仕事の電話対応における正確かつ礼儀正しい対応は、相手にプロフェッショナルな印象を与えるだけでなく、信頼関係を築く基盤ともなります。
しかし一方で、「相手の名前を間違えてしまった」「誤って電話を切ってしまった」など、電話対応に関するささいなミスやトラブルでお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、電話対応での基本マナーと、「こんなときどうする?」といったトラブルを解決する方法を解説します。
電話対応の基本手順
まずは、ビジネスにおける電話対応(電話の受け方)の基本手順を復習しておきましょう。
3コール以内に取って名乗る
仕事の電話対応では、電話が鳴ったら原則3コール以内に取るのが一般的なビジネスマナーです。
3コールは約10秒程度。これ以上応答がないと、人間の感覚では「待たされた」と感じることが多いそうです。
電話が鳴り始めたら、3コール以内を目指して電話を取り、自分が先に名乗ります。
相手の名前と用件を聞く
電話を受けた側が名乗ってから、かけた側が名乗ります。
続いて、相手が用件について話し始めます。
会社の電話対応では、「営業の佐藤様はいらっしゃいますでしょうか」といった担当者の名指しがあることが多いです。
担当者の指定がない場合、用件を聞いて誰に取り次ぐべきかを判断しましょう。
担当者に取り次ぐ
相手が名指しした担当者が席にいるかどうかを調べます。
担当者がいるときも、いきなり電話を取り次がず、今電話に出られるかどうかを確認しましょう。
担当者が電話対応できる状況であれば、電話を転送します。
不在の場合は折り返しにする
担当者が会社にいない場合は、相手に不在の旨を伝えて電話を折り返しにしましょう。
担当者が席にいるけれど電話に出られない状況の場合も同様です。
外出などの理由で不在の場合は、
「申し訳ございません、佐藤はただいま外出しており不在でございます。16時頃に戻る予定でございますので、戻り次第ご連絡を差し上げてよろしいでしょうか」
と相手に伝え、連絡先を聞きましょう。
席にいるけれど取り込み中だったり、トイレやランチで一時的に不在の場合、「離席中」という言葉が便利です。
「申し訳ございません、佐藤はただいま離席中でございます。戻り次第ご連絡を差し上げてよろしいでしょうか」
と伝えます。
離席の場合は短時間で戻る想定のため、具体的な戻り時間は伝えなくても問題ないでしょう。
担当者に伝言する
担当者の不在中に電話を受けた場合は、電話の用件を伝えるためのメモを作成します。
電話対応メモの書式は自由ですが、最低限、以下の情報を網羅している必要があります。
また、担当者がぱっと見て内容を把握できるよう、表形式や箇条書きで簡潔にまとめるのが良いでしょう。
- かかってきた日時
- 電話対応者
- 相手の社名・名前
- 用件
- 希望する対応(折り返し・相手から再連絡・他の方法で連絡)
基本の心構え
オフィスの電話対応は、「いつ・どんな用件でかかってくるかわからないから不安」という方も少なくありません。
ビジネス電話対応は、どのような用件の電話でも、基本の準備を怠らなければ同じように対応することができます。
電話対応の基本の心構えとスマートな対応のコツを確認しておきましょう。
必ずメモを取る
電話対応を行うときは、必ずメモを取りながら相手の話を聞きましょう。
電話は、メールやチャットのように証拠が残るわけではありません。
電話対応中に聞き逃したり、聞いたことを忘れてしまったりしたら、後から確認するのが困難になります。
電話の側には常にメモ用紙と筆記用具を用意しておき、メモを取ることを習慣にしましょう。
重要なことは復唱して確認する
相手の社名、名前、会話中に登場した固有名詞や専門用語など、電話対応中に重要だと思ったことはその場で復唱して確認する癖をつけましょう。
万が一聞き違いをしていた場合はそこで気づくことができますし、一度自分の口で発話することで記憶にも残りやすくなります。
社内の人に敬称をつけない
電話対応では、自分の会社の人はすべて身内ですので、たとえ上司や役職者であっても敬称なし(呼び捨て)にします。
