接客のオンライン化に活用できるツールには様々なものがありますが、導入するツールによって特徴やメリット・デメリットが異なるため、目的に応じて適切なツールを選ぶことが大切です。
この記事では、主なオンライン接客ツールの種類と使い分けについて解説しています。
実際にオンライン接客を導入している企業の事例や、そこからわかるメリット・デメリットもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
オンライン接客ツールの種類と使い分け
まずは、主なオンライン接客ツールの種類と、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
SNS
FacebookやInstagramなどのSNSアプリを活用したオンライン接客の方法です。
FacebookやInstagramに搭載されているライブ配信機能を活用することで、店舗の様子や商品を映像に入れ込みながら不特定多数の見込み顧客にアピールできる点がメリット。
一方、SNSの利用にはアカウント登録が必要となるため、SNSを利用していない方にとってはアカウント作成の手間がかかるというデメリットもあります。
チャット・メール
以前から広く一般に普及しているチャットやメールを使ったやり取りもオンライン接客の1つです。
チャットやメールを用いる場合、接客の履歴をテキストとし記録できる点や、好きなタイミングで内容を確認したり返答したりできる点がメリットです。
一方、ビデオ通話などで直接やり取りを行う場合と比較すると、内容が伝わりにくいというデメリットもあります。
ジュエリーや時計などの高単価商品を扱う場合、テキストだけでは思うように顧客の心を掴めず、成約につなげられないといった可能性もあるでしょう。
チャットボット
チャットボットはAIによって回答を行うチャットツールの1つです。
こちらはAIが自動で対応する仕組みのため、オンライン接客用のスタッフを配置する必要がなく、24時間体制で問い合わせに対応できる点がメリットです。
しかし、チャットボットの場合はあらかじめ設定された内容の出力しかできないことから、顧客からのイレギュラーな質問への対応が難しいといったデメリットもあります。
ビデオ通話
オンライン接客の導入にあたって採用されやすいツールが、ZoomやSkypeなどのWeb会議ツールです。
ビデオ通話が可能なツールの場合、リアルタイムに双方向のコミュニケーションが図れるため、より実店舗での接客に近い環境を作り出せるのがメリットです。
ただし、利用するツールによってはSNSと同様、アカウント作成やアプリのインストールが必要になることから、顧客側に手間・負担がかかるといったデメリットもあります。
オンライン商談ツール
オンライン商談ツールは、オンライン上で接客・営業活動を行うためにつくられた接客専用のツールです。
ビデオ通話やテキストチャットといった基本機能をはじめ、予約・決済・画面共有などの便利機能が豊富に搭載されています。
また顧客側のアプリインストールやアカウント登録を必要としないため、ブラウザからすぐに通話を開始できるのがメリットです。
無料のSNSやビデオ通話ツールと異なり、導入時にはある程度のコストがかかるというデメリットもありますが、機能面や使い勝手の良さでは最も優れたツールと言えるでしょう。
オンライン接客ツールの比較一覧
ここまで紹介したオンライン接客ツールの特徴とメリット・デメリットをまとめると、以下のようになります。
種類 | 特徴 | 顧客側の使いやすさ | 導入コスト | 匿名性 | 接客の質 |
---|---|---|---|---|---|
SNS | Facebookやinstagram、LINEなどのSNSアプリを用いて接客対応を行う | ○ | 低 | △ | ○ |
チャット・メール | サイト内のチャット機能やメールの送受信によって接客対応を行う | ○ | 低 | △ | ○ |
チャットボット | AIにあらかじめ回答の流れを登録しておき、質問に合わせて自動で対応を行う | ◎ | 低~高 | ◎ | △ |
ビデオ通話 | ZoomやSkypeなどのビデオ通話ツールを用いて接客対応を行う | ○ | 低~高 | ○ | ◎ |
オンライン商談 | オンライン接客専用のツールを用いて接客対応を行う | ◎ | 低~高 | ○ | ◎ |
次章では、オンライン接客に最も適したツールである「オンライン商談ツール」にフォーカスし、実際の導入事例や事例から見えるメリット・デメリットなどを解説していきます。
