自治体DXを推進するのに求められる人材とはどのようなもの?

自治体DX推進を担う「DX人材」の不足と育成・確保について解説

自治体DXを推進するのに求められる人材とはどのようなもの?
※ 記事内に使用されている写真・画像はイメージです。実際のプロダクトやサービスで提供される内容とは異なる場合があります。
※本ブログの内容については、記事掲載時点での情報に基づく記載となります。そのため製品に関する内容については、バージョンアップなどにより画像や操作手順等が現行のものと異なる場合がございます。

社会全体で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「デジタル化」が叫ばれ、総務省による2020年「自治体DX推進計画」の策定、2021年デジタル庁の発足と、本格的に「自治体DX」「行政のデジタル化」の推進が求められています。

自治体DX推進の課題の1つに自治体DX推進を担う「DX人材」の不足が挙げられます。自治体DXを推進していくためには、どのようなDX人材を育成・確保するべきなのでしょうか。

今回は、自治体DXを推進するのに求められる人物像(DX人材)とはどのようなものかということについて解説します。

自治体DXとは

自治体DXとは

ここでは「DX」の意味を掘り下げつつ、「自治体DX」とはどのような取り組みかを解説します。

「DX」と「ICT化」の違い

DX(Digital Transformation)とICT化(Information and Communication Technology)とは混同されがちですが、実際には異なる概念です。

「ICT」とは情報通信技術のことであり、「ICT化」とは、アナログの業務やインフラをICTに代替することです。「行政のICT化」とは、業務本位で組織の効率化を目的として、従来の業務を情報通信技術に代替していくことです。

他方「DX」とは、「デジタル技術を浸透させ人々の生活をより良いものにするために、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的な変革をすること」です。

「DX」と「デジタル化」の違い

「デジタル化」とは包括的な概念で、「情報のデータ化(Digitization)」「業務のICT化(Digitalization)」「DX」の3つの概念を含んでいます。

これら3つの概念は段階的なステップになっているため、業務のICT化の実現には情報のデータ化がある程度進んでいることが前提であり、DXの実現には、情報のデータ化と業務のICT化が一定程度進んでいる必要があります。

3つの概念を行政における具体例を盛り込みまとめると以下の表のようになります。

情報のデータ化 業務のICT化 DX
内容 アナログ情報をデジタル形式に変換 業務プロセスを情報通信技術に代替 デジタルによる価値創造・仕組みの変革
行政の具体例 マイナンバーカードで書類の記入省略 マイナンバーカードを使ってコンビニで住民票を自動交付 役所に出向かず

自治体DXの定義と推進する理由

自治体DXとは、「デジタル技術やデータの活用により、住民の利便性を向上させ、住民本位の行政・地域・社会等を再構築するプロセス」と定義されます。

自治体DXを推進する理由は、少子高齢化や住民ニーズの多様化などにより従来の行政運営の限界が見えてきたことや、デジタル技術が低コスト・多様な選択肢・利便性などにより「ヒト・モノ・カネ」に次ぐ第4の要素として活用できるまでに一般化されてきたことなどが考えられます。

自治体DXの推進のために求められる人材とは

自治体DXの推進のために求められる人材とは

自治体DXを推進していくためには、専門組織とDX人材が必要になります。

DX人材とは、経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)」によれば、「デジタル技術やデータ活用に精通した人材」「DXの取り組みをリードする人材」「DXの実行を担っていく人材」などと定義されていますが、実際にはどうなのでしょうか。

ここでは、自治体DX推進のために求められる人材の人物像を探っていきます。

また、DX人材の人物像を探っていく前提として、自治体DX推進のために必要なことや自治体DXに関わる職員のIT知識の格差の現状についても紹介します。

参考:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)」

自治体DX推進のために必要なこと

自治体DXの目的を、デジタル技術の導入だと勘違いしている人がいます。

確かに、自治体DXには、デジタル技術の導入は不可欠ですが、それだけでは、住民の利便性を向上させ、住民本位の行政・地域・社会等を再構築することはできません。

自治体DXを推進していくためには、デジタル技術の導入を前提として、自治体の組織・文化・マネジメント・職員の働き方・住民との関わり方などをダイナミックに変革していく必要性があります。

自治体DXに関わる職員のIT知識の格差の現状

株式会社ベネッセコーポレーションによる「2021年行政・自治体のDX推進の現状・課題に関するWEBアンケート調査(対象:全国31自治体の職員約1,400人)」によれば、以下のような調査結果の概要になっています。

DX推進担当職員の回答 回答した人の割合
「部門や職員によりIT知識に差があることが課題」 約9割
「IT知識不足のためITに抵抗がある」 約5割
「活用可能なIT技術がわからない」 約7割
「DX推進のために何から着手すればよいかわからない、学び方がわからない」 約8割

参考:株式会社ベネッセコーポレーション「2021年行政・自治体のDX推進の現状・課題に関するWEBアンケート調査(対象:全国31自治体の職員約1,400人)」

自治体DX推進人材の人物像①必要な個別能力を有する人材

自治体DX推進のために求められる人材の人物像は、「自治体DX推進に必要な個別能力を有する人材」と「自治体DX推進の専門組織内で役割を担う人材」とに分類されます。

前述したベネッセ社のアンケート調査結果を見る限り、現場で自治体DXに関わっている職員は、「DX人材の個別能力として人並み外れたIT知識やIT技術を導入・駆使できる能力が不可欠」と思い込んでいるようです。

