SharePointという名前はよく耳にするけれど、
「一体どんなことができるのかよくわからない」
「自社に必要なのか判断できない」
という方も、実は多いのではないでしょうか。
本記事では、
- SharePointとはどんなサービスなのか?
- SharePointの主要機能とは?
といった、SharePointの基礎知識を解説していきます。
SharePointとは
SharePointとは、マイクロソフトが提供する、情報の共有や管理を目的としたプラットフォームです。
現在は、大きく分けて次の2つのバージョンが提供されています。
- SharePoint Server
- SharePoint Online
SharePoint Server
SharePoint Serverとは、ドキュメントの管理・共有やサイト作成などの機能を有するSharePointのオンプレミス版です。
サーバーにインストールして使用するため、ソフトウェアライセンスだけではなく、オンプレミスサーバーの設置やメンテナンス・アップグレードなども必要で、比較的コストが高くなる傾向があります。
また、新機能の追加やセキュリティ対策のためのアップデートは企業で自ら行わなければなりません。
運用にはコストや手間がかかるものの、オンプレミスのため企業独自のカスタマイズなどにも対応でき、後述するShare Point Onlineよりも拡張性が高いのが特徴です。
社内サーバーを利用するためセキュリティ的にも守られていますが、社外からアクセスしたい場合は追加の設定が必要となる場合があります。
SharePoint Online
SharePoint Onlineとは、Share Pointの機能をクラウドベースで提供するサービスです。
ライセンスはサブスクリプションとなっており、有効なライセンス契約があれば自動的にアップデートが行われるため、手動でのメンテナンスも不要です。
物理サーバーは必要なく、ライセンスとWebブラウザさえあればどこからでもアクセスできるため、オンプレミス版に比べて導入のハードルは低いと言えるでしょう。
もちろん、マイクロソフトが提供するプラットフォームのため、安全性は非常に高いと言えます。
カスタマイズの自由度は制限されていますが、ITに詳しくない担当者でも直感的に操作できるという点も大きなメリットです。
また、クラウドベースのためアップデートが頻繁に行われており、今後の新機能追加や機能改善にも期待できます。
機能と活用方法
SharePointの主要機能とは、どのようなものなのでしょうか。
多くのSharePoint導入企業で使われている3つの機能を紹介します。
社内ポータルサイト作成
Share Point上に、組織のコミュニケーションサイトやポータルサイトを構築することができます。
テンプレートやWebパーツなどの素材が用意されているため、HTMLやCSSを用いなくても、パーツの選択やドラッグ&ドロップで手軽にページをデザインすることが可能です。
サイトには公開範囲設定やアクセス権の制限を設けることができますので、全社向けのサイトやチーム・プロジェクトのサイトなど、さまざまな用途のサイトをShare Point上に集約し安全に運用できるのが特徴です。
SharePointでは全体を横断的に検索することができるため、データの在り処を忘れてしまっても心配はいりません。
SharePoint上に情報を集約しておけば他の場所を探す必要はなくなり、これまで資料を探し出すために費やしていた時間を有効に活用することが可能になります。
ファイル共有・共同編集
SharePointにファイルをアップロードして、クラウドストレージのように使うこともできます。
部署やチームごとにライブラリを作成しておけば、ファイルサーバーの代用にもなるでしょう。
メンバーへファイルの受け渡しを行いたい場合は、メールに添付するのではなくSharePointに保存すれば、全員が同じファイルにアクセスできます。
さらに、SharePoint上のファイルは複数ユーザーで同時に編集ができますので、離れた場所にいるメンバーとも共同作業が可能です。
ワークフロー
SharePointには、業務プロセスを自動化する「ワークフロー」機能も搭載されています。
例えば、書類を複数の担当者に回覧して承認を得なければならない場合、紙の書類を回していたのでは非常に時間がかかりますね。
メールで回覧する場合は途中で回覧順がわからなくなってしまったり、他のメールに紛れて放置されてしまったりするリスクがあります。
SharePointのワークフローでは承認プロセスを自動化できますので、こうした心配はありません。
あらかじめ指定したフロー通りに回覧が行われ、「承認」「拒否」それぞれでアクションを分岐させられますので、承認者へ負担をかけずスムーズに承認を完了させることができます。
Microsoft 365でSharePointを使うメリットとは
SharePoint Onlineは、サーバーの運用・管理が不要で初期コストも抑えられるため、SharePoint Serverに比べて導入しやすいサービス内容となっています。
SharePoint Online単体でのライセンスもありますが、近年はMicrosoft 365の法人向けプランで利用される企業様が増えています。
Microsoft 365でSharePoint Onlineを利用すると、次のようなメリットがあるのです。
Officeアプリと互換性がある
社内のデータ保管にクラウドストレージの導入が進んでいますが、サービスによってはOfficeアプリと完全な互換性がない場合もあります。
マイクロソフト社製のSharePoint Onlineならば、多くの企業で使われているWordやExcelのファイル形式に対応していますので、文字化けやレイアウト崩れの心配がありません。
また、SharePoint Onlineに保存したファイルを共同編集する際にも、使い慣れたOfficeのデスクトップアプリを起動して作業することができ、業務効率が向上します。
Microsoft 365のツールと連携できる
SharePoint Onlineは独立したサービスではなく、Microsoft 365のさまざまなツールと連携しています。
例えばTeamsのチーム内で共有したファイルはSharePoint Onlineに保存されていて、Teamsで直接開くことも可能です。
また、Microsoft 365で動画ファイルの管理を行う「Stream」は現在、SharePointに移行されていますので、動画ファイルの再生や共有もSharePoint上で行うことができます。
業務で使用するツールをMicrosoft 365で揃えることにより、アプリ間をシームレスに移動して効率的に業務を進めることが可能となるのです。
記事まとめ
SharePointを一言で表すと「情報共有ツール」ですが、その中身はサイト作成・ドキュメント管理・ワークフローなど、たった1つのツールで何役分もの働きがあるのがわかります。
もしも今、すでにOfficeアプリを使用されているのであれば、SharePoint Onlineの利用でファイル共有や共同作業の利便性が大幅に向上することでしょう。
SharePoint Onlineの詳細はこちらの記事でも紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。