本記事は一般的な取組みについて記載したもので、NECネッツエスアイでの取組みを紹介したものではありません。予めご了承ください。
電話は、メールのように記録が残らないため、内容を後から確認することができません。
頼まれたタスクの処理を忘れたり、相手との間に行き違いがあったまま進めてしまっては、思わぬトラブルにつながることも。
そこで、電話対応の内容を記録として残しておくことが問題解決のカギになります。
この記事では、これから電話対応の記録を始めたいと思っている方・現在の方法がうまくいっていない方向けに、電話の履歴を記録・管理するためのコツを紹介します。
まずは電話対応記録の目的を確認
電話は、顔が見えないうえに、音声だけのやり取りになるため、聞き間違いや誤解も起こりやすいものです。
また、時間がたつと記憶があいまいになったり、何件もの電話に対応しているうちに内容が混ざってしまうこともあります。
相手は「ちゃんと電話で伝えた」と思っているのに、こちらが忘れてしまったり、誤った対応をしたりすれば、重大なクレームに繋がりかねません。
このような事態を防ぐためにも、電話の記録を残しておくことが大切です。
普段仕事で電話対応をされる方は、相手の名前や連絡先、用件などをメモしたり、取り次ぎのための伝言メモを作成していらっしゃるかと思います。
そこで、一歩進んで、その場限りのメモではなく、後で見返して確認することを意識した記録を残しておくと、業務効率化や品質向上などに活用できる付加価値が生まれます。
電話対応記録の活用例としては、次のようなものが挙げられます。
- 名前や連絡先などの顧客情報リスト作成
- 対応もれをなくすためのToDo管理
- 顧客属性やニーズの分析
- 電話の本数や対応時間に基づく人員配置
対応を記録する目的を明確にして、それに合わせたフォーマットで記録を管理することで、電話対応の履歴を貴重なデータベースとして生かすこともできるようになるのです。
取引先対応でのメリット
営業部門など、取引先と直接やり取りをする部署では、相手の期待に応え、継続的な信頼関係を築くことが大切です。
電話対応の記録は、顧客の管理や業務の進捗を把握するためにも役立ちます。
担当者間の情報共有・報連相
顧客対応の内容を上司に報告したり、他の担当者へ対応を引き継いだりする場合には、これまでの経緯を時系列に記録しておくと、冗長な説明を省いて要点を的確に伝えることができます。
人に読んでもらうことを前提に内容を整理してまとめておくと、自分で振り返るときにも使えて一石二鳥です。
トラブル時の事実確認ができる
電話では、ささいな誤解や確認不足がクレームに発展することがあります。
また、文字として証拠が残っていないため、「言った、言わない」で揉めてしまうケースも…。
こうしたトラブルは、口頭でのやり取りである以上完全に防ぐことはできませんが、トラブル時に適切な対応をすることで信用を回復することは可能です。
やり取りの履歴を残しておくと、何かあった際に遡って事実確認することができ、原因の特定やアフターフォローが可能になります。
タスク管理に使える
顧客に紐づくタスクは、顧客情報や対応履歴と切り離してしまうと、後で確認するときに複数のツールを参照しなければならなくなり非効率です。
電話で依頼されたタスクは対応履歴と同じフォーム上に集約すると、そのままタスク管理としても使うことができ、前後のやり取りと合わせて状況を確認することができます。
問い合わせ対応・カスタマーサービスでのメリット
電話対応がメインの問い合わせ対応やカスタマーサービス部門では、前章のメリットに加え、大量に蓄積された対応履歴をデータとして活用することが可能になります。
顧客満足度アップ
顧客ごとに問い合わせの内容と対応を逐一記録しておくと、履歴を参照すればこれまでのやり取りがすべて確認できるので、毎回別のオペレーターが対応する場合も品質を一定に保つことができるメリットがあります。
人が変わるたびに同じ内容を何度も説明したり、前回の対応内容が伝わっていなかったりで相手をイライラさせることがなくなり、1件あたりの対応時間も短縮できるでしょう。
対応品質の改善に役立つ
対応履歴には実際の事例と回答が蓄積されますので、対応に困ったときに検索して参考にしたり、良い回答をマニュアル化して教育に活用することで、知識を共有し、全体の対応品質を底上げすることができます。
また、よくある質問はあらかじめFAQにまとめてパンフレットやホームページに掲載しておくと、お客様がわざわざ電話しなくても自分で調べて解決できるケースが増え、問い合わせ対応の業務負荷軽減にもつながります。
マーケティングに活用できる
電話対応は、お客様の生の声を聞くことのできる貴重な機会です。
対応履歴からおすすめのサービスを紹介したり、データを分析して商品開発に活用したりと、蓄積されたデータが多ければ多いほど活用範囲も広がります。
電話履歴の記録方法と活用例
電話対応の履歴を記録するには、アナログからデジタルまでさまざまな方法があります。
