かかってきた電話を受ける時の電話対応マナーについては、会社の研修で習ったり、書籍などから学ぶ機会がありますが、電話をかけるときのマナーについてはよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、自分から電話をかけるときのビジネスマナーを解説します。
電話をかけるときの対応の流れ
まずは、ビジネスで電話をかける場合の基本の流れを確認しておきましょう。
- 相手が電話に出て名乗る
- ★自分が名乗る
- ★電話に出た人に用件を簡潔に伝える
- ★取り次いでほしい場合は担当者名を伝える
- 電話が担当者へ転送される
- ★担当者が電話に出たら本題に入る
- ★担当者が不在の場合は、希望する対応を伝える
- ★電話をかけた側が先に電話を切る
会社で日常的に電話対応を行っている方は、受けるときの手順はご存じかと思いますが、かけるときはその逆を行うことになります。
上記手順の★マークの部分が、自分から電話をかけるときに行う手順です。
自分から電話をかけるときの基本マナー
電話で話すということは、先方の担当者や電話対応を行う社員の時間を割いてもらうということです。
電話をかけるときには、相手の負担にならないよう配慮することを忘れないでください。
特に注意すべきマナーについて解説します。
忙しい時間帯を避ける
オフィスで電話対応を行っていると、忙しくて電話に出られない時間帯や、電話が集中して取り切れない時間帯があることに気づくかと思います。
自分から電話をかけるときは、これらの時間帯を避けることで相手の負担になりにくく、電話を取り次いでもらいやすくなります。
電話をかけるときに避けるべきなのは、主に次のような時間帯です。
- 始業直後
- 昼休み前後
- 終業前
- 月曜日の午前中
- 営業時間外・休日
事前準備をしておく
電話をかけるときには、いきなりかけるのではなく、十分な事前準備を行いましょう。
- 相手の連絡先、社名、部署名を確認する
- 話す内容についてまとめておく
- 必要な資料があれば手元に用意する
- 担当者が不在だった場合にどうするか考えておく
電話をかけてから行き当たりばったりに話していると、冗長になってしまったり、用件に伝え漏れが発生したりと相手にも迷惑がかかってしまいます。
電話をかけるときには、スムーズに会話が進むよう、準備を怠らないのがポイントです。
はっきりと話す
電話は声のみのコミュニケーションですので、話し方には特に注意する必要があります。
電話対応に慣れている人・電話をかけ慣れている人ほど早口になりがちですが、それでは相手が聞き取れないこともあります。
特に、社名や個人名などは聞き取りにくいため、ゆっくり、はっきりと発音するようにしましょう。
逆に、相手の言ったことが聞き取れない・わからない時は聞き返したり、復唱して確認することも必要です。
取り次ぎの社員には用件を簡潔に説明する
会社では、オフィスにいる社員が取り次ぎなどの電話対応を行うことがほとんどです。
このため、電話の取り次ぎをお願いする際には、用件をなるべく簡単な言葉で説明しましょう。
担当者には通じる専門用語も、取り次ぎを行っている社員には馴染みのない言葉かもしれません。
用件を長々と話してしまうと、それだけ担当者への取り次ぎにも時間を要してしまいます。
「納品日の調整についてお電話いたしました」など、用件を簡潔にまとめ、担当者への取り次ぎを依頼しましょう。
電話を切る時は静かに受話器を置く
電話は、かけた方が先に切るのがマナーです。
このとき、勢いよく受話器を置いてしまうと、相手に「ガチャン!」という音が聞こえ、乱暴な印象を与えてしまいます。
電話をかけるときはこちらから先に切ることになりますので、静かに受話器を置くか、フックボタンをゆっくりと押して電話を切りましょう。
架電で使える電話対応フレーズ
自分から電話をかける場合は、主にこちらの用事であることが多いですね。
そのために時間を割いてくれている相手に対する敬意と感謝を忘れず、丁寧な言葉遣いで対応しましょう。
電話をかけるときに使える例文を紹介します。
相手が電話に出たとき
ビジネスでは、電話に出た方が先に名乗るのがマナーです。
相手が電話に出て、「お電話ありがとうございます。株式会社△△でございます」と名乗ったら、それに続き
「お世話になっております。〇〇社の佐藤と申します」
と名乗ってから、用件を切り出しましょう。
担当者への取り次ぎを依頼するとき
特定の担当者への取り次ぎをお願いするときは、担当者の名前と合わせて用件を伝えます。
具体的な用件を伝えることにより、取り次ぎの際に電話の重要度や緊急度が伝わりやすくなります。
逆に、用件を一切言わずに取り次ぎを求めると、「営業電話かもしれない」と警戒されてしまうかもしれません。
例文
「明日の商談についてご連絡を差し上げました。担当の田中様はいらっしゃいますでしょうか」
担当者が不在のとき
取り次いでほしい担当者が不在の場合、希望する対応について相手に伝えます。
例文
「恐れ入りますが、戻られましたら〇〇社の佐藤まで折り返しご連絡くださるようお伝えいただけますでしょうか」
「あらためてこちらよりお電話させていただきますので、お戻りの時間を教えていただけますでしょうか」
「電話があったことをお伝えいただけますでしょうか」
「では、メールをお送りいたしますので、ご確認いただくようお伝えいただけますでしょうか」
電話をかけ直したとき
相手と行き違いになってしまった場合や、至急の用件があるときは、一日に何度も電話をかけなければならないこともありますね。
そのような場合、電話を取った相手にも何度も時間を割いてもらうことになりますので、お詫びの言葉を添えてから本題に入りましょう。
例文
「度々申し訳ございません。〇〇社の佐藤でございます。田中様はいらっしゃいますでしょうか」
相手が不在だった場合の電話対応マナー
電話をかけるとき、相手が会社にいるかどうかを事前に知ることはできません。
担当者が不在だった場合にどうするかについても、事前に考えておきましょう。
担当者との関係性によって対応は変わってきますが、ここでは一般的なマナーを紹介します。
基本的に自分からかけ直す
依頼や確認事項など、自社都合の用件の場合、基本的には自分からかけ直すのが良いでしょう。
先方から折り返しを提案された場合は、「恐れ入ります。では、戻られましたら○○社の佐藤までご連絡をいただけますでしょうか。本日18時までは社におります」と、連絡がつきやすい時間を伝えましょう。
伝言は具体的かつ簡潔に
電話に出た社員に伝言を依頼する場合、あいまいな表現や複雑な内容は避け、なるべく具体的かつ簡潔にまとめましょう。
例えば見積の再発行を依頼したい場合、「先日いただいたお見積書ですが、数量を50個に変更して再度お見積りいただけますでしょうか」という具合です。
このように伝えておけば、担当者が何をすれば良いか明確になり、何度もやり取りをする手間が省けます。
何度も行き違いになる場合は、他の連絡手段も検討する
タイミングが合わず、こちらから電話をかけたり相手から折り返してもらったりしても何度も行き違いになってしまうことがあります。
そのような場合は、電話以外の連絡手段も検討しましょう。
例えばメールやチャットなら都合の良いタイミングで確認でき、時間も取らないため、お互いの負担になりません。
記事まとめ
自分から電話をかけるときのビジネスマナーと注意点、架電時に使える例文を紹介しました。
ただし、会社に電話をかけると、不在や多忙で行き違いになってしまうことも意外と多いものです。
本記事を監修しているNECネッツエスアイの電話対応サービス「Canario(カナリオ)」を使うと、自分が外出中でも携帯へ電話を転送できたり、不在時の伝言を自動テキスト化できたりと、電話対応の悩みをまとめて解決することが可能です。
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