コールセンターなどのお客様対応部署にとって、通話の録音は必須と言っても過言ではありません。
加えて最近では、電話対応専門の部署以外でも、トラブル対応やエビデンスを残すために通話の録音を行うケースが増えています。
この記事では、これから電話対応の録音を検討している方に向けて、録音することの目的や必要な準備を解説します。
電話対応を録音する目的と効果
コールセンターやお問い合わせ窓口などに電話をかけると、「対応品質向上のために通話を録音させていただきます」といったガイダンスが流れることがありますね。
電話の通話は当事者間でのその場限りの会話になってしまいますが、録音データを残すことで、ブラックボックス化している通話内容を可視化し、不明点を再確認したり、対応内容を振り返ったりすることが可能になります。
つまり、通話の内容もメールや文書と同等のエビデンスとして扱うことができるようになるのです。
電話対応を録音することの目的や効果には次のようなものがあります。
聞き逃し・聞き取りミスの防止
電話の相手が早口だったり、周りが騒々しかったりすると、相手の言葉を聞き取れないことや、聞き間違ってしまうことがあります。
聞き取れなかったらその場で聞き返して確認するのがベストですが、何度聞いても聞き取れない場合や、聞き返すタイミングを逃してしまった場合にも、録音データがあれば後追い確認できるので安心です。
トラブル時の事実確認
電話対応では、些細な言い間違いや思い込みによる誤解がもとでトラブルになることも多くあります。
録音がなく当事者の記憶に頼らざるを得ない状況では、客観的事実の把握が困難となってしまいます。
電話対応の内容を録音してあれば、「言った、言わない」がすぐに確認でき、トラブル発生時の速やかな解決に役立ちます。
コンプライアンスの向上・社員教育
通話の内容が録音されていることで、対応するオペレーターにも緊張感が生まれ、顧客対応品質やコンプライアンスの向上につながります。
また、後で自分の通話を聞き直したり、優秀なオペレーターの対応を教材として活用するなど、対応スタッフの教育に役立てることも可能です。
防犯・迷惑電話対策
電話の最初に「この通話は録音されています」と流すだけでも、迷惑電話やイタズラ電話をけん制する効果があります。
また、顧客側も録音されていることを意識して会話するため、悪質なクレームや暴言を抑止することができ、オペレーターの心理的な負担を軽減します。
電話対応の録音方法と必要な機器・システム
それでは、電話対応を録音するために必要な機器を確認していきましょう。
通話の録音には、必ずしも大規模なシステムの導入が必要というわけではありません。
録音の目的や規模に合わせて選んでみてください。
留守番電話
通話を録音する方法として最もよく知られているのが留守番電話です。
電話を留守番電話に切り替えておくと、着信時に自動音声が流れ、相手にメッセージの録音を促します。
ただし、留守番電話はそもそも人が電話に出られない時のためにある機能ですから、会話を録音することはできません。
ビジネスフォンの録音機能
録音機能を搭載したビジネスフォンでは、電話機や主装置で通話を録音することができます。
場合によっては外付けの装置やオプション契約が必要になることもありますので、詳細はビジネスフォンのメーカーに確認してみましょう。
ビジネスフォンの主な録音機能には次のようなものがあります。
自動録音
あらかじめ主装置側で設定しておくことで、通話が始まると同時に録音を開始することができます。
自動録音を設定しておけば全ての発着信を録音することができるので、録音ボタンの押し忘れなどの心配がありません。
ボイスメール
通話や留守電のメッセージを主装置に録音する機能です。
ビジネスフォンのボイスメールで録音したデータはメールボックスで管理されるので、他の機器を介さなくても外出先から聞いたり、他の人に伝言を転送したりといった操作が可能となります。
通話メモ
通話中のメモ代わりに録音できる機能が「通話メモ」です。
電話機のボタンで録音開始・停止の操作ができるので、相手の連絡先や用件などメモが必要なシーンで気軽に使用できます。
外付けの録音装置(ICレコーダー・ボイスレコーダー)
お使いの電話機に録音機能がない場合でも、外付けの機器を接続すれば録音が可能です。
電話用の通話録音装置を使用する場合、次のような接続方法があります。
- 受話器に接続する:受話器の部分に録音機器を接続する方法で、ほとんどの機種に対応します。
- 電話機に接続する:電話機の外部入力端子に接続します。
- 回線に接続する:電話回線を直接録音機器に接続する方法です。対応する製品は限られます。
また、「専用機器を購入せず、手持ちの機器で録音したい」という場合にはICレコーダーやボイスレコーダーを活用しましょう。
会話を録音する場合にはICレコーダーにイヤホン型のマイクを取り付け、イヤホンの上から受話器を耳に当てれば、受話器から聞こえる声と自分の声を同時に録音することができます。
また、ICレコーダーを受話器や電話機に接続するためのアダプターも販売されています。
CTI
CTI(Computer Telephony Integration)とは、電話とコンピューターを連携させたシステムです。
コールセンターやカスタマーサポート部署などで、入電した電話番号から顧客情報を呼び出したり、複数のオペレーターに電話を振り分けたりと、電話対応業務を効率化させるために用いられています。
通話録音の機能が付いているCTIでは全通話を自動録音することも可能。多くのオペレーターを抱える部署でも通話をもれなく録音・管理することができます。
自動文字起こしに対応しているものもありますので、通話内容をテキスト保存して対応履歴を作成するといった使い方もできますね。
一次受け自動化&メッセージの文字起こしが可能な「Canario(カナリオ)」
もしも、通話録音の主な目的が「迷惑電話の防止」と「不在時メッセージの確認」の場合は、専用機器不要で録音できるサービスがあるのをご存じでしょうか。
NECネッツエスアイの電話転送サービス「Canario(カナリオ)」は、かかってきた電話に自動で応答し、担当者への転送と不在時のメッセージ録音を行います。
自動音声対応で迷惑電話をシャットアウトしてくれる上に、録音したメッセージは即、テキスト化してメールなどで送信してくれるので、目で後追い確認ができ、そのまま顧客対応の履歴として使用することも可能です。
社員による電話の一次対応や取り次ぎが不要になるため、業務効率化にも有効です。
記事まとめ
通話を録音することで、メールや書面と同様に電話のエビデンスを残しておくことができます。
さらに、文字起こしして保存しておけば録音を聞き直す必要がなく、いつでも後追い確認できるメリットも。
電話転送サービス「Canario(カナリオ)」なら、メッセージの録音・テキスト化に対応しているだけではなく、電話取り次ぎの自動化もできてしまいます。
- 社員が電話の取り次ぎに時間を取られて仕事が進まない
- 迷惑電話の対応で疲弊している
- 簡単に対応履歴を作りたい
現在の電話対応業務に何らかの課題をお持ちの場合は、次世代の電話転送サービス「Canario(カナリオ)」をぜひ試してみてください。