WordやExcel、Outlookなど、Officeのアプリを使用するには、システム要件に示された条件を満たしている必要があります。
特にOSに関しては、対応していないバージョンを使用しているとアプリがまともに動かないこともありえます。
この記事では、Office製品の対応OSや動作環境について解説しています。
従来のOffice製品(2016/2019/2021)とMicrosoft 365の違いについても触れていますので、Officeの買い替えを控えている方や、Microsoft 365の導入を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
アプリインストール前にシステム要件を確認
システム要件とは、アプリの動作に必要なスペックを表したものです。
新しいアプリを使い始める前に、デバイスがシステム要件を満たしているか確認しましょう。
対応しているOSもここで調べることができます。
そもそもOSとは?
アプリを導入する前に必ず確認したいのが対応OSです。
OSとは、オペレーティングシステム(Operating System)の略。パソコンやスマホを動かしている土台の部分にあたります。
例えば、代表的なOSには次のようなものがあります。
<パソコン>
- Windows
- MacOS
- Linux
<スマートフォン/タブレット>
- iOS
- Android
「コンポーネント要件」を見てみよう
対応OSを知るには、ソフトウェアの「動作環境」や「システム要件」を確認してみてください。
Microsoftのサポートサイトでは、Office製品の動作環境は「コンポーネント要件」として記されています。
その中で「オペレーティングシステム」という項目が対応しているOSです。
また、コンポーネント要件には次のような項目も記載してありますので、対応OSと合わせて確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
コンピューターとプロセッサ | 動作に必要なCPUのスペック |
メモリ | 必要なRAMの容量 |
ハードディスク | 必要なディスク空き容量 |
ディスプレイ | 必要な画面解像度 |
グラフィック | 必要なグラフィックボードのスペック |
ブラウザー | 利用できるWebブラウザーの種類とバージョン |
バージョンも要チェック
システム要件に対応バージョンが示されている場合には、指定のバージョンを満たしているかどうかも確認しましょう。
例えば、Webブラウザーの要件には「最新バージョン」と記載されていることも多く、該当のブラウザーを使っていても古いバージョンのままになっていると正常に動作しないこともあるのです。
このような場合はアップデートを行って最新バージョンに上げてみてください。
必要動作環境(最小動作環境)と推奨動作環境
アプリによっては、「必要動作環境(最小動作環境)」と「推奨動作環境」が示されていることがあります。
この場合、必要動作環境とは、アプリが動作する最低スペックを指しますので、快適に使える環境であるとは限りません。
できれば、推奨動作環境を満たすデバイスを使用するのが望ましいと言えるでしょう。
Office製品の対応OS
従来の永続版(買い切り版)Office製品の対応OSを確認してみましょう。
現在サポート中の製品はおおむね、最新のOSにも対応しています。
Office2016
発売:2015年9月22日
メインストリームサポート終了日:2020年10月13日
延長サポート終了日:2025年10月14日
Windows OS | Windows 11、Windows 10、Windows 8.1、Windows Server 2016、Windows Server 2012 R2、Windows Server 2012 |
---|---|
macOS | Mac OS X バージョン 10.10 以降 |
ブラウザー | Microsoft Edge、Internet Explorer、Safari、Chrome、Firefox の最新バージョン |
Office2019
発売:2018年9月24日
メインストリームサポート終了日:2023年10月10日
延長サポート終了日:2025年10月14日
Windows OS | Windows 11、Windows 10、Windows 10 LTSC 2021、Windows 10 LTSC 2019、Windows Server 2022、Windows Server 2019 |
---|---|
macOS | 最新バージョンとその前2つまで |
ブラウザー | Microsoft Edge、Internet Explorer、Safari、Chrome、Firefox の最新バージョン |
Office2021
発売:2021年10月5日
メインストリームサポート終了日:2026年10月13日
延長サポートなし
Windows OS | Windows 11、Windows 10、Windows 10 LTSC 2021、Windows 10 LTSC 2019、Windows Server 2022、Windows Server 2019 |
---|---|
macOS | 最新バージョンとその前2つまで |
ブラウザー | Microsoft Edge、Internet Explorer、Safari、Chrome、Firefox の最新バージョン |
買い切りライセンスにはサポート期限がある
