Zoomには、ホストと参加者のモニターに同じ画面を表示する「画面共有」という機能があります。
画面共有を利用することで、アプリの画面やスライドショーをはじめ、YouTubeなどの動画も共有できるため、Zoomでセミナー・講演会を実施する方は一通り操作を知っておくと便利です。
この記事では、Zoomの画面共有を利用したYouTube動画の共有方法と、共有がうまくできないときの原因・対処法を解説していきます。
Zoomの画面共有機能でできること
まずは、Zoomの画面共有機能を利用して共有できる主なデータ・ファイルの種類を見ていきましょう。
パソコン・スマホの画面共有
画面共有の際に最もよく選択されるのが、パソコンやスマホ・タブレットの操作画面の共有です。
デバイスの画面を共有することで、複数アプリの画面を同時に表示したり、複数アプリの画面を切り替えながら説明したりするといった操作が可能になります。
またZoomの画面共有を利用すれば、スマホの画面をパソコン上に表示させるといったこともできるため、例えばゲーム配信などを行う際にも活用できます。
個別のアプリケーション画面の共有
デバイスの画面全体ではなく、個別のアプリを指定して共有することも可能です。
起動中のアプリの中で参加者側に表示したくないものがある場合には、アプリを指定して必要な画面のみを表示させるようにしましょう。
ホワイトボード
画面共有機能でホワイトボードを選択すると、白紙の画面が表示され、ホストと参加者が相互にテキスト入力や図形描画を行えるようになります。
会議中のアイデア出しや、議事録作成時のメモとして活用すると便利でしょう。
またZoomの最新バージョン(5.10.3以降)には、ミーティングから独立した形でホワイトボードを利用できる「Zoom Whiteboard」機能が新たに搭載されました。
ホワイトボードの作成・共有・編集が可能となっており、ミーティング終了後もホワイトボードのデータが消えないといった点が特徴です。
PowerPointのスライドショー
Zoomには、任意の画像や動画を画面の背景に設定できる「バーチャル背景」という機能があります。
このバーチャル背景機能と画面共有機能の組み合わせにより、PowerPointのスライドショーを背景に表示させることが可能です。
バーチャル背景としてスライドショー画面を共有すると、自分自身の表示サイズ・位置などを編集できるようになるため、ウェビナーの見せ方のアイデアが広がるでしょう
YouTubeなどの動画
Zoomでは、ローカルに保存されている動画ファイルだけでなく、YouTube動画などの共有も可能です。
YouTube動画の共有はパソコン・モバイルの双方で対応しており、参加者全員で同じYouTube動画を視聴することができます。
ZoomでYouTubeの動画を視聴・配信する手順
続いて、ZoomでYouTube動画の共有を行うときの操作手順を解説していきます。
ホスト側で共有する場合と、参加者に共有してもらう場合の手順をそれぞれまとめているので、会議やセミナーの資料としてYouTube動画を利用する際の参考にしてみてください。
ホスト側でYouTubeの共有を行う場合
ホスト側でYouTube動画の共有を行う場合の操作方法は以下の通りです。
デスクトップクライアント(パソコン)の場合
- ブラウザを起動して、配信したいYouTube動画のページを開いておく
- Zoomアプリを起動してミーティングを開始
- 画面下部のツールバーにある「画面共有」をクリック
- 一覧から「画面」またはYouTube動画を開いているブラウザを選択
- YouTube動画の音声も流したい場合は画面左下にある「音声を共有」にチェック
- 「共有」ボタンをクリック
モバイルアプリ(スマホ・タブレット)の場合
- ブラウザを起動して、配信したいYouTube動画のページを開いておく
- Zoomアプリを起動してミーティングを開始
- 画面下部のツールバーにある「共有」をタップ
- 一覧から「画面」また「WebサイトURL」をタップ
- 「画面」をタップした場合はブロードキャストの設定に移動するので「開始」をタップ
- 「WebサイトURL」をタップした場合はYouTube動画のページURLを入力して「共有」をタップ
参加者側でYouTubeの共有を行う場合
Zoomでは、ホストだけでなく参加者も同様の手順でYouTube動画を表示させることができます。
ただし、ミーティングの参加者にYouTube動画の共有を依頼する場合は、事前にホスト側で画面共有の権限を許可しておく必要があります。
参加者に画面共有機能の利用を許可する手順は以下の通りです。(PCの場合)
- 画面下部のツールバーにある「画面共有」の「^」をクリック
- 「高度な共有オプション」をクリック
- 下記のオプションを指定して「×」をクリック
同時に共有できる参加者 | 同時に1名の参加者が共有可能 / 複数の参加者が同時に共有可能 |
共有できるユーザー | ホストのみ / 全参加者 |
他の人が共有している場合に共有できるユーザー | ホストのみ / 全参加者 |
YouTubeの共有を行うときの注意点
ここからは、ZoomでYouTube動画を配信・視聴する際の注意点について詳しく見ていきましょう。
よくある音声トラブルの原因と対処
ZoomでYouTube動画を配信する際によくあるのが「音声が聞こえない」というトラブルです。
この場合、YouTube動画を共有する際に「音声を共有」にチェックが入っていないことが原因となっているケースが多いので、一度配信を停止して、再度チェックを入れた状態で配信し直してみましょう。
また、配信しているYouTube動画自体の音声がミュートになっていたり、視聴者側のデバイス設定でスピーカーがオフになっていたりする場合もあるので、合わせてご確認ください。
レコーディングを行う際は著作権に注意
Zoomミーティングやウェビナーの中でYouTube動画を配信すること自体は問題ありませんが、ミーティング・ウェビナーの内容を録画・録音する場合には著作権への配慮が必要です。
特に、レコーディングしたウェビナーをYouTubeなどで再配信するといった場合、著作権に触れる動画が含まれているとトラブルに繋がる可能性があります。
配信前に編集でカットするなどの工夫をして、著作権トラブルに巻き込まれないよう注意が必要です。またブレイクアウトルーム使用時は音声共有ができないということも覚えておきましょう。
Zoomミーティングには、参加者のグループ分けを行うための「ブレイクアウトルーム」機能があり、このブレイクアウトルームを利用している途中でもYouTube動画を配信することができます。
ブレイクアウトルーム利用時は、画面共有の際に「ブレイクアウトルームに共有」という項目が表示されるので、こちらをチェックしてから配信しましょう。
ただし、ブレイクアウトルーム利用中は音声共有ができないため、YouTube動画を配信する際は映像のみの表示になるという点に注意が必要です。
まとめ
- Zoomの画面共有機能では、画面・個別アプリ・スライドショー・YouTube動画などの共有が可能
- YouTube動画の配信はホスト・参加者共に可能で、参加者が利用する場合はホストによる許可が必要
- 動画の音が聞こえない場合は、「音声を共有」にチェックが入っているかどうかを確認する
画面共有はZoomの特徴的な機能の1つで、ドキュメント・写真・動画など様々なファイルの表示が可能です。
会議やセミナー・講演会の進行を助けてくれる機能となっているので、ぜひ一通りの操作方法を覚えておきましょう。