オンライン接客の導入事例から分かる活用効果と課題・デメリット
続いて、オンライン接客ツール(商談ツール)を導入している企業の事例と、その成果や今後の課題・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
なおここでは、NECネッツエスアイが販売するオンライン接客ツール「LiveCall」の導入事例をピックアップしています。
【アパレル業界】スタイリングサービスにオンライン接客を活用
LiveCallを利用してスタイリング提案のサービスを行っているアパレル企業の事例です。
こちらの企業では、ショップのスタイリストとビデオ通話を繋ぎ、新作アイテムの紹介や自宅にある衣類・小物を組み合わせたコーディネート提案などを実施しています。
実際にオンライン接客を利用して感じたメリット・効果
<スタッフ視点のメリット>
- 実店舗がないエリアの顧客獲得を行えるようになり、ECサイトでの売上アップを実現できた。
- スタッフ・管理者側にとっても使いやすいUIで、簡単に操作方法を習得できた。
<顧客視点のメリット>
- お気に入りのスタイリストを指名して予約できるため、安心して買い物ができた。
- 1対1でスタイリング相談にのってもらえるので、周囲の目を気にせず話ができるのが良かった。
- オンライン接客の対応が良かったので、リアルの店舗にも足を運ぼうと思った。
今後の課題・デメリット
オンライン接客のデメリットとして、新規顧客へのアプローチの難しさが挙げられます。
店舗やスタッフの雰囲気を知らない方が、いきなりオンライン接客を利用するというのはやはり抵抗があるため、より気軽に利用してもらえるような対策を考える必要があります。
【ジュエリー業界】カウンセリング・相談サービスにオンライン接客を活用
商品説明・ギフト商品の提案にLiveCallを利用している企業の事例です。
こちらの企業では、2020年10月からLiveCallを導入し、個別のカウンセリングや商品紹介を実施しています。
接客前に事前アンケートの協力を促し、顧客の要望・質問を把握したうえで接客を開始するという仕組みをとっているのが特徴です。
実際にオンライン接客を利用して感じたメリット・効果
<スタッフ視点のメリット>
- アカウント登録やアプリのダウンロードといった手間をお客様にかけることがなく、使いやすいツールだと感じた。
- 導入サポートが充実しており、ストレスなく運用を開始することができた。
- お客様とのリレーションを深めることで、顧客満足度80%・購入率80%・店舗の約5倍の客単価を実現できた。
<顧客視点のメリット>
- 特定の店舗でしか扱っていない限定商品を見ることができて良かった。
- オンライン接客で購入したときにノベルティを受け取ることができ、特別感を感じた。
- 店内の様子をしっかりと映してくれたので、実際に店舗で接客を受けているような気分になった。
今後の課題・デメリット
ジュエリー商品は1つ1つが小さいため、画面越しに宝石のカッティング技術や色味を伝えることが難しいという点はデメリットと言えます。
ただしLiveCall自体は非常に画質がクリアなので、今後は映し方を工夫するなどしてより商品の魅力を伝えられるよう研究
LiveCallが搭載されたデジタルサイネージをマンションのエントランスに設置し、そこから管理会社に問い合わせを行える仕組みを導入している事例です。 またモバイルアプリも開発し、マンション住民の方であれば自宅の室内や出先などからも連絡できるようになっています。 <スタッフ視点のメリット> <顧客視点のメリット> 現在は居住者側からの発信にしか対応していないため、相談後にヒアリング漏れがあったり、折り返しの連絡が必要となったりした場合に戸惑うケースがあるというのがデメリットです。 オペレーションで解決できる部分ではあるものの、発信に関しても双方向性が出てくればより良いサービス提供に繋がると言えるでしょう。 NECネッツエスアイでは、当記事の事例部分でご紹介した「LiveCall」の導入・運用サポートを行っています。 使いやすさや信頼性の面でNo.1に選ばれている人気のツールですので、オンライン接客の導入をお考えの企業様はぜひ一度ご相談ください。【不動産業界】マンション管理にオンライン接客を活用
実際にオンライン接客を利用して感じたメリット・効果
今後の課題・デメリット
接客ツールの導入で期待できる効果と課題・デメリットまとめ
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