本記事は一般的な取組みについて記載したもので、NECネッツエスアイでの取組みを紹介したものではありません。予めご了承ください。
電話対応の中で、最も厄介なのがクレーム電話の対応です。
時には、自分のせいではないのに怒られたり、こちらに非がなくてもお詫びをしなければならなかったり、対応を誤ってお客様の怒りが増してしまったりすることもあります。
本記事では、クレーム電話対応の基本手順とお詫び・謝罪のコツを紹介します。
- クレーム電話が怖い
- クレームに対するお詫びのしかたがわからない
- お客様を余計に怒らせて二次クレームが発生してしまった
このような悩みをお持ちの方は、ぜひ参考になさってみてください。
お客様が求める対応とは
お客様から不満や苦情を受けたとき、勢いに負けて反射的に謝ってしまいそうになることがありますが、これはNGです。
クレーム対応では、ただ頭を下げればいいというわけではありません。
お客様の要望をよく理解せず闇雲に謝っては、余計に相手を怒らせてしまいます。
クレーム電話に対応する時は、お客様の話に耳を傾け、どのような対応を求めているのかを考えてみましょう。
企業へのクレームでお客様が求めている対応は、大きく分けて3つのパターンがあります。
改善や解決策がほしい
クレームで最も多いのが、お客様が購入した商品やサービスに関する不満です。
「故障や不備のせいで不利益を被った」「買ったものが期待以下でがっかりした」というクレームには、「商品を改善してほしい」「期待を裏切らない商品を提供してほしい」という企業に対する願いが込められています。
このようなクレームを入れてくるお客様は、今後も商品やサービスを利用したいからこそ、わざわざ電話をしてくれています。
問題点を改善したり、的確な解決策を提供することで、企業のファン獲得にもなるのです。
また、クレーム電話で伺ったご意見は、商品開発や改善のための貴重なヒントになるでしょう。
謝罪の言葉を聞きたい
日本には謝罪の文化があり、悪くなくても謝ることでその場がおさまる場合があります。
このため、クレーム電話の中には、謝罪の言葉を引き出せればそれで満足される方もいらっしゃいます。
この場合はお詫びすることが解決になりますが、根拠なくこちらの非を認めるのではなく、何に対してのお詫びなのかを明確にすることが重要です。
「謝れ」と言われるがままに何も考えず謝ってしまうと、悪質なクレーマーに付け入られてしまうことにもなりかねませんので、慎重に対応しましょう。
話を聞いてほしい
クレームの中には、ただ話を聞いてもらうことが目的のものもあります。
「問題自体は解決のしようがないことがわかっているけれど、とりあえず言わなければ気が済まない」というタイプのクレームでは、話を聞いてあげる・相手の立場に寄り添ってあげるといった対応で気分が晴れる方もいらっしゃいます。
ただし、気をつけなければならないのは、「かまってほしい」タイプのクレーマーです。
目的が「暇つぶし」や「ストレス発散」であるため、まともに取り合っているとずるずると時間だけ取られてしまうことになります。
このような場合は、相手の言いなりになるのではなく、できないことははっきりとお断りすることも必要です。
クレーム電話対応の5ステップ
実際にクレーム電話を取ってからクローズするまでの対応手順を見てみましょう。
1.不快な思いをさせたことへのお詫び
- お客様「先週買ったばかりのテレビが映らないんだけど」
- 対応者「さようでございましたか。この度はご不便をおかけしまして、申し訳ございません」
電話を受けて、クレームであることがわかったら、まずお詫びします。
ただし、この時点ではテレビが不良品なのか、お客様の使い方に問題があるのかわかりません。
ここでは自社の責任を認めるような謝罪方法はせず、「不便な思いをさせてしまったこと」に対してお詫びします。
2.事実確認・情報収集
- 対応者「どのような状況かお聞かせいただけますでしょうか」
- お客様「電源を入れても画面が映りません」
クレームの内容について詳細をヒヤリングします。
お客様からの説明だけでは状況がわからない場合は、担当者から「電源ランプは点いていますか?」「何色のボタンを押しましたか?」と質問を投げかけて情報を引き出しましょう。
3.解決策の提示
- 対応者「初期不良のようでございますので、商品をお取り替えさせていただいてよろしいでしょうか」
- お客様「では、お願いいたします。どうすればいいですか?」
- 対応者「本日、新しいテレビをご自宅宛てに発送いたします。故障したテレビは、お伺いした際に回収させていただきます。ご都合のよいお受け取り日時はございますでしょうか」
クレームに対して、会社が提供できる解決策を提示します。
解決策は、お客様が何をすればいいかが伝わるよう、具体的な形に落とし込んで案内しましょう。
- いつ:本日
- 何:新しいテレビを
- どこ:お客様のご自宅へ
- どうする:送る
また、お客様が必ずしも商品の交換を望んでいるとは限りません。
「商品をお取り替えします」と言い切ってしまうと、こちらの都合を押し付けているようにも取られます。
「お取り替えさせていただいてよろしいでしょうか」と、相手に判断を委ねる形にしましょう。
お客様に断られた場合は、返品対応などの代替案を用意する必要があります。
4.お電話をいただいたことに対する感謝を伝える
- 対応者「このたびはお電話をいただきありがとうございました」
最後は、お客様が貴重なお時間を割いて電話をかけてきてくださっていることへの感謝を伝え、電話をクローズします。
5.社内・部内への情報共有
