同じ接客業務であっても、対面接客とオンライン接客では流れや注意すべき点などが異なります。
そのため、新たにオンライン接客ツールを導入した場合は、接客担当となるスタッフに対して研修を実施することが望ましいと言えるでしょう。
この記事では、オンライン接客の研修カリキュラムを作成するときのポイントと、研修に組み込むべきマナー・スキルなどを解説していきます。
オンライン接客の概要と研修のポイント
まずは、オンライン接客の概要とツール別の特徴について詳しく見ていきましょう。
また指導者としてオンライン接客用の研修カリキュラムを作成する際のポイントも解説しているので、合わせてチェックしてみてください。
オンライン接客とは
オンライン接客とは、ITツールやデジタル技術の活用により、店舗と同様の接客サービスをインターネット上で再現できるようにした仕組みのことです。
オンライン接客の仕組みは以前から存在していましたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大をきっかけに、ここ数年で急速に導入が進んでいます。
オンライン接客ツールの種類と特徴
主なオンライン接客ツールの種類とそれぞれの特徴は以下の通りです。
種類 | 特徴 | 顧客側の使いやすさ | 導入コスト | 匿名性 | 接客の質 |
---|---|---|---|---|---|
SNS | Facebookやinstagram、LINEなどの SNSアプリを用いて接客対応を行う |
○ | 低 | △ | ○ |
チャット・メール | サイト内のチャット機能やメールの 送受信によって接客対応を行う |
○ | 低 | △ | ○ |
チャットボット | AIにあらかじめ回答の流れを登録しておき、 質問に合わせて自動で対応を行う |
◎ | 低~高 | ◎ | △ |
ビデオ通話 | ZoomやSkypeなどの ビデオ通話ツールを用いて接客対応を行う |
○ | 低~高 | ○ | ◎ |
オンライン商談 | オンライン接客専用のツールを 用いて接客対応を行う |
◎ | 低~高 | ○ | ◎ |
研修カリキュラム作成時のポイント
指導者としてオンライン接客用の研修カリキュラムを作成する際は、以下のようなポイントを意識するようにしましょう。
研修の目的を明確にする
研修カリキュラムを作成する際は、研修の実施目的を明確に設定することが大切です。
指導者としては、スタッフに様々なスキルを身に着けてほしいという気持ちがありますが、テーマにそぐわない内容まで盛り込むと、モチベーションの低下や理解の遅れに繋がりかねません。
オンライン接客の研修を行うのであれば、オンライン接客に必要なマナー・スキルに絞ったカリキュラムを作成した方が効果的でしょう。
ロールプレイングを組み込む
研修カリキュラムには、デスクワークだけでなくロールプレイングなどの実践メニューも組み込むのがおすすめです。
オンライン接客の業務を擬似的に経験することで、知識の補足や得意・不得意の分析などが可能となります。
またロールプレイングを評価するオブザーバーを配置し、研修スタッフに対するフィードバックを行うことも大切
フィードバックは行う側・受ける側の双方にとって新たな気付きを与えるきっかけとなるため、社内全体のスキルアップにも役立つでしょう。 続いて、接客業務を担うスタッフが身につけておくべき基本的なビジネスマナーをご紹介します。 ここでは特にオンライン接客に関するマナーをまとめているので、研修カリキュラムを作成する際の参考にしてみてください。 ビジネスマナーとは、会社や取引先といったビジネスの現場における配慮や、仕事をスムーズに進めるための礼儀作法のことです。 就職活動などを機に自然と身につくマナーもあるものの、業種や担当業務ごとの細かいマナーについては、社内研修を通してしっかり指導を行うことが求められます。 ビジネスマナーには様々な種類がありますが、ここでは特にオンライン接客で必要となる「身だしなみ」「言葉遣い」「電話対応」に関するマナーを簡単に説明していきます。 身だしなみは接客時の第一印象を左右する重要なポイントです。 仕事に取り組む姿勢や誠実さ、また企業のイメージなどにも繋がるため、社内規定に沿った清潔感のある装いを心がけましょう。 またビデオ通話などを用いたオンライン接客の場合、カメラに映ったときの表情が明るく見えるようなメイク・色合いを意識することも必要となります。 顧客とのコミュニケーションを円滑に進めるには、正しい言葉遣いが必要不可欠です。 いわゆる「改まり語」の使用を意識し、とっさの場面でも自然に使えるよう慣らしていきましょう。 また顧客との関係性やシーンに応じて、丁寧語・尊敬語・謙譲語などを正しく使い分けられるようにするための研修も必要となるでしょう。 オンライン接客の種類や環境によっては、相手の表情が見えない状態でやり取りを行うケースもあります。 音声のみで接客を行う場合、声のトーンやスピードなどで相手からの印象が大きく変わるため、なるべくはっきり話すよう意識することが大切です。 ここからは、オンライン接客を効果的に実施するために身につけておきたいスキル・コツを解説していきます。 慣れが必要な部分も多いため、繰り返し研修を行って理解を深めていくようにしましょう。 オンライン接客の場合、どちらかの通信環境に問題があるケースや、顧客が顔出しをしないケースなども珍しくなく、対面接客と比較して会話が被りやすいという特徴があります。 そのため、やり取りを進める中で顧客が心地よいと感じるコミュニケーションのタイミングを探ることが重要です。 声のトーンや話し方はもちろん、顧客の話に合わせて相槌を打ったり、表情を作ったりすることを意識してみましょう。 声質から顧客の感情を読み取ることができれば、商品の購入やサービスの契約を促すタイミングなども掴めるようになるでしょう。 オンライン接客のデメリットとして、商品を直接手に取ることができないという点が挙げられます。 そのため、映像の中で商品の魅力を最大限伝えるにはどうすれば良いかを考え、角度や背景などを工夫していくことが大切です。 相談会やコンサルティングなどをオンラインで実施する場合、顧客の要望を素早く理解し、必要な情報を必要なタイミングで提供するスキルが求められます。 適切に情報提供を行うには、使用するオンライン接客ツールの機能や使い方を網羅的に理解しておくことが大切です。 研修ではツールの操作説明をしっかり行い、本番で操作に戸惑うということがないようにしましょう。 オンライン接客は企業側・顧客側双方のインターネットの環境に左右されるため、企業側がしっかり環境を整備したとしても、通信トラブルのリスクをゼロにすることは難しいでしょう。 そのため、予備ツールを整備方法や通信が切断された場合の対応方法なども研修を行い、トラブルが起きても冷静に対処できるスキルを身につけることが大切です。 オンライン接客などの新しい仕組みについては未経験のスタッフも多いため、しっかりと社内研修を実施することが大切です。 研修やロールプレイングの活用は優秀な人材育成にも繋がるので、積極的に導入していきましょう。オンライン・オフライン問わず最低限のビジネスマナーは必須
ビジネスマナーとは
基本的なビジネスマナーの研修内容
身だしなみのマナー
言葉遣いのマナー
電話対応のマナー
オンライン接客の成功率を高めるためのコツ
接客中の話し方・聞き方
商品の魅力を分かりやすく伝える
ユーザー(顧客)が求めている情報の提供
アクシデント・トラブルへの対応
接客に関する社内研修カリキュラムの組み方まとめ
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