ビジネスでの電話対応は臨機応変な対応を求められるように見えますが、実は決まった流れで行われることがほとんどです。
受電・架電どちらの場合でも、電話対応の基本の流れさえ理解していれば戸惑うことはありません。
本記事では、電話対応の流れやマナー、心構えなど、電話対応の基本をまとめました。
これから仕事で電話対応を行う方や、うまく対応できずにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
電話を受けるときの基本の流れとマナー
まずは、電話を受けるときの基本の流れとマナーを確認しておきましょう。
3コール以内に電話を取る
電話を受けるときは、3コール以内に応答するのが一般的なマナーです。
電話が鳴りっぱなしで誰も出ないと、諦めて電話を切ってしまうお客様もいらっしゃいます。
ビジネスチャンスを逃さないためにも、電話はなるべく早く取るに越したことはありません。
3コールを過ぎてしまった場合は、「大変お待たせいたしました」と一言お詫びの言葉を添えるようにしましょう。
社名と名前を名乗る
ビジネスでは、電話を受けた方が先に自分の社名と名前を名乗ります。
「お電話ありがとうございます。株式会社○○ 営業部の田中でございます」
電話の第一声で会社に対するお客様の印象が決まってしまうと言っても過言ではありませんので、明るくハキハキと名乗りましょう。
用件を聞いて対応する
挨拶が終わったら、用件の聞き取りを行います。
自分が担当の場合は、まず相手の話を聞きましょう。
不明点がある場合は質問を挟んで相手の要望を的確に把握し、適切な対応を行います。
他の担当者へ取り次ぐ場合は、二度手間にならないよう、取り次ぎ対応者は簡単に用件を聞き、担当者にバトンタッチしてください。
担当者あての場合は取り次ぎを行う
電話の相手が担当者を名指しした場合や、自分の担当外の用件だった場合は、担当者に取り次ぎます。
担当者の在席状況を確認し、電話に出られる場合は相手の情報や用件を伝えてから電話を転送します。
相手を待たせることのないよう、転送の操作は速やかに行えるようにしておきましょう。
担当者が不在の場合の対応
担当者が外出していたり、電話対応できない状況の場合は、その旨を相手に伝え、今後の対応を相談します。
担当者の不在により相手に不便をかけてしまっているため、「担当者が戻り次第折り返す」というのが一般的な対応です。
相手のほうから「自分からかけ直す」「電話があったことを伝えてほしい」と言われた場合は、その旨を担当者に伝えましょう。
電話対応を終えたら、受けた電話の内容をまとめた伝言メモを作り、担当者に情報を共有します。
電話をかけるときの基本の流れとマナー
電話を受けるときの基本の流れがわかっていれば、かけるときにも応用できます。
こちらから電話をかけるときの流れとポイントを確認していきましょう。
電話をかける時間帯に配慮する
こちらから電話をかける場合には、相手の仕事の妨げにならないよう、かける時間帯に配慮する必要があります。
相手の状況を完全に把握することはできませんが、「始業前」「昼休み前後」「終業前」「休み明け」などは一般的に忙しいことが多いため、避けた方が良いでしょう。
事前に準備をしておく
電話をかけるときは、こちらの用件のために相手の貴重な時間を割いてもらっているということを意識する必要があります。
話す内容が整理されていないと、話が前後したり、抜け漏れが生じてしまったりして、相手に余計な手間をかけさせてしまうことにもなりかねません。
電話をかける前に話す内容をリストにまとめ、必要な資料を用意しておきましょう。
取り次ぎを依頼する場合は用件を具体的かつ手短に伝える
取り次ぎの社員に用件を話す際は、なるべく簡潔にまとめるようにしましょう。
「先日お送りした見積書の件でお電話しました」
「明日の会議の開始時間の件です」
このように一般的な言葉を使えば担当外の社員にも分かりやすく、伝言もスムーズです。
転送を受けた担当者も、電話に出る前に資料を手元に用意するなどの準備をすることができ、お互いの時間を節約できます。
折り返しの場合、伝言を確認してから電話をかける
受けた電話への折り返しで電話をかける場合、なるべく早く折り返すのがマナーです。
しかし、相手が伝言を残しているにもかかわらず確認せずに電話をかけてしまうと、相手は再度用件を話さなければならず二度手間になってしまいます。
必ず伝言の内容を確認し、依頼されている対応を済ませてからかけるようにしましょう。
ビジネス電話対応の心構え
電話対応では「社員の声が聞き取りにくかった」「長く待たされた」など悪い面が目につきやすいため、より慎重・丁寧に応対する必要があります。
