行政が抱える課題とAIの活用による自治体DX事例を紹介

自治体DXの必要性とAI導入による効果・課題を解説

行政が抱える課題とAIの活用による自治体DX事例を紹介
注意事項
・本コンテンツは一般的な情報の提供を目的としているため、弊社が関与していない取組みを含みます。
・記事内に使用されている写真・画像はイメージです。実際のプロダクトやサービスで提供される内容とは異なる場合があります。
・本ブログの内容については、記事掲載時点での情報に基づく記載となります。そのため製品に関する内容については、バージョンアップなどにより画像や操作手順等が現行のものと異なる場合がございます。

総務省による「自治体DX推進計画」の中で重点取組事項の1つに挙げられているのが“AI・RPAの利用推進”です。

この記事では、日本の自治体が抱える課題とAIの活用メリットを解説しています。

実際にAIを導入している自治体の事例も紹介しているので、自治体DXのやり方やAIの活用方法でお悩みの自治体関係者様はぜひ参考にしてみてください。

自治体DXにおけるAI導入の必要性

まずは、自治体DXとしてAI導入が求められている背景と、AI導入によって期待できるメリット・課題について詳しく見ていきましょう。

日本の自治体が抱える課題とは

日本の自治体が抱える課題とは

現在の日本は少子化による急速な人口減少と高齢化の危機に直面しています。

総人口は2008年の1億2,808万人をピークに減少をはじめ、2040年には1億1,092万人まで減少する見込みとなっている他、同年頃に老年人口がピークを迎えるという推計も出されています。

自治体も人口減少の影響を受けており、2040年には職員が半減すると言われていることから、早急に自治体の業務効率化や単純作業からの解放を進める必要があるのです。

AI活用によるDX化のメリット

AI活用によるDX化のメリット

自治体DXの推進として業務にAIを導入することにより、以下のようなメリットが期待できます。

庁内業務×自動化 大量・高速処理による作業負荷・誤作業の低減、業務判断の平準化・安定的な稼働
庁内業務×高度化 人間と同等もしくはそれ以上の予測・判断の実施、ノウハウの蓄積による業務改善への寄与
住民サービス×自動化 住民がいつでもどこからでもサービスを利用可能
住民サービス×高度化 住民1人1人のニーズに合致したサービスの提供

AI導入における課題も

AI導入における課題も

自治体DXとしてのAI導入は様々なメリットをもたらしますが、一方で以下のような課題も顕在化しています。

  • 自治体DX推進・AI導入に取り組むためのデジタル人材がいない・不足している
  • 取り組むためのコストが高額であり予算を獲得するのが難しい
  • どのような業務や分野で活用できるか分からない
  • 担当課において自治体DX推進・AI導入よりも優先すべき業務課題が存在する 等

中でもデジタル人材の不足は全国の自治体で共通の課題となっており、民間企業への委託や地域情報化アドバイザー派遣による支援、また研修会への参加等、「外部人材の活用」「内部人材の育成」の双方から対応していく必要があると言えるでしょう。

AIを活用した自治体DXの事例を紹介

AIを活用した自治体DXの事例を紹介

続いて、自治体DX推進の一環として実際に業務へのAI導入を行っている自治体の先進事例をいくつか紹介します。

(世の中の先進事例として紹介しているため、当社が直接関与していない事例を含んでいます)

引用元:自治体におけるAI活用・導入ガイドブック<導入手順編> 令和4年6月 総務省 情報流通行政局 地域通信振興課

自治体DX事例①AIによる議事録作成・チャットボット等の活用で業務効率を向上

自治体DX事例①AIによる議事録作成・チャットボット等の活用で業務効率を向上

ある自治体では「革新的ビッグデータ処理技術導入推進事業」として、文書閲覧システム・庁内FAQシステム・音声/ビデオテキスト変換ツールを開発しました。

それぞれのシステムの概要と導入効果は以下の通りです。

文書閲覧システム 庁内FAQシステム 音声/ビデオテキスト変換ツール
概要 登録文書の自動認識・自動登録を行う他、文書検索・閲覧を簡易化する高度な検索機能の搭載 職員の質問に対し、AIがFAQ等データから自動的に回答するサイトを構築 会議等で収録した音声データ等をテキストデータに自動変換し、議事録作成を支援
効果 文書収受・通知・配布・閲覧等に係る職員の作業時間を1件あたり平均10分→平均3分に短縮 1件の問合せに対する職員の対応時間が平均5分→平均2分に短縮 1件の議事録書き起こしに係る職員の対応時間が平均70分→平均30 分に短縮

自治体DX事例②AI-OCRによる行政文書の読み取り・データ化

自治体DX事例②AI-OCRによる行政文書の読み取り・データ化

AI-OCR(紙文書をスキャナーで読み込み、書かれている文字をデジタル化する技術)を活用して団体の各種業務の実帳票を読み込み、データ化するという実証を複数の自治体で共同実施した事例です。

こちらの取組みでは、AI-OCRの正読率が約93%であったという結果が得られ、実用に耐えうる可能性があるとして本格導入に向けた検討が進められています。

自治体DX事例③AIによる保育所入所選考の自動化

自治体DX事例③AIによる保育所入所選考の自動化

ある自治体では、認可保育所の入所選考にかかる時間が膨大であるという課題を抱えており、この解決策としてAIによる自動化が導入されています。

AIの導入前は数千人規模の入所希望児童の選考に延べ約1,500時間かかっていましたが、AI導入によって数十分程度まで時間を削減することに成功しました。

保護者への決定通知を早期に行えるようになったことで、住民サービスの向上にも寄与すると期待されています。

まとめ

まとめ

AI導入による自治体DXの推進は、内部の業務効率化や住民サービスの向上等様々な効果が期待できる取組みです。

NECネッツエスアイでは、AI-OCRとRPAを連携させたサービス等、業務効率化を支援するソリューションの提供も行っているので、業務プロセスのDX化でお悩みの自治体様はぜひ一度ご相談ください。

【関連記事】合わせて読みたい

※記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。

symphonict

SymphonictとはNECネッツエスアイが提供する、「共創でお客様のビジネスに新たな価値を提供する」をコンセプトに先端技術やサービスを繋ぎ・束ねることでIT・デジタル変革技術やツール・システムを皆様にお届けするデジタルトランスフォーメーション(DX)サービス。→Symphonictに関してはこちら

※免責事項

本コンテンツは一般的な情報の提供を目的としており、法律的、税務的その他の具体的なアドバイスをするものではありません。個別具体的事案については、必ず弁護士、税理士等の専門家にご相談ください。

本コンテンツの情報は、その情報またはリンク先の情報の正確性、有効性、安全性、合目的性等を
補償したものではありません。

また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

閉じる