しかし、DX人材に必要なのは以下のような個別能力です。

  • IT技術で「できること・できないこと」の限界を理解し、業務や施策にどのように取り入れられるかを柔軟に考えて推進させられる能力(業務へのデジタル取り込み力)
  • データを収集・分析し、市民生活・行政サービス・業務をより良くするためにはどうしたらよいかを住民本位目線で考えられる能力(データの活用力)

自治体DX推進人材の人物像②専門組織内で役割を担う人材

自治体DX推進を担う専門組織の体制は各自治体さまざまです。

体制は異なっても、自治体DX推進を担う専門組織内にこんな人材がいたらと思うリーダーやスタッフの人物像は以下のとおりです。

  • 国やデジタル技術の動向・技術を活用した改革事例・データ活用方法等に精通していて、自身の自治体の実情に適したDXの方向性を打ち出せるリーダー
  • 自治体の幹部から一般職員にDX推進の必要性をわかりやすく説明でき、理解者を増やし自治体組織全体をDX推進モードに転換できるリーダー
  • 国・自治体職員、企業・大学などの技術者・研究者などと人的ネットワークを構築でき、課題解決方法の検討や助言などを求めることができるリーダー
  • リーダーの考えの真意を理解し、リーダーを補佐する有能なスタッフ

ただし、必ずしも上述したような人物像のリーダーや有能なスタッフがいなくても、推進組織のチームとして、あるいは外部の専門家などと連携をして目標達成できればよいでしょう。

自治体DX推進のための人材の確保

自治体DX推進のための人材の確保

ここでは、自治体DX推進のための課題であるDX人材を確保するためにはどのような方法があるのかについて解説していきます。

DX人材の育成

自治体DX推進のためのDX人材確保の施策の1つは、自治体内部の人的リソースの活用、つまり職員をDX人材として育成するという方法です。

ただし、一般企業でもDX人材の育成には苦労している現状を鑑みると、DX人材の育成には中期的・体系的な研修が必要であることを覚悟しておかなければならないでしょう。

DX外部人材の活用

自治体DX推進のためのDX人材確保の施策のもう1つは、DX外部人材の活用です。

政府が自治体への人材派遣を支援する「地方創生人材支援制度内デジタル分野(デジタル専門人材、旧称「デジタル専門人材派遣制度」)」の活用や一般企業との連携によるDXのプロフェッショナルの受け入れなどを検討してみましょう。

NECネッツエスアイの自治体DXサポートのご紹介

NECネッツエスアイの自治体DXサポートのご紹介

このように自治体DXなどに取り組むことができるDX人材は確保するのに多くの時間やコストがかかるものとなっています。

従来の旧システム(レガシーシステム)が根強い自治体様であれば、なかなか自治体DX導入に取り組むのは難しいこともあるかもしれません。

また総務省が掲げている自治体DX推進のための重点取り組み事項として以下の6つが挙げられているのですが、これだけ見てもかなり多くのポイントがあります。

 ① 情報システムの標準化・共通化
 ② マイナンバーカードの普及促進
 ③ 行政手続オンライン化
 ④ AI・RPAの利用促進
 ⑤ テレワークの推進
 ⑥ セキュリティ対策の徹底

引用元:自治体DX推進計画概要

そんな時はNECネッツエスアイにご相談ください。自治体DXの重要取り組み事項、④〜⑥に対して強力にサポートします。

特に⑤テレワークの推進に関して、実際にNECネッツエスアイは2015年からテレワークを試行導入し、2017年には全社員でのテレワーク、2019年10月からサテライトオフィスを前提とした分散型ワークに取り組んでおり、多くの成果を挙げていますので豊富な実績・ノウハウがあります。

まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ

まとめ

ここまで、「自治体DXとはどのような取り組みか」「自治体DXを推進するのに求められる人物像(DX人材)とはどのようなものか」などについて紹介しました。

自治体DXを推進していくために求められるDX人材とは、業務へのデジタル取り込み力やデータの活用力などの個別能力を有している人材であり、自治体DX推進の専門組織内で必要な役割を担える人材です。

自治体DX推進のためのDX人材の確保における高度なIT専門知識を有した外部DX人材を活用する際に重要なことは、外部人材がいなくなっても、自治体DXの推進を継続できる自治体内部職員の成長、変化が必要になるということです。

これらのポイントを押さえた上で、自身の自治体の現況に合わせたDX人材の確保に取り組んでいただければと考えます。

※記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。

symphonict

SymphonictとはNECネッツエスアイが提供する、「共創でお客様のビジネスに新たな価値を提供する」をコンセプトに先端技術やサービスを繋ぎ・束ねることでIT・デジタル変革技術やツール・システムを皆様にお届けするデジタルトランスフォーメーション(DX)サービス。→Symphonictに関してはこちら

※免責事項

本コンテンツは一般的な情報の提供を目的としており、法律的、税務的その他の具体的なアドバイスをするものではありません。個別具体的事案については、必ず弁護士、税理士等の専門家にご相談ください。

本コンテンツの情報は、その情報またはリンク先の情報の正確性、有効性、安全性、合目的性等を
補償したものではありません。

また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。



閉じる