Microsoft 365ではユーザーのアカウントにライセンスを紐づけているため、利用するにはパスワードによる認証が必要です。
本記事では、Microsoft 365のパスワードの概要と、ログインできない・忘れた場合のリセット方法を解説します。
Microsoft 365のパスワード概要
パスワードは、サービス利用時の認証に使う文字列です。
Microsoft 365では、ユーザーは必ずアカウントを持っていますので、パスワードも全員設定済みとなっているはずです。
なお、法人向けプランでは、パスワードの有効期限や長さなどを組織でカスタマイズできます。
このため、共通のパスワードポリシーは存在していませんが、Microsoftでは推奨事項をガイドラインに示しています。
- 最大16桁
- 文字構成の要件を求めない
- 定期変更を求めない
- よく使われるパスワードの禁止
- 組織のパスワードの再利用禁止
- 多要素認証を適用する
パスワードはどんな時に必要か
Microsoft 365のパスワードを設定したものの、アプリやサービスの使い方によっては、あまりパスワードで認証する機会がないという方もいらっしゃるかもしれません。
Microsoft 365でパスワードによるログインを求められるのはどのような場面なのでしょうか。
Officeアプリインストール時
新しいパソコンにOfficeアプリをインストールする時は、ユーザーが各自でMicrosoft 365のアカウントページからOfficeのインストーラーをダウンロードする必要があります。
このとき、Microsoft 365アカウントページへのサインインのためにパスワード認証が行われます。
アプリのライセンス認証
インストールしたOfficeのデスクトップアプリを初めて起動した時に行われるライセンス認証でも、パスワードの入力を求められます。
モバイルアプリの場合は、パスワード認証なしでアプリをインストールすることができますが、サインインしないと有料版の機能を使うことができません。
必ずサインインしてから使うようにしましょう。
Webサービスのログイン時
Webブラウザ上で起動するサービス(Web版OfficeやSharePointなど)を使う際には、アカウントのサインイン画面が表示されます。
ブラウザにパスワードを保存しておけば認証を求められる回数は減りますが、パスワード変更後は必ず再認証が必要になりますのでご注意ください。
Microsoft 365のパスワード変更手順
Microsoft 365の法人向けライセンスでは、パスワードの有効期限は管理者によって設定されています。
このため、パスワード変更のタイミングは組織の方針によって異なり、頻繁に定期変更を求められる場合や、全く変更が必要ない場合などさまざまです。
ですが、定期変更を行わない場合でも、パスワード流出の疑いがある場合や不正ログインが検知された場合には、速やかにパスワードを変更する必要があります。
何かあった際にはすぐに対応できるよう、パスワード変更の方法を覚えておきましょう。
- Office.com(https://www.office.com/)にサインインします。
- 右上のユーザーアイコンをクリックし、「アカウントを表示」をクリックします。
- 「パスワードの変更」をクリックします。
- 古いパスワードを入力します。
- 新しいパスワードを2箇所に入力し、「送信」をクリックします。
サインインできない場合の対処法
メールアドレス・パスワードを入力してもMicrosoft 365にサインインできない場合の対処方法を紹介します。
入力ミスがないか確認する
サインインできないトラブルの原因で多いのが、入力ミスです。
特に、「パスワードは合っているはずなのにサインインできない」という場合は、大文字・小文字や記号が正しく入力されているか確認しましょう。
Caps Lockがオンになっていると、アルファベットの入力が大文字で固定されてしまいます。
正しく入力しているはずなのにエラーとなる場合は、Caps Lockキーがオンになっていないかも確認してみてください。
管理者がパスワードリセットする
パスワードを忘れてしまったり、何度試してもサインインできなくなってしまった場合は、パスワードリセットが必要です。
Microsoft 365の法人向けライセンスでは、管理者がユーザーに代わってパスワードをリセットすることができます。
ユーザーからパスワードリセットを依頼されたら、次の手順でリセットを行ってください。
- Microsoft 365 管理センター(https://admin.microsoft.com/)に管理者アカウントでサインインします。
- 「ユーザー」→「アクティブなユーザー」の順にクリックします。
- 該当のユーザーにチェックを入れ、「パスワードのリセット」をクリックします。
- 新しいパスワードの作成方法(自動生成または手動作成)を選択し、「リセット」をクリックします。
なお、ユーザーが仮パスワードのまま使用しないよう、初回サインイン時にパスワード変更を要求することもできます。
ユーザーが自分でパスワードリセットできるようにする
管理者によるパスワードリセットでは、ユーザーがパスワードを忘れるたびに管理者が対応しなければなりません。
タイミングによっては即時対応ができず、ユーザーがサービスを利用できない時間が発生してしまうこともあるでしょう。
Microsoft 365では、ユーザーによるパスワードリセットを許可する設定を行うことができます。
必要と判断した場合は、次の手順でセルフパスワードリセットを有効化してください。
- 管理者がMicrosoft 365 管理センター(https://admin.microsoft.com/)にサインインします。
- 「設定」→「組織設定」の順にクリックします。
- 「セキュリティとプライバシー」タブを選択します。
- 「セルフサービスによるパスワードリセット」をクリックします。
- Azure Portalに移動して、セルフサービスパスワードリセットを有効化します。
- 全ユーザーに適用するには、プロパティで「すべて」を選択します。
- 認証方法を選択して、「保存」をクリックします。
記事まとめ
Microsoft 365はアカウントでサインインすればすぐにサービスを利用できますが、パスワードを忘れてログインできなくなってしまうと何もできません。
安全性の高いパスワードを設定し、適切に管理するのが大切なのはもちろんのこと、いざという時のリセット方法も覚えておきましょう。