例えば、電話の相手に「山田部長はいらっしゃいますでしょうか?」と聞かれた場合の返答は、「申し訳ございません。山田はただいま出張しており、本日は戻りません」となります。
普段社内では敬語・敬称を使っていることが多いかと思いますので、電話対応のときにとっさに敬称が出ないよう注意しましょう。
保留は30秒以内に
調べものなどをする際に便利な保留ですが、待たされている相手にとって、保留音を聞きながら待つ時間は非常に長く感じるものです。
保留を使う際は、なるべく30秒以内にとどめましょう。
さらに時間がかかってしまいそうなときは一度保留を解除し、「お時間がかかってしまいそうですが、お待ちいただけますでしょうか」と確認しましょう。
長くかかりそうな場合は、一度電話を終えて折り返しにするのが良いでしょう。
相手が切ってから受話器を置く
電話ではかけてきた方が先に電話を切るのがマナーです。
受電対応では、相手が電話を切ったことを確認してから電話を切りましょう。
また、自分からかけた電話の場合でも、相手がお客様の場合は自分から先には切らず、相手が切るまで待つこともあります。
電話の相手によって臨機応変な対応を心がけましょう。
こんなときどうする?ケース別対応のポイント
どんなに注意していても、電話対応中にミスやトラブルが起きてしまうことはあります。
こうした際に適切な対応をとれるかどうかが、相手との信頼関係に影響します。
電話対応中にトラブルが起きた場合の対応方法をケース別に紹介します。
相手の社名や名前を間違えた
毎日多くの電話に対応していると、取引先の社名や人名を混同してしまうことはありますが、これは大変失礼にあたります。
電話対応のはじめに相手が名乗るのを聞いた時点で、必ず社名と名前をメモし、相手を呼ぶ時にはメモを見ながら話すようにしましょう。
それでも呼び間違えてしまった場合はすぐに謝罪し、正しい名前で対応しましょう。
よくかかってくる相手はリスト化しておくのもおすすめの方法です。
相手の声が小さくて聞こえない
電話対応で相手に向かって「声が小さくて聞こえません」と指摘するのは、相手を責めることになるのでNGです。
電話の声が小さい、発音がこもっていて聞こえづらいときは
「申し訳ございません、電話が少々遠いようなのですが」
とお伝えしましょう。
具体的に指摘しなくても、この言い方をすれば相手の方で声のボリュームや話し方を調整してくれるはずです。
電話対応中に電話が切れてしまった
電話対応中に保留や転送を行おうとして、誤って電話を切ってしまうことがあります。
また、どちらが原因かわからないけれど突然電話が切れてしまった、ということも起こります。
この場合、どちらに責任があるかにかかわらず、基本的には電話をかけた方からかけ直します。
相手からかかってきた電話であれば、再びかかってくるのを待ちましょう。
電話がかかってきたら、「先ほどは電話が切れてしまい申し訳ございません。おかけ直しありがとうございます」と、お詫びとお礼を伝えましょう。
「Canario(カナリオ)」を使えば社員の電話対応が不要に!
電話対応は毎日の業務の中で避けることができないものですが、取り次ぎなど自分の業務に関係ない電話対応を負担に感じている方も多いのではないでしょうか。
これまで社員がやるのが当たり前と思っていた電話対応、実はサービスを導入して自動化することもできるのです。
NECネッツエスアイが提供するビジネス向け電話転送サービス「Canario(カナリオ)」では、
- 担当者名による自動取り次ぎ
- 不在時の伝言テキスト化
- 営業時間外の応答
- 個人名を指定しない電話(セールスなど)への自動応対
などが可能となっています。
Canario(カナリオ)を使えば業務に不要な電話対応がなくなり、必要な電話は確実に受けられるので、自分のメイン業務に充てる時間が大幅に増加します。
在宅勤務でも自分への転送を受けられ、会社の番号で発信もできるので、テレワークとの相性も抜群です。
記事まとめ
電話対応の基本のビジネスマナーとトラブル対処法を解説しました。
電話対応が上手くなるには、基本マナーを覚え、実務経験を積むことが必要ですが、今はオフィスの電話対応を自動化できるサービスも登場しています。
このようなサービスを上手に活用し、業務改善やワークライフバランスの向上に役立ててください。