上の表を見て、「Windows11リリース前に発表されたOffice2016や2019がWindows11に対応しているのはなぜだろう」と不思議に思った方もいらっしゃるかもしれません。
Officeの買い切りライセンスにはサポート期限が設けられており、期限内はオンラインでアプリがアップデートされるのです。
下表が、Officeのバージョンごとのサポート期限をまとめたものです。
メインストリームサポート期限 | 延長サポート期限 | |
---|---|---|
Office2016 | 2020年10月13日 | 2025年10月14日 |
Office2019 | 2023年10月10日 | 2025年10月14日 |
Office2021 | 2026年10月13日 | – |
原則として、メインストリームサポート期間には機能追加・改善・セキュリティ更新が配布されますが、延長サポート期間は一部の更新(主にセキュリティパッチ)に限られます。
さらに延長サポート終了後にはセキュリティの更新が行われなくなるため、OSが対応していたとしても使い続けることにはリスクがあり、買い替えが推奨されています。
Microsoft 365の対応OS
サブスクリプションサービスであるMicrosoft 365の対応OSは下の表の通りです。
Windows OS | Windows 11、Windows 10、Windows 8.1、Windows Server 2019、Windows Server 2016 |
---|---|
macOS | 最新バージョンとその前2つまで |
ブラウザー | Microsoft Edge、Safari、Chrome、Firefox の最新バージョン |
※Microsoft 365 Apps for business・Microsoft 365 Apps for enterprise は、Windows Server 2019/2016 のサポート期限が 2025 年 10 月までとなります。
Microsoft 365の場合、Officeアプリのサポート期限というものはなく、サブスク契約中はずっと最新版への更新プログラムを受け取ることができます。
ただし、OSやブラウザーの製品サポートが終了したものは随時、システム要件から除外されていく仕組みです。
今後新しいOSのバージョンが登場した際にも追随できるメリットがあるため、サポート終了したデバイスを適宜新しいものに買い替えていけば快適に使うことができるでしょう。
システム要件に対応していないとどうなる?対策は
OfficeアプリやMicrosoft 365のシステム要件について説明してきましたが、もしもシステム要件を満たさないデバイスでアプリを使おうとしたらどうなるのでしょうか。
対応OS以外のデバイスにインストールすると、正常に動作しなかったり、そもそもインストールできなかったりすることがあります。
システム要件を確認することはもちろん、Microsoft 365の無料トライアル期間を利用し、契約前に動作テストを行っておくと安心です。
お手持ちのデバイスのOSがMicrosoft 365のシステム要件に当てはまらない場合や、試用版が正常に動作しない場合は、次の対応を検討してください。
OSをアップデートする
バージョンが古くてシステム要件を満たさない場合には、まずアップデート対応が可能か確認しましょう。
対応OSであるにもかかわらず動作に不具合がある場合、最新バージョンにアップデートすると改善することがあります。
デバイスを買い替える
これ以上アップデートできない機種の場合はデバイスの買い替えを検討しましょう。
なお、新たにデバイスを購入する際は、「最小動作環境」や「必要動作環境」に合わせるのではなく、「推奨動作環境」を基準に選ぶと動作が安定します。
サブスクリプションのMicrosoft 365ならではのメリット
Office2019のメインストリームサポートは2023年に終了します。2019をお使いの方は、そろそろ買い替えを検討している時期ではないでしょうか。
長くOfficeを使い続けるなら、今後は永続版ライセンスよりも、サブスクリプションのMicrosoft 365がおすすめです。
Microsoft 365の法人向けプランでは、Word・Excel・PowerPointなどのOfficeアプリはもちろんのこと、Microsoftが提供する多様なサービスを定額料金で使うことができます。
- パソコンは5台までインストール可能。Windows・Mac併用可
- マルチデバイス対応で、外出先でもスマホからメールやデータにアクセス
- インストーラーはダウンロード形式で、ユーザーがどこにいてもネットワーク経由でOfficeをインストール
- メールサーバー「Exchange Online」や、ビジネス向けクラウドストレージ「OneDrive for Business」、情報共有ツール「SharePoint Online」が利用可能(プランにより異なる)
- ライセンスやユーザーアカウントはMicrosoft 365管理センターで一元化。急な人員の増減にもスムーズに対応
- メールクライアント「Outlook」やビジネスチャット・Web会議ツール「Teams」の連携でコミュニケーション活性化・効率化
Microsoft 365では、クラウドベースのツールを駆使し、時間や場所にとらわれない最先端の働き方を実現させることができます。
NECネッツエスアイでは、初めてMicrosoft 365をご利用いただくお客様にも安心してお使いいただけるよう、各種サポートをご用意しております。
Office製品からの乗り換えを検討されていらっしゃいましたら、ぜひ一度、弊社へご相談ください。