印象の良い電話対応を行うための心構えを確認しておきましょう。
聞き取りやすい話し方・声のトーンを意識する
電話対応では声がこもって聞こえるため、聞き間違ってしまったり、聞き取れなくて何度も聞き返さなければならないことがよくあります。
話した内容を相手にストレスなく理解してもらえるよう、普段よりもゆっくり話す・少し高めのトーンでハキハキ話すなど、聞き取りやすい話し方を意識しましょう。
誤った敬語に注意
ビジネスの電話対応では基本的に敬語で応対しますが、注意しなければならないのが、敬語の誤った用法です。
例えば、「ファミコン言葉」と呼ばれる、ファミレスやコンビニの接客で使われている言葉の中には、「一見礼儀正しいように見えて実は誤り」といった例も少なくありません。
こうした言葉は身近で使われているため、電話対応でうっかり口にしてしまわないようにしましょう。
誤 | 正 | |
---|---|---|
頂戴する | お名前を頂戴してよろしいでしょうか。 | お名前を教えていただけますでしょうか。 |
〇〇のほう | 資料のほうをお送りいたしました。 | 資料をお送りいたしました。 |
よろしかったでしょうか | 以上でよろしかったでしょうか。 | 以上でよろしいでしょうか。 |
身内に役職・敬称を付けない
社内では、「○○部長」「〇〇さん」など、名前に役職名や敬称をつけて呼び、目上の人には尊敬語を使いますね。
しかし、社外に対しては、自社の社員はすべてへりくだって表現するため、「呼び捨て+謙譲語」を使います。
社内向けの言い方に慣れている場合、お客様の前で社員に敬称をつけたり、尊敬語を使ったりしてしまわないよう注意しましょう。
例:「山田部長は外出していらっしゃいます」→「山田は外出しております」
重要なことは復唱して確認する
電話対応中に「人の名前」「固有名詞」「依頼内容」などを聞いたら、復唱して確認しましょう。
これらの情報を聞き間違ったり、誤って記憶したまま話を進めてしまうと、誤解やトラブルの元になりかねません。
たとえ聞き間違っていても、復唱すればその場で正しい情報を得ることができますので、重要なことは必ず復唱して確認する癖をつけましょう。
保留は30秒以内に
電話対応中の保留は、長くて30秒が限度です。
また、保留中も相手には通話料が発生していますので、1回の電話で何度も保留にすることはなるべく避けましょう。
ちょっとした確認作業や担当者への転送など短時間で済む場合は保留を使い、調べもので時間がかかりそうな場合や担当者の内線を鳴らしても応答がない場合は、電話を折り返しにするのが良いでしょう。
切るときは静かに受話器を置く
電話を切る時に受話器をそのまま戻して「ガチャン」と切るのは印象が良くありません。
ビジネスの電話対応では、相手がお客様の場合は相手が切るまで待つのがマナーです。
こちらから先に切る場合は音をたてないように静かに受話器を置きましょう。
電話機のフックボタンを押して切る方法もおすすめです。
電話対応の悩みを解決できるサービスとは
オフィスの電話対応では、
「自分の業務に関係のない電話の取り次ぎを行わなければならない」
「電話対応のため外出やリモートワークが制限される」
「出張や会議が多く、電話がいつも折り返しになってしまう」
など、社員一人一人が異なる悩みを抱えているのではないでしょうか。
このような電話対応の課題をまとめて解決できるのが、NECネッツエスアイが提供する電話対応サービス「Canario(カナリオ)」です。
Canario(カナリオ)には、
- 担当者名を認識して自動転送するから、社員による取り次ぎが不要
- 代表電話にかかってきた電話もスマホで受けられるから、外出先やリモートワークでも電話対応できる
- 不在時の伝言はテキスト化してメッセージ送信するから、速やかな用件確認が可能
というように、電話対応に関する社員の業務負荷を軽減する機能が揃っています。
対応を自動化することで担当者へのスムーズなアクセスが可能になるため、何度も電話が行き違いになることなく、お客様とのストレスフリーなコミュニケーションを実現します。
記事まとめ
ビジネスの電話対応は基本の流れに沿って行われていますので、受電対応がスムーズにこなせるようになれば、電話をかけるときも相手に配慮した対応ができるようになります。
新入社員が最初にオフィスの電話対応を学ぶのは、このためでもあるのです。
ただし、電話対応が多く業務の妨げになる場合や、お客様との連携が上手くいかない場合は、電話対応サービスを導入して対応の一部を自動化する方法も有効です。
オフィスの電話対応の悩みを解決するCanario(カナリオ)の詳細は、NECネッツエスアイへお気軽にご相談ください。