触・非対面サービスの実現で顧客離れを防止
- 店舗の省人化・無人化によって人手不足を解消できる他、人件費の削減にも繋げられる
- 一部業務を自動化させることで業務効率を高め、接客サービスの質向上や新サービスの提供に注力できる など
小売DXの成功事例・メリットを紹介
続いて、小売DXの推進に向けた取り組みをはじめている企業の事例と、小売DXの導入事例から分かるメリットなどを詳しく見ていきましょう。
小売DXの成功事例①電子荷札とセルフレジの連携で人件費を削減
主にスーパーやドラッグストアなどで導入されているのが“電子荷札×セルフレジ”による小売DXです。
タグなどに貼り付けられたICチップから商品を識別・管理することで、棚卸しや欠品補充の効率化を実現。
またセルフレジとの組み合わせによって、かごに商品を入れたままで清算を行えるようになり、清算・袋詰め作業の効率化や滞在時間の短縮といった成果を出している事例もあります。
小売DXの成功事例 ②AIカメラによる動態分析・管理で店舗レイアウトを改善
店内にAIカメラを設置し、撮影した映像から消費者の行動分析や混雑状況の把握を行えるようにしたスーパーの事例です。
こちらの事例では、AIを活用した動態分析ツールの導入により、滞在時間の長い売場や混雑しやすいルートなどをデータとして可視化。
分析結果をもとに売り場のレイアウトやスタッフの配置数を変更したことで、店舗全体の売上向上に繋がりました。
小売DXの成功事例③モバイルオーダーサービスの活用で店舗滞在時間を短縮
全国展開を行うあるコーヒーチェーン店では、小売DXの一環として2020年末からモバイルオーダーサービスの導入を開始しています。
スマホアプリから事前に注文・決済を完了できる仕組みとなっており、レジや商品提供の待ち時間を削減。
また周囲を気にせず注文できるようになったことで、モバイルオーダーからのカスタマイズ利用率が伸び、顧客体験の向上にも繋がっています。
小売DXの成功事例④ショップ専用アプリをリリースし若年層の顧客を獲得
全国に店舗を構える大手の百貨店では、系列店で利用できる専用アプリの独自開発・運用に成功しています。
アプリを経由してオンライン接客の予約を行ったり、商品の購入・清算を済ませたりすることが可能となっており、店舗のないエリアの顧客獲得に貢献。
また百貨店の利用率が低い若年層の顧客獲得にも繋がっているなど、顧客層拡大や単価向上に一定の成果をあげています。
小売DXの成功事例⑤オンライン接客ツールを用いた商品提案・相談対応で満足度向上
ビデオ通話型のオンライン接客ツールによる1対1のカウンセリングサービスを導入したクリスタルメーカーの事例です。
こちらの事例では、接客前にアンケートを実施することで顧客のニーズを素早く把握し、短いながらも充実した時間になるよう工夫がされています。
また旗艦店がオンライン接客の窓口となることで、店舗へ足を運べない顧客に対してもしっかりとブランド体験を提供でき、高い顧客満足度の達成に繋げています。
NECネッツエスアイが提供する小売業界向けサービス
ここからは、NECネッツエスアイが提供する小売DXの関連ソリューション・サービスをご紹介。
先の事例に登場したオンライン接客ツールや動態分析ツール、モバイルオーダーサービスなどの導入支援が可能ですので、小売DXのやり方でお悩みの企業様はぜひチェックしてみてください。
オンライン接客ツール【LiveCall】
LiveCallはBtoC向けのサービスに特化したビデオ通話型のオンライン接客ツールです。
ITツールの操作に不慣れな方でも扱いやすいシンプルなUIと、複数の通話方式に対応した機能性の高さが特徴で、小売業界を含む様々な業界で高く評価されています。
またブランドロゴやカラーリング設定にも対応しており、企業のブランドイメージを損なわないデザインが可能な点も強みの1つと言えるでしょう。
LiveCallに搭載されている主な機能は以下の通りです。
機能 | 概要 |
---|---|
ビデオ通話・音声通話 | ブラウザからワンクリックで動画接客を開始。音声のみの通話も利用可能です。 |
テキストチャット | 通話と並行してチャットのやり取りを行うことができます。補足情報の送信に有効。 |
録音・録画 | 通話内容の記録が可能です。フィードバックや品質向上に役立ちます。 |
通話前アンケート | 通話開始前に簡易的なアンケートを実施できます。 |
予約カレンダー | スタッフの対応可能枠を示し、予約の受け付けを行います。指名機能なども搭載。 |
カード決済 | クレジットカード決済に対応。通話中の商品購入も可能です。 |
モニタリング | スタッフのログイン状況・通話対応をリアルタイムで確認できます。 |
顧客動態の可視化サービス【PictLess】
PictLessはセンサーによって店内の混雑度・通行量などを取得し、可視化できるサービスです。
特別な工事などは不要ですぐに設置でき、置き場所の変更も容易に行えるのが特徴。
PictLessで取得したデータを活用することで、店舗のレイアウトや人材配置の改善効果が期待できます。
PictLessで取得できるデータの概要は以下の通りです。
混雑度マップ | 店舗レイアウトの映像上に混雑度バブルを表示 |
---|---|
混雑度の時間推移 | 時間ごとの混雑度を棒グラフで表示 |
混雑度の日別推移 | 1週間単位の日別での混雑度を棒グラフで表示 |
LINE連動オーダーサービス
LINE連動オーダーサービスは、コミュニケーションアプリ「LINE」を利用したモバイルオーダーサービスです。
国内の利用者が多いLINEを使い、チャットボットとのやり取りによるシンプルな操作で商品の注文・決済を行うことができます。
事前に注文・決済を済ませておくことで、店舗でのオーダーや会計の手間を省き、待ち時間の削減効果を得られます。
商業施設内のフードコートや飲食店などで導入が進めば、店舗の省人化などにも効果を期待できるでしょう。
小売業界のDX事例とおすすめツールまとめ
- コロナ禍で変化したライフスタイルに適応する手段として、ITツールやデジタル技術を活用した小売DXが注目されている
- すでに小売DXを実現し、業務効率化や新規顧客獲得、売上向上などの成果をあげている事例も多い
- 小売DXに取り組むなら、NECネッツエスアイが提供する小売DXサービスの活用がおすすめ
NECネッツエスアイでは、今回ご紹介した各サービスをはじめ、DXに役立つ様々なソリューションを展開しています。
豊富な導入実績・事例もありますので、ツール選びでお悩みの企業様はぜひ一度ご相談ください。
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