ビジネスやプライベートでファイルを共有する機会が増えている今日では、オンラインストレージサービスを普段から利用している・または利用したことがあるという方が大半なのではないでしょうか。
無料で使えるオンラインストレージサービスも多くあり、誰でも気軽に使える一方で、最初にオンラインストレージの選び方を間違ってしまうと、後から容量追加のために課金しなければならなくなったり、サービスを乗り換えなければならなくなることもあります。
この記事では、オンラインストレージを選ぶ際に重要なデータ容量について、目的別に解説していきます。
また、特にビジネス利用において容量以外に重視すべきポイントも紹介していますので、オンラインストレージ選びの参考になさってください。
オンラインストレージ・クラウドストレージを導入するメリット
まずは、オンラインストレージ・クラウドストレージの利用にはどのようなメリットがあるのかを確認しておきましょう。
ストレージ容量不足対策となる
プライベートでもビジネスでも、データの量は日々増加していきます。
特に写真・動画などのメディアファイルは容量が大きく、パソコンやスマホのストレージ容量がすぐに一杯になってしまうという方も多いのではないでしょうか。
オンラインストレージを使用することで、デバイスのストレージ容量を超えるデータも保管することができるようになります。
ファイル・データ共有が容易
ファイルやデータを他の人に渡したい場合、メールに添付したり、USBメモリなどに保存して手渡したりするのは手間がかかりますね。
オンラインストレージであれば、保存先のリンクを送るだけで簡単にファイルの共有が完了します。
メールの添付ファイル容量上限を気にすることなく、大容量のファイルを共有できるのも大きなメリットです。
また、編集権限をつけて共有すれば、相手にファイルを編集してもらうことも可能になります。
モバイルデバイスを活用できる
外出先で資料の確認や修正を行いたい場合、いちいちノートパソコンを取り出すのは面倒ですね。
ファイルをオンラインストレージに保存しておけば、スマホやiPhone、タブレットからもファイルを閲覧したり、編集を行ったりすることができます。
インターネット環境さえあれば場所を問わずに作業を行うことができるため、スキマ時間の有効活用にも役立ち、ビジネスを効率化することができるのです。
オンラインストレージに必要な容量とは?目的別の選び方
オンラインストレージサービスは、提供される容量によってプラン料金が分かれていることがほとんど。
そのため、サービス選びの際には、まずどのような使い方をするのかを明確にし、適切な容量を知ることが大切です。
この章では、オンラインストレージにどれくらいの容量が必要になるのかを目的別に解説していきます。
【個人・2GB~15GB】個人データの共有なら無料版でも十分
個人で撮影した写真やドキュメントの共有が目的の場合、2GB~15GBの容量があれば足りるという方も少なくありません。
この容量ならば、各サービスの無料プランでまかなえる場合も多く、Google Drive(グーグルドライブ)では無料で最大15GBのオンラインストレージを利用できます。
Google Drive | Dropbox | OneDrive | |
---|---|---|---|
プラン名 | 個人向け(無料) | Basic | Microsoft 365 |
公式価格 | 無料 | 無料 | 無料 |
容量 | 15GB | 2GB | 5GB |
【個人・100GB~】動画・画像の保存には有料版も検討しよう
個人でも、高画質の写真や長時間の動画を保存する場合、無料版ではあっという間にストレージが一杯になってしまいます。
このような場合は、100GB以上のプランを検討しましょう。
ファイルのバックアップが目的の場合は容量が年々増加していきますので、将来的に容量を追加したり、プランを変更することも必要になるかもしれません。
Google One | Dropbox | OneDrive | |
---|---|---|---|
プラン名 | ベーシック | Plus | Microsoft 365 Basic |
公式価格 | ¥250 (月額) |
¥1,200 (年契約・月額) |
¥2,440 (年契約・月額) |
容量 | 100 GB | 2TB | 100GB |
【法人・500GB~】大容量の法人向け製品を選ぼう
ビジネス用途の場合は、どの業種でもおおむねユーザー1人あたり500GB以上を確保しておくのが安心です。
企業の規模や扱うデータの種類によってはそれ以上必要となるケースもありますので、自社の保有するデータの容量を的確に把握してオンラインストレージを選びましょう。
法人向けオンラインストレージには1TB以上の大容量を提供するものや、容量無制限のサービスもあります。
ビジネスの成長を見込んで、ストレージ容量には余裕を見ておくことも大切です。
Box | Google Workspace | Dropbox | OneDrive | |
---|---|---|---|---|
プラン名 | Business | Business Standard | Business | Microsoft 365 Business Standard |
公式価格 | ¥1,881 (年契約・月額) |
¥1,360 (年契約・月額) |
¥1,500 (年契約・月額) |
¥1,874 (年契約・月額) |
容量 | 容量無制限 | 2TB/ユーザー | 9TB~(チーム全体) | 1TB/ユーザー |
法人向け製品で重視すべきポイント
特にビジネス用途では、オンラインストレージの容量以外にも重視しなければならない点がいくつかあります。
法人向けオンラインストレージ選びで重要なポイントを確認しておきましょう。
セキュリティ機能が充実している
企業でオンラインストレージサービスを利用する場合には、データの機密性とセキュリティが最優先と言っても過言ではありません。
情報漏えいや不正アクセスなどからデータを守るためにも、エンドツーエンドの暗号化、多要素認証、セキュリティ監査といった機能を提供するオンラインストレージが理想的です。
ユーザー管理がしやすい
法人利用では従業員一人一人がオンラインストレージのアカウントを持つことになるため、管理者が全ユーザーを一元管理できる仕組みが必要です。
例えば従業員が退職した場合のアカウント凍結や、新たな従業員へのアクセス権限付与など、ユーザー管理機能が充実しているかどうかをチェックしましょう。
アクセス権を設定できる
企業で取り扱うデータの中には、個人情報や機密性が高い情報が含まれています。
このため、プロジェクトごと、部署ごと、あるいは役職ごとにファイルやフォルダーへのアクセス権を設定し、必要な人だけが情報にアクセスできるように制限することが重要です。
業務に必要のないデータをそもそも見せないようにすることが、情報の不正利用や漏えいのリスクを抑えることになるのです。
安定したサービスを提供している
企業のデータをオンラインストレージに保存する場合、サービスの安定性において実績のあるプロバイダーのものを選びましょう。
日常業務の円滑な運営はもちろんのこと、災害や緊急時においても業務を継続するための対策がされているかどうかも重要です。
データセンターの物理的なセキュリティや、災害時におけるデータのバックアップ・復旧プロセス、さらにはサーバーの冗長性などBCP対策の部分も細かくチェックしましょう。
まとめ
オンラインストレージ選びで重要視される容量について、目的別に必要な容量の目安を紹介しました。
- 個人データの共有:2GB~15GB
- 動画や高解像度の写真の保存:100GB~
- ビジネス利用:500GB~
また、法人利用の場合は、十分なストレージ容量が提供されるだけではなく、セキュリティやアクセス権管理などの機能が揃っていることも重要です。
容量以外にも、「どのようなデータを保存するのか」「誰がどのようにアクセスするのか」といった点も踏まえ、信頼性の高いオンラインストレージを選びましょう。
オンラインストレージの選び方やおすすめのサービスはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてお読みください。