新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、政府は2021年4月、まん延防止等重点措置(通称“まん防”)を一部の都道府県に適用する方針を表明しました。
“まん防”の適用に伴い、該当地域のオフィスや施設では更なる感染対策の実施を求められることが予想されます。
そんなNew Normal時代のオフィス設計におすすめしたいのが、Zoom Roomsのシステムです。
この記事では、Zoom Roomsの概要と、室内の空気を管理・監視できるZoom Rooms向けデバイス「Neat」の使い方をご紹介します。
NeatでCO2濃度や湿度などを“見える化”して、安全性の保たれたミーティング空間を整えていきましょう。
Zoom Roomsとは?基本的な機能と使い方
Zoom Roomsとは、会議室などに設置して利用する常設タイプのWebミーティングシステムです。
まずは、Zoom Roomsの特徴と、Zoomミーティングとの使い方の違いについて詳しく見ていきましょう。
Zoom Roomsの特徴と導入メリット
Zoom RoomsはZoomミーティングのオプション機能として用意されているシステムです。
会議室などに設置することで、簡単にWebミーティングの環境を構築することができます。
Zoom Roomsの特徴は、Zoomアプリが入った端末であれば、どこにいる相手とでも接続ができるという点。
専用機器が設置された会議室同士での接続しか行えない従来のテレビ会議システムと違い、Zoom Roomsなら相手がどこにいても簡単にミーティングへ招待できます。
またZoom Roomsはインターネットに繋がる回線さえあれば、別の部屋にパソコンや周辺機器を移動させても同じように使用できる点もメリット。
従来のテレビ会議システムのような通信の安定性に加え、利便性の高いWebミーティングツールとしての使い方ができるシステムがZoom Roomsなのです。
Zoomミーティングとの違い
一般的なZoomミーティングとZoom Roomsには、使い方の面で以下のような違いがあります。
Zoom ミーティング | Zoom Rooms | |
---|---|---|
使い方 | 各個人のデバイス(PC・スマホ・タブレット)からZoomを利用 | 会議室に常設されたディスプレイからZoomを利用 |
操作方法 | デバイスのアプリから直接操作 | タブレットなどをRoomsコントローラーとして利用 |
契約単位 | 個人 | 会議室 |
周辺機器 | 不要(デバイスによってはマイク・スピーカー・Webカメラなどが必要) | ディスプレイ・操作用タブレット・マイク・スピーカー・Webカメラ |
個人間での会議は通常のZoomミーティング、複数人で会議室に集まって取引先や各拠点のスタッフと会議を行う場合はZoom Roomsの利用がおすすめです。
なおZoom Roomsを利用するにはZoomミーティングのライセンスが必要となるため、ミーティングライセンスと同時に契約するか、先にライセンスを取得したうえでRoomsの契約を検討する流れとなります。
会議室にプラス!空気を管理する【Neat Sense】の活用方法
2020年末から販売が開始された「Neat」シリーズは、Zoom Rooms専用のオールインワンデバイスです。
シンプルで洗練されたデザインが魅力の他、内蔵センサーによって会議室内の空気環境を“見える化”できるという特徴を持っています。
続いて、会議室の“まん防”に役立つNeatシリーズの特徴と使い方について詳しく見ていきましょう。
Neatシリーズの特徴
Neatシリーズはノルウェーに本社を構えるNeatframe Ltd.が開発したZoom Rooms専用の端末です。
Neatシリーズの機器だけでZoomによるミーティング空間を構築でき、複雑な設定・使い方を必要としないのが魅力。
またZoom専用機器として設計されているため、Zoomの管理画面からNeatの情報を確認することができます。
Neatシリーズの主要製品は以下の3種類です。
Neat Board | PC不要で導入できるオールインワン型製品(タッチスクリーン・カメラ・スピーカー・マイク・センサー搭載) |
---|---|
Neat Bar | 任意のディスプレイに組み合わせて利用するバー型製品(カメラ・スピーカー・マイク・センサー搭載) |
Neat Pad | コントローラーやスケジューリングディスプレイとして利用するタッチパネル型製品 |