クレーム電話は受けて終わりにせず、必ず社内で情報共有しましょう。
お客様からうかがったクレームは、商品やサービスに対する貴重なご意見です。
また、やり取りの内容を対応履歴やマニュアルとして残すことで、同様のクレームへの対応に活かすことができます。
【場面別】お詫びの例文
電話対応では、場面に応じて適切なお詫びの言葉を挟むことで印象がやわらかくなります。
クレーム電話の対応で使えるお詫びのフレーズを覚えておきましょう。
はじめのお詫び
- 「この度はご迷惑をおかけして申し訳ございません」
- 「ご不快な思いをおかけしまして申し訳ございません」
クレームの内容を伺ったときには、まずお詫びします。
ただし、この時点では原因が特定できていないことも多いですね。
だからといって憶測で適当なことを言っては、誤解を招いてしまいます。
詳細がわからなくても、「お客様に不快な思いをさせた」というのは事実ですので、この点に絞ってお詫びしましょう。
待たせた場合
- 「お待たせいたしまして大変申し訳ございません」
電話では、数十秒の保留でも「待たされた」と感じやすいものです。
クレームの電話はお客様が不機嫌になっていることも多く、お待たせすることで余計にイライラを募らせてしまう場合もあります。
相手を待たせた場合には、本題に戻る前にずお詫びの言葉を入れましょう。
商品へのクレーム
- 「電源が入らないということですね。ご不便をおかけして申し訳ございません」
- 「商品が写真のイメージと違うということですね。ご期待にそえず申し訳ございません」
商品に対するクレームは、まず相手の言葉を復唱した上で、どのような点でご迷惑をかけたのかをお詫びします。
まだ原因や責任の所在は明らかになっていませんが、
- 商品が使えなかったためにお客様が不利益を被ったこと
- イメージ違いでお客様をがっかりさせたこと
などについてお詫びをすることで、相手を思いやる気持ちを示すことができます。
接客態度へのクレーム
- 「弊社スタッフによる不適切な発言があったとのこと、ご不快な思いをおかけしまして大変申し訳ございません」
接客態度や電話対応へのクレームは、きちんと状況を確認しない限り本当にスタッフに非があるのかどうかわかりませんが、ここで反論するのは控えましょう。
クレームをいただいた時点では、お客様が不愉快な思いをされていることに対してお詫びをし、お客様から状況をヒヤリングします。
電話が終わった後で、スタッフに事実確認やフィードバックを行うことも忘れないでください。
お客様の勘違いによるクレーム
- 「商品を2つ注文したのに、1つしか届いていないということですね。大変申し訳ございません。お調べいたしますので、注文番号をお伺いしてよろしいでしょうか」
クレームの中にはお客様の勘違いによるものもありますが、相手を否定したり、間違いを指摘したりするような言い方は避けなければなりません。
内容を伺い、一言お詫びしたうえで、注文内容や詳細を確認しましょう。
クレーム電話がなくならない理由
メールやチャットでの問い合わせ窓口を設けていても、クレームの場合は電話がかかってくることが多いですね。
クレームの伝達手段に電話を選ぶ理由として、次のような心理が働いていることが挙げられます。
- すぐに解決したい
- 内容が複雑でうまくまとめられない
- 担当者に伝わったという確証がほしい
クレーム発生時は、お客様に何らかの不都合が生じている、いわばイレギュラーな事態です。
このような状態で、メールやチャットでクレームを文章化することは煩わしく、内容によっては何度もやり取りをしなければなりません。
返信が返ってくるまで時間差があることで余計にストレスが溜まってしまう場合もあるでしょう。
クレームの場合は、
- 「一刻も早く連絡が取れる」
- 「双方向のコミュニケーションで、お互いに内容を確認しながら進めることができる」
- 「相手の言葉を直接聞ける」
- 「感情や緊急度が伝わりやすい」
という点で、お客様にとっては電話が最適な手段であるというわけです。
クレーム電話の一次対応に!「Canario(カナリオ)」とは
企業としてクレーム電話の対応を避けることはできませんが、お客様が最もヒートアップしている状態での対応は思いのほか消耗するものです。
また、電話を取った人が手探りで対応するため、状況がわからない状態でとりあえずお詫びしなければならない場面や、見当違いのことを言って相手を怒らせてしまうリスクもあります。
クレーム電話の対応で現場が疲弊している場合におすすめしたいのが、AIが対応する電話対応サービス「Canario(カナリオ)」です。
- 会社の電話の一次対応をAIが代行
- お客様の発話を認識して名前取次(携帯電話へ転送)
- 伝言はテキスト化して担当者へ送信
- 悪質クレーマーや迷惑電話はシャットアウト
クレーム電話は伝言の内容を確認して担当者から折り返すことができるので、対応がよりスムーズに。
電話の一次対応を社員が行う必要がなくなることで、電話対応コストが大幅に削減されます。
無関係なクレームの処理から解放されれば、社員のメンタルヘルス向上も期待できますね。
記事まとめ
クレーム電話対応の基本手順と効果的なお詫び・謝罪の仕方を紹介しました。
業種が異なっても基本的な流れは同じですので、この記事で紹介した内容はさまざまなクレームの対応に応用できます。
ただし、電話が多い場合や、クレーム対応に追われて他の業務の時間を削られている場合は、受電体制を見直しすることも必要です。
AIが一次対応を代行する「Canario(カナリオ)」をぜひ試してみてください。