どんな方法で記録するのがよいか迷った場合には、使いやすさ・導入の容易さで選びましょう。
ポイントは次の3つです。
- 会社の規模や顧客数に合っている
- 利用目的に合致している
- 誰もが使える
個人の記録管理に:メモ・ノート
自分一人の対応記録やToDo管理であれば、メモ用紙に手書きで書いたものでも十分です。
アナログ管理は不正アクセスの心配はありませんが、電話メモには顧客情報が含まれますので、人目に付くところに出しっぱなしにしない・処分するときはシュレッダーにかけるなど、取り扱いには注意しましょう。
活用例
- 担当取引先ごとにノートを用意し、対応履歴を時系列や案件別に整理して記録する
- 不在時の伝言メモを折り返しの優先順に並べて貼り、対応が終わったものから移動する
チームでの情報共有に:Excelなどで管理表を作成する
これまでの対応内容を一覧で確認したり、複数人で管理したい場合は、管理表を作るのがおすすめです。
ExcelやGoogleスプレッドシートなどの使い慣れたツールであれば、抵抗なく導入できます。
必要な項目を自由に作成でき、後から項目の追加も容易なため、お金をかけずに記録管理を行いたい場合はまず手持ちの表計算ソフトなどで始めてみるのがよいでしょう。
活用例
- クラウドでファイルを共有し、対応した人が各自で書き込む
- 進捗管理欄を作成し、優先度でソートしたり、期限の早い順に並べ替えたりしてタスク管理を行う
大規模な受電業務に:CRM(顧客関係管理システム)を使う
CRM(顧客関係管理システム)は、顧客の名前や住所などの基本データ・購入履歴・問い合わせ内容などを一元管理できるシステムです。
大量の受電を迅速に処理しなければならない部署では、このような専用システムが必要になります。
活用例
- 対応履歴を共有して速やかにエスカレーションを行う
- CTIと連携して着信番号から顧客情報を呼び出し、パソコンの画面で確認してから電話を取る
対応品質向上に:通話を録音する
電話の内容を録音しておけば、やり取りの内容を一言一句もらさず記録しておくことができるため、「言った、言わない」のトラブル時の証拠になります。
また、録音データを聞けば、文字では表現できないニュアンスや温度感も再現することができます。
対応内容の振り返りや、オペレーターの教育・指導にも使えます。
活用例
- 電話対応時に聞き取れなかった部分を確認する
- クレーム発生時に録音を聞いて事実確認を行う
記録のコツは手間をかけすぎないこと
電話対応の記録を取ることのメリットをお伝えしてきましたが、重要なのは、記録に時間や手間をかけすぎないことです。
電話が終わるたびに記録の作成に時間を取られていては、業務に割く時間がどんどん削られてしまいます。
入力方法がわかりにくかったり、ツールが使いにくいと、記録を付けること自体が面倒になって、使われなくなってしまうでしょう。
対応履歴の記録・管理を成功させるためには、次の点に注意しましょう。
- 使いやすいツールを選ぶ
- 社員の負担にならない方法で実施する
- 継続させることを優先する
AIが電話番!音声と文字で伝言を記録する「Canario(カナリオ)」
電話対応の記録を取ることが面倒だなと感じたら、AIに任せる方法もあります。
NECネッツエスアイが提供する「Canario(カナリオ)」は、AIが電話に対応し、社員の代わりに取り次ぎや伝言を行ってくれるサービス。
伝言はテキスト化して担当者に送信するので、相手の言葉をもらさず確認できます。
メールやメッセージは後から何度でも確認できるから、電話対応記録の代用としてもご利用頂くことができます。
「Canario(カナリオ)」では、
- 一次対応・取り次ぎ・伝言メモの作成が不要
- メッセージで問い合わせ内容を確認してから折り返しできる
- 時間外の電話にも対応
さらに高度な対応履歴管理を行いたい場合は、「Canario AIボイスメール」もおすすめです。
Canario AIボイスメールとは
電話がかかってきたら、伝言を録音して音声とテキストで保存するサービスです。
通知はWebサイト、スマホアプリ、メール、LINE、Slackなどで受け取ることができるので見逃す心配なし。
メッセージは最大300秒まで録音できるから、用件が途中で切れる心配もありません。
1アカウントごとに蓄積できるメッセージ件数に制限はなく、預かり時から1年間保存され、検索も可能です。
メッセージにはフラグを付けたり、メモを追加することもできるので、対応履歴を書き込むこともできます。
記事まとめ
電話対応の記録は、
- 社内の情報連携
- トラブル・クレーム対応
- ToDo管理
- 顧客満足度・対応品質向上
などさまざまな用途に活用できます。
ただし、記録をつける手間がかかりすぎて、業務の妨げになっては元も子もありません。
AIが対応する電話転送サービス「Canario」「Canario AIボイスメール」なら、電話対応業務の負荷をなくし、記録もしっかり残せるのでおすすめです。