それぞれの製品詳細と使い方はこちらから確認できます。
Neat Senseで計測できる項目
Neatシリーズの大きな特徴として、人感センサーをはじめとする様々なセンサーによって会議室を管理できるという機能があります。
Neatで計測できる項目は以下の通りです。
温度センサー
温度センサーの精度は+15~40℃の範囲において±1℃程度です。
Zoom Roomsの管理ポータルから測定単位(摂氏または華氏)を設定することができます。
湿度センサー
湿度センサーの精度は20%~80%RHの範囲において±3.5%RH程度です。
CO2eq・TVOCセンサー
CO2eqセンサーはCO2の推定値を計測します。
精度は±15%程度で、400ppmから60000ppmまで測定可能です。
またTVOCセンサーは総揮発性有機化合物(有機化学物質・ニオイなど)を計測します。
精度は±15%程度で、0ppb~60000ppbまで測定可能です。
Zoom Roomsを利用する会議室で24時間以上Neatを起動させておくことで、より信頼性の高い計測値の表示ができるようになります。
但し、Neatで計測できるのは標準的なオフィス環境でCO2濃度の推定値であり、実際にCO2を検出しているわけではないため、あくまで環境改善の一つの目安として利用するのがよいでしょう。
人感センサー
Neatを活用すれば、室内にいる人の数を検出することも可能です。
生体認証データを分析したり保存したりするといった使い方ではなく、単なる人数カウントとして機能します。
Zoom Roomsの管理ポータルから人数カウントの有効化・無効化を設定できます。
管理者が会議室の最大入室人数をあらかじめ決めておき、その基準値を超える入室がどれくらいあるかを把握することで、頻繁に超過している場合に人数制限順守の徹底を促す表示をサイネージに流すなど、様々な改善策を講じることができるのではないでしょうか。
Neatシリーズのおすすめ利用シーン
Neatは企業のオフィスをはじめ、以下のような場所での利用も効果的です。
- 学校や幼稚園などの教育施設
- フィットネスクラブ
- パーソナルオフィス・在宅ワーク
新型コロナウイルスの影響で学校に通えない場合でも、Neatなら簡単にオンライン授業の環境を整えることができます。
フィットネスクラブなどのオンラインレッスンにも活用できるでしょう。
またオンライン化せず施設に外部の人を入れる場合も、Neatがあれば室内の空気環境を管理できるため、定期的な換気などに活用することができます。
画像引用: https://support.neat.no/article/neat-sense-and-neat-sensors/
“まん防”を意識したZoom Roomsの便利な使い方
Neat以外にも、Zoom Roomsには“まん防”に役立つ様々な機能・機器が用意されています。
画面共有でデジタルサイネージ化
Zoom Roomsが使用されていないときは、画像・ビデオ・Webサイトなどの画面共有を行うデジタルサイネージモードとしての使い方が可能です。
画面共有で表示させるコンテンツは部屋・フロア・場所またはアカウント単位で設定できます。
無人の受付・フロント・サービスデスクとして活用
人と人との接触を減らすために、仮想のフロント係を配置するという使い方もおすすめです。
ディスプレイ越しに受付ができるため、“まん防”の観点からもパーテーションやマスクなどより高い効果が期待できます。
オフィス間・オフィス内システム
各拠点のオフィスやフロアごとにZoom Rooms用のディスプレイを設置すれば、移動の必要性がカットされ、安全にコミュニケーションを図ることができます。
離れた場所にいる仲間とも気軽にやり取りができるため、業務効率化やモチベーション維持などにも有効な使い方です。
まとめ
- Zoom Roomsとは、会議室に常設して利用するWebミーティングツール
- Neatシリーズを組み合わせることで、室内のCO2濃度や湿度などを計測し、空気環境を管理できる
- Zoom Roomsはデジタルサイネージや仮想受付・フロントとしての使い方も可能
Zoom Roomsは個々の感染対策だけでなく、オフィス全体の“まん防”に効果的なツールです。
これからZoomを導入予定の企業・団体様はもちろん、すでにZoomを導入済みの場合も、改めてRoomsやNeatの契約を検討してみてください。
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